糖質制限の危険性 ~過度の糖質制限が糖尿病を招く~
私は医療の専門家ではありませんが、多くの医師が行き過ぎた糖質制限を批判している事実があまりメディアに取り上げられず、むしろ糖質制限をあおるものばかりな事が昔から気になっていました。
なので、私が読んだり見たりしてきた糖質制限のリスクについてのお話を分かる範囲でしていきます。
糖質制限ダイエットや糖質制限による健康管理が流行っていますが、過度の糖質制限で糖尿病や心筋梗塞になるって知っていますか。
医師の指導のもと、管理された食事による糖質制限ならばいいのですが、素人の行き過ぎた糖質制限は心筋梗塞や脳梗塞のリスクを高め、糖尿病になる恐れがあると言われています。
糖質制限 糖尿病 危険性などでググると関連のコラムや医療関係機関が発表している研究論文などを見ることが出来ると思いますが、健康な身体つくりのためと行う糖質制限で、最悪は死亡することもあるのです。
ということで、本稿では適切な範囲を越えた糖質制限の危険性について、私のわかる範囲で解説していきます。
糖尿病になる可能性
糖尿病と聞いて、皆さんはどういった原因を思い浮かべるでしょうか。
炭水化物や甘いものの食べ過ぎで肥満になって、糖尿病になる。そんな風に思う方が多いかと思います。
実際、糖質の取り過ぎや肥満は糖尿病リスクを高めますから、糖質を制限して、肥満を解消することは糖尿病予防に繋がると考えられています。
しかし一方で過度の糖質制限は糖尿病リスクを高めるとも言われるのです。どうしてでしょうか。
糖尿病は先天的にインスリンの分泌がすくなかったり、働きが悪いとなりやすくなりますが、この他に内臓脂肪や、常態的に血糖値が高くなる食生活などで、インスリンの分泌が追い付かなくなり、糖の分解ができなくなることでおこります。
また、インスリンの生成が免疫不全などで滞ることでもなるんですが、糖質を制限し過ぎた場合でも、インスリンの働きが悪くなることがわかっています。
消費カロリー全体の4~5割ほどは糖質で摂ることが望ましいとされているんですが、ここからどこまで下回ると危険かは個人差があるので明確ではありません。例えば20%を切るほどに少なくすると、必要な糖が不足するため、身体はそれを補うためにたんぱく質を分解してケトン体というものを作って糖の代わりにします。このことをケトーシスといいますが、このケトーシスの状態が長期化して血中にケトン体が増えるとケトアシドーシスという状態になります。
たんぱく質を分解してケトン体を溜め込むほどに糖質を摂らなければ、身体は必要な糖を確保するためにインスリンの働きを下げます。
これは例えばガソリンの供給が不足して工場の操業のためにトウモロコシを使ったバイオ燃料を代替品としているとして、ガソリンの供給が僅かに再開しても、バイオ燃料をメインとしてガソリンは備蓄に回しているような状態ですね。
人間の身体は飢餓状態のさいに恒常性を発揮するように出来ています。いかにその環境で身体を維持するかに努める訳です。糖質が極端に入らない環境では生命維持のために僅かに入る糖質をなるべく分解せずに血中に残して脳に送ることを優先するんだろうと思います。
こうしてインスリンの働きが弱まることで血糖値のコントロールが難しくなれば糖尿病になってしまうというわけです。
ケトアシドーシスの危険性
ケトアシドーシスに陥るほど偏った食生活を送れば血中は酸性に偏ります。これは心筋梗塞や脳梗塞のリスクを高めます。
また、活性酸素が増えることで老化を促進させることにも繋がるでしょう。
本来なら、カロリーベースで40%以上は摂取すべき糖質をたんぱく質や脂質で補うわけですから、当然、問題は起きるわけです。
また、ケトン体はたんぱく質を分解して作られるため、筋肉が壊されてしまうことも否定出来ません。
糖を直接エネルギーに変えるのではなく、たんぱく質をケトン体にしてからエネルギーにするという、ワンクッションおいた工程となるため、余分な負担もあります。
ケトーシスダイエットは減量ではよく使われているように思いますが、糖質制限は本来なら血糖値のコントロールを目的にゆるやかに吸収分解されるように摂取することを心がけて、必要な量は食べなくてはいけません。
某結果にコミットする系のパーソナルジムでは無理やりケトーシスな状態にするダイエットを行っていますが、身体へのリスクや継続が困難なためにリバウンドをする人が多いという事を考えるなら、あまり優良な会社とは思えませんね。
はっきりいいますが、パーソナル受講者から数十万、場合によっては百万円を越える受講料を取って、短期間でプロのフィットネス選手が減量の追い込み時に行うような無茶苦茶な糖質制限を強要して運動させて痩せさせるというのは、はっきりと価格と内容が釣り合っていないでしょう。
マッスル北村という、フィットネス競技に多少詳しい方なら知っているであろう、レジェンドがいましたが、彼の死因については正確なところはわかりませんが、減量が原因で糖尿病を患い、インスリンを持ち歩いていたことと、フィットネス競技における身体の酷使から早すぎる死を迎えたことは事実なんです。
糖質はカロリーとして1グラムで4キロカロリーを得られます。成人男性の推奨される1日の摂取カロリーは2400キロカロリーほどで、この内の40%としても約1000キロカロリー前後は糖質で摂ることが望ましいとなりますね。だいたい250グラムくらい摂取することになりますが、茶碗一杯でだいたい20~30グラムくらいです。どうです、意外と少ないんです。
勿論、砂糖を使ったものや、缶コーヒー、晩酌のビールなど、糖質が含まれるものは沢山ありますから、積み重なれば越えてしまうかと思いますが、逆に言えば、それらを意識して少し減らすだけで糖質の摂取量を範囲内に抑えることは簡単に出来ます。
食事によるカロリーコントロールをしたいのであれば、各栄養素をバランスよくとりつつ、揚げ物を1日に一品だけにする、ラーメンは一週間で2回まで、といった継続可能な範囲で行えるものにしましょう。
無理やりな食事で身体にダメージを与えては結果、恒常性が働き体重が落ちなくなり、筋肉が落ちて代謝が下がり、糖質の不足で思考も鈍る。その後リバウンドして、といったサイクルを繰り返せば、待っているのは精神疾患や生活習慣病です。
健康的で継続可能性の高い、ちょっとぽっちゃりくらいを目指しましょう。
お読み頂きありがとうございましたm(_ _)m
糖質制限については個人差があります、ほぼ糖質をカットして1週間ほど過ごしたのち、糖質を摂りまくる、カーボディプリートなどを行っても問題ない人もいるにはいます。
ですが、問題ない人もいるから、私も大丈夫とはなりませんよ、という事を頭において置くべきだと思うんですよね。