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業火な御馳走  作者: 赤八汐 恵愛
第1章 七尾奏音 色欲編
24/76

ゲーム

 食べ終わると奏音と私はゲームの準備をし母は台所で片付けをする。もし私に姉妹が居たらこんな感じだったのだろうかとふと思った。


 テレビの画面が変わり、ゲームのBGMが部屋に響く。何だかんだ準備をするのが大変でこの音を聞くとテンションが上がる。


 母が洗い物が終わりテレビの前に座る。私はスタート画面を押して、曖昧な記憶を探り対戦ゲームを選択し、二台のリモコンを母と奏音に渡す。


 ドラゴンカートでは二十種類のキャラクターと十種類のカートを組み合わせし自分のカートを作っていく。


 私は、ディアブロとブラックカートにした。この組み合わせは一番相性がいいらしい。奏音はベビードラゴンとエンジェルカートを選ぶ。ディアブロが黒炎を吐いて相手の邪魔をするスキルを持っているのに対して、エンジェルカートは一定の時間、空を飛ぶことができるらしい。つまり私が妨害して来たら空に逃げればいいということだ。ちなみに母はスライムドラゴンにスライムカートという圧倒的な物理耐性を持った組み合わせにしていた。


 コースは百種類の中からランダムで選ばれる。ドラゴンの息吹という巨大なドラゴンが左右から火を噴いてくるコースになった。


 複数のカートがスタート地点に並べられ、合図が出されるまでエンジンを吹かして待っている。


「よし、絶対に負けないからね!」


 私は、隣にいる二人に言った。


 スタートの合図が出されると私は、スタートダッシュを決めて一位に躍り出る。奏音と母はスタートダッシュのやり方を知らないので、五位と六位になったので早々に勝負が着いたかと思ったが、カーブを曲がるときにドラゴンの攻撃を喰らって奏音と母は私を追い抜いて行き三位と二位に躍り出る。私は最下位の十位になってしまって大差がついてしまった。


 ここから勝つには、危険はあるがショットカットできる道を通るか、特殊アイテムでよっぽどいいものを出すかの二択だ。とりあえず、三周あるので一周目は様子見で普通に走ることにする。今度は油断しないように慎重にカーブやドラゴンの攻撃を躱し(かわ)アイテムボックスを確実に取っていく。


 アイテムボックスから出たのはスキルだった。スキルとは、自分のキャラクターおよびカートのスキルが使えるようになるアイテムだ。でも、私のスキルは相手の妨害&一秒間だけ遅延させるという効果だった。使い方次第では効果があるが、はっきり言って今はそれほど要らないアイテムだったので内心落胆した。


 二度目のアイテムボックスが来る頃には少し順位を上げて八位となった。でもその頃、奏音と母は一位争いをしている。


 二回目のアイテムボックスから出たのは武器のボムガトリング砲だ。このアイテムは前にいる敵に無造作にボムを当てて一定時間遅延させるができる結構強いアイテムだった。コースによってはコースアウトにさせることも可能だ。


 私はこのアイテムをすぐさま使い、二周目に入る頃には三位になり、私たちは苛烈な上位争いに参加した。抜いては抜かれを幾度なく繰り返している。


 二周目、最初のアイテムボックスを取ったのは暫定一位の奏音、次は母、私の順番である。即座にアイテムを使用してこないので、私も様子を見るためにアイテムを使わないことにした。でも、一つ確かなことは母がスキルを持っているということだ。完全物理耐性のスキルは使用時間が限られているため、攻撃されるか分からないときは使用しないと思う。それに母が武器を持っているのなら、前にいるはずの奏音に向けて使用していると思うので、母が持っているのはスキルだと思う。


 そして今、私が持っているのは爪ロケットだ。これは三本の爪が相手を追尾して当てると言う武器アイテム。である。なので二人がアイテムを使用した後ではないと意味が無くなってしまう。


 何度もカーブや障害物があったがそれを難なくよける二人。順位はアイテムボックスを取った当たりから変わらない。そして二回目のアイテムボックスが見えてきた。私は変わらない順位に焦りアイテムを母に向けて投げた。案の定、母はスキルを使用して跳ね返した。だが私にではなく、母の斜め前にいる奏音に跳ね返る。でも、奏音も母と同様にスキルを使った。使ってしまったのである。


 奏音はアイテムボックスの直前でスキルを使用してしまったので、アイテムボックスの真上を走行する形になった。そして運も悪くステージ内の上空を飛んでいた龍に衝突してしまった。


「え~!!!!最悪!」


 隣で嘆く奏音の声が聞こえた。私的には予想もしていなかったラッキーが起きてガッツポーズをする。


 私と母はそのままアイテムを取る。手に入れたアイテムは龍だった。龍とは、龍になって速い速度で一定の距離を飛べるし、飛んでいる間は無敵状態になる武器アイテムだ。


 私は、即座に使用して一位に躍り出る。二位にいる母にも大差を付けることができた。だが、私は勝利を確信していなかった。それは母と奏音は思ったよりも上手いことが分かったからだ。それに武器アイテムで一位の人だけが喰らうアイテムも存在する。


 三周目に入ると、空を飛んでいた龍がロケットのように前から衝突しに来るという鬼畜設定になりコースの難易度が上がる。私はよく見て前から来る龍を躱し、一位を保っていた。私がアイテムボックスを取るあたりで母と奏音は三周目に入る。


 徐々に母と奏音が追い上げてくるが、まだ距離があった。だが、そう思った時空中から私のカートに向かって隕石が落ちてきた。一位だけに当たる武器アイテムだ。私はタイムロスを大幅にしてしまった。その間に奏音が龍を使って距離を縮めてくる。






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