表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/6

5. 存在を奪う者。

『存在を奪う者。』

転生者であれ現生者であれ、世界を作った神であれ、発動される能力。

効果は、相手の存在、能力、記憶、関係すべてを自分のものにする。

この能力にやられた者は次第に記憶力が衰え、だんだん自分を忘れる人が増える。

そして、最後は自分の存在自体を忘却してしまう滅びの能力。

活用度が高いだけに『アビリティクリエイティブ』という金色のチケットで1枚に1回ずつ使用できるというペナルティがある。


「このように設定すればいいよね? 」


黒い灰が土は辛い空間。 終末の神アベルの世界

しかし、今は作家志望の僕の世界へ主人が変わっただけだった。

僕の名前は相良秋。

ちょっと自己紹介をすると、元の世界では一流作家の卵、この世界では神々の専属作家···というか?

両親の反対で衝動的に家を出た後、不意の事故に遭い異世界に転生してしまった。

自分を女神だと紹介するシロを通じて、神々が興味深く見られる物語を作るように頼まれた。

頼みと言うのは強要だったが...

もちろん、平凡な作家たちとは比較にならないほどの想像力の持ち主である僕なら、神々を惑わす話を作っていく自信はある。

インターネットでは誰も認めてくれない僕の小説の実力をこの世界では思う存分披露することができた。

『存在を奪う者。』の使い手であり、この能力を作った創造主でもある。 』

この世界に参加する転生人なら与えられる『神の機会:アビリティクリエイティブ』

だが、明らかにシロは言った。

話の流れの邪魔になるほど強い能力なら、読者に制裁が入るというが···。


「1枚に1回ずつなら、1つの王冠を得るとき、もう1回使えるってことだよね?

こんなペナルティならものすごく強い能力じゃないじゃないか。 アイネスの暴君を倒すまでは、終末の神の能力しか使えないのだから! 」


僕の能力『存在を奪う者。』の最初の犠牲は終末の神「アベル」だった。

『消えない炎、火炎による剣の召喚、幻覚、自分の世界へ帰還』 全部で四つの能力。

やはり、神の能力というほど強力な能力が備わっていた。

他のゲームへの参加者は1つのチケットで1つの能力を得たものがほとんどだろうが、僕は『存在を奪う者。』 で一度に4つの能力を手にすることができた。

現在の目標物であるアイネスの暴君がいかに強力な能力を持っているかは予想されなかったが、怖くなかった。

いや、むしろ暴君の王冠を捲る思いで、もう全身に血が飛んでいた。


アイネスの王国を支配するという気持ちよりは、早くこの能力の真の力を一目で見たかった。

想像だけしていた僕の能力。 僕なりの能力 「頭の中で悪党を審判したその能力を一日も早く使いたかった。

消えない炎で成金を燃やし、火炎でできた剣で首を切り、幻覚を起こし暴動を起こす。

これより革命に近い能力はないだろう。


「とりあえず、帰ろうか。 シロが待っているから」



◈◈◈◈◈◈




家に帰った太陽の影響で海のように揺れていた空が藍色に変わっていた。

風の温度は下がり,みんなが太陽のように家に帰る時間になった。

そして、僕も同じく。 輝く金色の炎を周りに燃やし、元の世界に戻った。

先ほど言った本来の世界は、僕が一流作家の夢を見ていた世界ではなく、王になるべき世界のことだった。

自分の手で直接火を作って、それで世界を渡り歩くなんて···。確かに僕は魔法の異世界に来た気分を感じた。

グランドオーダーに戻った僕はもう少し冷たくなった風と灰だけで一杯だったアベルの空間とは比べ物にならないほど爽快できれいな空気が感じられた。

そして、背後から感じられるあたたかい目つきが、背中をさした。


「突然いなくなって、もう現れたね」


もともと世界で恋愛をしたことのない僕でも、この雰囲気を読むことができた。

これはデートの日を忘れたボーイフレンドに対するガールフレンドの怒りだ。


「ここはどのくらい経ってもう夜になったの? 」

「どれだけ!?!?! 君が急に消えてもう3時間が過ぎたね! この昼下がりの場所に、遅い時間まで女神様を放置してもいいの? 」


両腕を大きく振りながら、シロは漫画の中で女の子のように不満を表出し始めた。

お尻を後ろにそらしながら、涙がちらちら見えるような表情まで。 元々世界では到底見られない「怒る」方式だった。

3時間···能力を使ってこの世界で流れた時間が3時間だという。

だが、アベルの世界に行って彼の存在を奪うのにかかった時間は体感した1時間程度だった。

すると、アベルの世界の時間は現実世界の3倍も遅く流れるということが分かった。

この情報は戦闘でも活用できるかも…


「聞いてる?3時間でどれだけ怖くて退屈だったか知ってる?」 君を置いてエリスの家に行こうと思ったんだ! 」

「ああ、ごめんごめん。 それでもアイネスの暴君に対抗できる能力を得たからだ」

「……何の能力なんだよ」


口が尖ったまま、シロは自分を置いていって作った超能力について聞いてみた。

この世界を支配する一日をずっと一緒に過ごす詩だから、能力を言ってくれても構わないようだった。

僕は右手を肩まで持ち上げて、血管の中の血を右手に入れた。

そして、灰の黒と星の金色が絶妙に混じったまま、揺れている炎が現れた。


「さあ、どう?」


終末の神の存在を知っていた人なら、この炎を見れば、体が本能的に終末の神アベルの力だと感じなければならない。

自分も知らないうちに震えながら恐怖心を感じなければならず、僕の背後にはまるでアベルの形相が目に見えなければならない。

それが『存在を奪う者。』の本当の能力


「…きれいな炎? 」

「……終わり? 」

「あれ?ただのきれいな炎じゃないの? 」


一瞬、戸惑った。

シロもエリスを通じてアベルの話を聞いて、彼の存在を知っているはずだが…。

ということは、存在を知っているとしても、その神の恐ろしさを知ってこそ能力が発動するということか。


「はっ…もう少し考えて能力を設定すればよかったかな? 」

「何が間違ってるか分からないけど、だから僕を連れてって! 」

「ごめん、僕はあなたのように他人と同時に別世界に渡る方法までは分からないからね」


シロは僕の言うことを聞いて,少し横になって疑心暗鬼になった。


「別世界に…?それどういう意味? 」


考えてみると、能力を見せてくれただけで、能力について何も説明していなかった。

この炎を自分の目で目撃したら自然に知らせようと思ったのに...

それでも女神のように能力が通じないのか?


「だから…女神なんだって! 何の能力があるというの? 」

「小屋でアリスさんの話聞いたよね? 終末の神アベル。この世界を創った太初の神の一つ。 悪者たちは破壊し、誤った世界を終焉するというこの世界の神」

「うん、消えない深紅の炎で敵を飲み込む…」

「あの炎が、この炎だよ」


そう言うと、また右手に燃えている黄金色の炎を突きつけた。


「……え? お前…それはつまり···」

「うん、これがアベルの炎だよ。 『消えない炎』 もちろん、僕の意志で消せるけど」

「お前最初から神の力を得たの?!?! 」


シロは目を大きく見開いて大声で叫んだ。

おそらく、シロはあまりにもチート的な能力でこの物語を見る神々に制裁するのではないかと恐れてのことだろう。


「大丈夫。ペナルティもしっかり設定したし、そんなにチート的な能力ではないから」

「……ま、『消えない炎』一つならそんなチート的な能力じゃないか……」


あ、まだ本当の能力について言ってないんだな。


「本当の能力はこれじゃない。 今使えるスキルが…『消えない炎、火炎による剣の召喚、幻覚、自分の世界へ帰還』これくらいだろうか」


シロは表情の変化なしに唇が震え始めた。

何かが間違っていることを感じた様子だった。


「一つのチケットで…4つの能力…? 」

「僕が作った能力は『存在を奪った者。』相手の存在、能力、記憶、関係すべてを自分のものにする。

でも、どういうわけか知らないけど、能力だけ超えてきたね。 それで君がこの炎を見て怖くないのか...

シロ、僕が設定した通りに能力が実行できなかったりするの? 」


本当の能力を聞いた詩は、石のように固くなっていた。

だが、しばらくすると、ひびが入ってぴょんと跳ね上がってきて、火のように怒り出した。


「バカ!その程度ならチートじゃん! 能力の一部分だけ作動したのは神の制裁かも知れない! 」

「ちゃんとペナルティを作ったのに、チケット1枚につき1回だけ使える能力って…」

「他の能力もそれは全部同じ! チケット1枚で1つの能力しか作れないのは当たり前だと!!

そして、このゲームを見る神々は何人もいるよ! 能力に対して寛大な神もいれば、心が閉ざされる神もいるということだ!

展開も合わないじゃん! どうしてそんな危険な能力を創造したのか書写が必要なんだ! 」


シロは涙を流しながら泣き叫んだ。

シロの泣き叫ぶ声に僕も多少の間違いを感じた。

まだアイネスに着いてもいないのに、話が終わりそうな気がした。

だが、いったんシロを落ち着かせるために恐ろしい気配は見せなかった。


「大丈夫、大丈夫。 まだ何の知らせもないし、お前も僕が能力を作った以後、深淵として足を踏み入れていないじゃないか。

きっと、何事もないはずだ。 これより怖い能力がどれだけ多いか...! 」


そっとたどたどしい口調でシロをなだめた。 まだ効果はなさそうだ。

首を下げてすすっていた詩郎は、焦点のない目で真顔になっていた。


「それは君が決めることじゃない。 すべてのことは読者が決めることだ」

「え…?あ、とりあえずアイネスに行こうか? もう時間も遅くなったし、あそこにかすかに光が見えるからあまり残っていないみたい! 」


僕はあわてて声を変え、夜遅くにも輝く金の都。 アイネスに目を向けた。

激怒した詩郎の突然の言葉に少なからず当惑した。

まるで、別人になったような口調で声のトーンだった。

神の力を持ってはいるが...王になれるよね?



◈◈◈◈◈◈




アイネス。

3年前、燦爛たる光が都市だった王国に、一人の転生者が彗星のように登場。

そして、この世界で目撃されていない不思議の能力を王国を占領。

そのまま光の国を奪ったと伝えられている。

奪った国名はそのままアイネス。 だが、耳鳴りは金の国。

財物のある者とない者の区別が激しくなり、財物のない者は人間以下の扱いもしなかった。

貧富格差で貧しい国民の怒りと悲しみが泣き叫ぶ国。


「…と聞いたが」


思ったより境界の少ない正門を通過して到着したアイネスは、

深夜も人騒がせでにぎやかな食堂が経営していたし、路上では酒に酔って、雰囲気に酔い、楽しさに酔った国民が踊っていた。

あくどいうわさを蹴飛ばして、誰が見ても平和な宴会の国に見えた。


「人が多いね。そんなに金持ちに見えないのに。 噂が口から広がってよくない噂に変質したのか」

「こうやって遊ぶ人たちも中産層だろう。 本当に貧しい人々はどんな差別を受けているか分からない」


シロはもっと前より低い声と上品な口調で僕の馬にタックルをかけた。

....いくら見ても, まだ怒りがおさまらないようだった。


「シロ? 初めて見た時よりずっと上品な姿に変わったね? 」

「またお前がどんな事故を起こすか心配でね。 本当に…最初からどうやって 管理してたんだから…」

「そんなにつらく言わないでくれる?! 」


淑女のようにおとなしい詩郎と対話を交わしながらアイネスの周りを見回した。

貧富の格差が激しいと聞いたことより、ずっとクリーンな国だった。

賭博場や奴隷販売場のようなお金に目がくらんだ者の店は目に見えなかった。

ただ、夜空を明るく照らしてくれる通りが、通りを飾っていただけだった。

しかし、僕たちは被害者に出くわした。

西に国の魔女 エリスさんはアイネスのそんな影に遭い、アイネスを抜け出したという。

だが、国自体が明るすぎて影が見えなかった。


「もう少し中に入ってみたら? ここは外郭だ。 外部の人たちが一番多く入ってくる所だよ。

ただのごまかしかもしれないから。 それとも、この国の国民に聞いて情報を調べたら? 最大限金持ちの人にすれば可能性が上がるだろう」

「シロ、あのバカみたいな姿はどこに行ったの? 」


最初に見たその姿と次元が違う冷徹な判断と選択。

僕に巻き込まれた詩郎の雰囲気とは全く違う姿だった。

別人に変わったのか…?それとも、これがシロの元の姿?


「バカみたいな姿? 理解できないね。 私はGOF153。君の王ゲームを手伝ってくれる助っ人。 下位神である」


まだ怒りがおさまってないのかな。。。 女の人が本気で怒るとこんなに変わることもあるんだね。

まずはシロの言葉通り、情報を破ろう。 一番金持ちの人 一番後ろが汚く見える人で…


「あの人だろう。 中折れに黒いスーツだが光っている。 誰が見ても『私、お金いっぱい~』て言っている格好だな」


僕はある紳士に敵意を聞き出さず、善良な旅行者であることを表しながら近づいた。


「あの、聞きたいことがあるんだけど…」

「どうされましたか。 旅人」


よし、ばれなかった。


「実は僕、お金が多いのに···。これはどこにどこで使うべきか分からないのです。

この国も初めてなので。 ところで、あなたはこの国に詳しいようなので、一度聞いてみようと思います」


何のセリフだよ。 これが、まるで誘惑するセリフじゃん。


「ああ、そういうことなんですね。 しかし、賭博場ならここから少し遠くにあるんですけどね」


あるんだ。シロが予想したように賭博場は都市の中心に位置していた。


「ところで賭博場よりは旅行にもっと役立つ所を教えてあげましょうか」

「旅行に…役に立つ? 」


紳士は不機嫌な笑みを浮かべて僕の耳元に口を近づけた。


「こんなに厳しい世の中なのに、奴隷一人になりますか」

「奴隷一人…? 」


神社の耳打ちにわたしのそばにある無表情のシロを眺めた。

シロが最初にくれた草色のロープは古く見え、シロの表情もあまり幸福そうな表情ではなかった。

そうだ。これは誰が見ても奴隷だと誤解されるような状況だった。

だが、別の意味ではチャンスだった。


「奴隷を買えるところがあるのですか…」

「フフフ…よほどのことならよく教えてくれないけど、最近は珍しい旅行者でもあるし、もう奴隷1人ぐらい連れて回っているのなら。 僕が愛用する店にご案内いたします」


思ったより雰囲気がずいぶん違ったが, 計画通りに進んでいた。

エリスさんの奴隷長がいるということは、エリスさんが言ったこの国の影である可能性が高かった。


「可能性があるんじゃなくて、完全に影じゃないの。 こんなに気持ち悪い笑顔で言うのに」

「おい、シロ。 いくらそうでも話は別としてしろ」

「あはは、めずらしく奴隷と主人が仲がいいんですね」


それから、僕も確信できた。 最後の紳士の言葉と表情が目に入ると、影である確率が100%だと。


「俺なら、ちゃんと教育できるんだけど···」

「あはは!大丈夫です! さあさあ, 早く案内を...」


紳士は残念そうな顔をして我々を奴隷場に案内した。

そうして僕たちはアイネスの影に近づき始めた。

王になる最初の道を進んだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ