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39話 逆上


 

 「こ、国外追放ですって、この私が?何を言ってるの!私は公爵令嬢よ!そんなこと出来るわけないじゃない!」


 ダーシー嬢はすごい剣幕で叫んだ。

 この国の法的に言えば、王族は全う理由があれば国民を裁く事は可能だ。ただし、しっかりとした証拠、証言が必要だ。たが、今回の場合この会場にいる殆どの生徒たちがダーシー嬢の罪を見ていた。今回はダーシー嬢に分が悪かったとしか言いようがない。


 「出来る。この国の法にそう書いてある。僕たち王族はしっかりとした証拠があれば罪を裁くことができる。この会場にいる殆どのものが君の不敬を見ていたし、姉上と僕に不敬を働いたんだ。証拠なんて必要ない。それでも僕らに盾を突くか?」


 フィンはダーシー嬢の事を見下ろし、睨みつけた。やはり流石王族と言えようか、美形の圧というのだろうか、ダーシー嬢はフィンの圧にたじろいだ。

 

 「っく、…」


 そして、王族の眼圧とは凄いもので周りで今までの行程を見守っていた生徒たちにも効いている。それは流石不味いと思ったのか、お嬢様がフィンにストップをかけた。


 「殿下、そろそろお止めにならないと他の生徒たでが失神してしまいます」

 

 お嬢様の言葉で我に帰ったのかフィンは圧を弱くした。


 「ああ、すまない。怒りで周りが見えなくなっていたよ」


 この会場には少なからずアリスなどの平民や、高位貴族とお目にかかることも稀な使用人達が少数だが存在している。そんな彼らは、僕らのように王族と会話は愚か見たのも初めてと言うものもいる。そんな者たちがフィンの眼圧を見てしまったらどうなるかは想像に難くない。そう、分かりきったことだが数人の生徒が失神したのだ。そんな生徒達の対処にフィンが動こうとした時だった。先程までフィンの眼圧にやられて動けなかったダーシー嬢が先程と同じように何かをぶつぶつと呟き始めた。腐っても公爵令嬢、フィンの眼圧にたじろぎはしたものの失神まではいかなかったようだ。呟きは次第に大きくなり、少し離れている僕にも聞こえてくるくらいの大きさになった。


 「あんたの所為で、あんたの所為で!あんたなんか居なければ私が婚約者だったのに!」


 そう大声で叫ぶとダーシー嬢はお嬢様へ向かって攻撃魔法を放った。

 

 体が勝手に動いた。咄嗟のことだったから何も思考は回ってなくて、ただお嬢様が危ないと言うことだけが頭に浮かんでいた。

 

 __バンッ


 気づくと僕はお嬢様を突き飛ばし、ダーシー嬢が放った攻撃魔法を喰らっていた。

 よく考えればお嬢様だったら優秀だから防御魔法を使えたかもしれない。魔力がない僕が攻撃魔法をもろに受けると魔力がない分、魔力の耐性がないから魔力を持つものよりも危険なのでは?でも、お嬢様が受けるよりは!そんな考えが浮かんだ時にはには既に僕の意識は薄らいでいた。

 意識が遠くなる中で、フィンが大声で衛兵達にダーシー嬢を捕らえさせるのが見えた。ダーシー嬢は何かをひたすら叫びながら暴れていた。ダーシー嬢が睨んでいる方を見るとお嬢様がいて、お嬢様が大きな瞳に涙を浮かべながら必死に何かを叫んでる。僕が突き飛ばしてしまったから怪我でもさせてしまっただろうか?お嬢様は倒れている僕の手を取り何か必死に叫んでいる。


 「お、お嬢様っ、おっ、怪我はっ、ありませんかっ?」


 そんな言葉と共に僕の意識は完全に無くなった。

 

来週投稿出来ないので一先ずキリがいいところまでです!また、再来週からも『死に損ないの王子様〜僕はただの従者です!〜』を宜しくお願いしますm(_ _)m

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