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14話 仕立て屋『tailor Fayette』



 あれからあっという間に時は流れ、僕とお嬢様は、ブライトホーク魔法魔術学園入学する年になった。

 あと1ヶ月も経てば僕らは学校は通う事になる。

 という訳で、本日僕とお嬢様は学校の制服を仕立てるために、プライドホーク魔法魔術学園直属の仕立て屋である『tailor(仕立て屋)Fayette(小さな妖精)』へやって来た。


 「いらっしゃいマセ〜」


 天然パーマの金髪に、灰色に青みがかった目、なまった口調は異国を思わせる。

 彼女は隣国のファッションをこの国、パスディア王国に伝えるために海を渡り、この王都に店を構えたという話を聞いたことがある。


 「お久しぶりですねMs.ペトロニーユ」

 「本日はドウいったご用件デ?」

 「本日は、僕とお嬢様のプライドホーク魔法魔術学園の制服を仕立てて頂くためやって参りました」

 「そういう事ですの。ペトロニーユさんよろしくお願いしますわ」

 「Ah.分かりマシタ〜。では、まずレディーファーストでクラリス嬢の採寸を致しましょうカ!」

 「了解致しました。僕は店の外の待合室で待って居ますので、終わりましたらお声を掛けて下さい」

 「D'accord.さぁクラリス嬢貴方のサイズ計らせてもらいますヨ」

 「ええ、よろしくお願い致します」


 そう言ってお嬢様はペトロニーユさんと店の奥へ入っていった。

 僕は、お嬢様が採寸している間に、制服代を先に払う事にし、カウンターの方へと向かった。


 「あのぉ。制服代を先に支払いたいのですが」

 

 声をかけると、カウンターの奥から男の人が出て来た。彼は、ペトロニーユさんの旦那さんで、ユージーンさんだ。


 「Hey!お待たせ。あれ?クインシー公爵のところのヴェル坊じゃなか!大きくなったな!この前まではこんくらいだったのにね」


 彼はそう言いながら、カウンターを手で叩いた。

 いやいや、ユージーンさん。僕が貴方にあった当初からそのカウンターより高い位置に頭ありましたよ?


 「ご無沙汰しております。以前こちらに来てからだいぶ経ちましたしね。以前来た時もっと大きかったと思いますよ?それに、今年からプライドホーク魔法魔術学園に通いますので大きくなってて当たり前ですよ」

 「そうだね。ヴェル坊が学生なんて時の流れは早いね。えっと、それで今日の要件は差し詰めそのプライドホーク魔法魔術学園の制服を仕立てに来たってところかい?」

 「はい。話が早くて助かります。お嬢様と僕の制服を一式オーダーメイドしたいのですが」

 「OK.支払いは?」

 「持ってきました。こちらです」

 「…うん。丁度ある様だから貰うね。はい、領収書」

 「はい。ありがとうございます」

 「それにしても、代金ぴったりって凄いね」

 「ああ、それは養父に待たされたのをそのまま持ってきただけですよ。足りなければ追加で払おうと思ってましたし」

 

 そう言ってジャケットの内ポケットを見せる。


 「さすがわ公爵家だね」

 「そうですね。僕も未だ養父が凄すぎてびっくりする時ありますから」

 

 そんな会話をしていると、お嬢様の採寸が終わった様で、ペトロニーユさんとお嬢様が戻ってきた。


 「ツギは、ヴェルくん!」

 「あ、はい!今行きます。では、お嬢様すぐに終わらせて参ります」

 「ええ、急がなくていいわよ」

 「では」


 そう言って僕はペトロニーユさんについて行った。

 採寸している間ペトロニーユさんは何故か興奮していた。

 

 「ヴェルくんはParfait Styleですネ!まさに私の理想の体型デス!」

 「そ、そうなんですか?」

 「ええ、私の服を完璧に着てクレル人初めて見つけマシタ!制服楽しみにしていて下さいネ」

 「あ、はい」


 そのせいか、採寸の後店の服をたくさん勧められてしまった。

 まぁ、早く行かないとお嬢様をお待たせしてしまうのでとやんわり断っておいたのだが。

 その話をお嬢様のすると、何故店の服を着てくれなかったのかと怒られてしまった。

 お嬢様を待たせないために断ったのに解せぬ!



次から学園編です。幼少期編だとこの話とか、幼少期じゃないだろってなっちゃうので、従者への道編に変えました!

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