13話 誕生日会
寝ぼけながら書いてるからよく分からない文があったらすみません(-_-;)
色とりどりのドレスに甘い香水の匂い。そして、仕立てのいいタキシード。
シャンデリアの光が、幾つもあるテーブルに並んでいるグラスを反射させる。
本日は、お嬢様の10歳の誕生日だ。
出逢って6年、今日まで色々な事があったけど、あっという間な日々だった。
初めて会った時には想像もできないくらいお嬢様は成長なさった。今では、淑女の鏡と言っても差し支えないだろう。
そんなお嬢様は、前世で言う二分の一成人式だ。
この世界では、歳が二桁になる年に盛大なパーティーを行うのが慣しだ。
少し脱線してしまったが、現在お嬢様の10歳を祝う誕生日パーティーの最中である。
僕は、お嬢様の従者としてずっと後ろに仕え、挨拶回りのサポートをしている。
「お嬢様、そろそろ休憩を挟みましょう」
「ええ、そうするわ」
お嬢様に休憩を促しながら飲み物を渡す。
僕から飲み物を受け取ったお嬢様は、上品にそれを飲んだ。飲み終わったグラスを受け取ると、お嬢様の動きが止まった。
「如何なさいましたか?」
「フィンレー殿下がいらっしゃったみたいよ」
お嬢様の視線の方を見ると、確かにフィンレー殿下が、流石王族と言える様な豪華な正装でこちらへ向かって来ている。
その後ろには見知らぬ少年が居て僕は首を傾げた。
「クラリス嬢、誕生日おめでとう。こちらが近衛騎士団団長の息子でエイダンだよ。僕の護衛も兼ねてるんだ」
「初めまして、エイダン・アンブローズです。本日は、誕生日おめでとうございます」
「…ありがとうございます。クラリス・クインシーです」
エイダン様は、近衛騎士団長の息子で、殿下の護衛を兼ねていると言われてもピンとこない程細身で、クールな印象を受ける。
なんせ、青みがかった髪は氷を連想させるのだ。
独断と偏見だが、きっと彼の魔法属性は氷に違いない。
「彼は、僕らと一緒で王都の魔法学校に通う事になるだろうから今のうちに合わせておこうと思ってね」
「あら、そうでしたの。これからよろしくお願い致しますわ」
「よろしく」
何だろう。もう既に彼の周りに吹雪が見える。
「そちらは?」
完全に蚊帳の外だった僕にボールが飛んできた。
「こちらは私の従者のヴェルです」
「ヴェル・デフォレストと申します。よろしくお願い致します」
「ああ、よろしく」
そう僕らが挨拶していると、少し遠くからフィンレー殿下を呼ぶ声が聞こえた。
「フィン!」
声のした方を見ると、鮮やかな緑色の髪に少し垂れ目で優しい印象を残す黄色の瞳をした少年がいた。
挨拶回りで合わなかったと言うことは、この子の親の方に挨拶したのだろうと予想をする。
彼はフィンレー殿下と知り合いの様で、フィンレー殿下に駆け寄って来た。
フィンレー殿下しか見えていなかったのか、フィンレー殿下の近くに僕らがいるのを見て彼は慌てて挨拶をしてくれた。
「申し遅れました、アシェル・ピックフォードと申します」
「クラリス・クインシーでございます」
お嬢様が名乗ると、さすがに今日の主役だとはおもっていなかったようで、驚いた様な顔をした後、
「本日は、おめでとうございます」
と爽やかな笑顔でお嬢様を祝われた。
2人の様子を伺っていると、フィンレー殿下がそう言えばと呟いた。
「そう言えば、アシェルも多分一緒に魔法学校行く事になると思うよ」
「あら、そうなのですね。これからよろしくお願い致しますわ」
「よろしく」
ここで、少し先程から度々登場する魔法学校について話をしよう。
この国のだいたいの貴族は、15歳〜18歳の3年間魔法学校に通う慣しになっている。
お嬢様やフィンレー殿下方々が行く事になっているのは、ブライトホーク魔法魔術学園だ。
国に幾つもある魔法学校の中でも、由緒正しい学校の一つで、これまでにも何人もの偉人を輩出している。王族や貴族は基本ここに通う。
僕は平民にも珍しい魔無しだが、お嬢様の従者として通う事になっている。
魔法学校と言え魔法以外も学ぶことが出来るので、僕は魔法以外の授業を受けつつ、お嬢様の従者としてついて回る予定である。
「エイダン様とアシェル様もブライトホーク魔法魔術学園なら通うのですか?」
「はい。俺は殿下の護衛を兼ねてますので」
「ああ、俺もフィンの側近だしそうなるな」
「僕らみんな同い年だから、5年後には同級生だね」
フィンレー殿下はなんとも嬉しそうに目を輝かせている。同級生って言うのが嬉しいらしい。
5年後にこのメンツで揃ったらきっと凄い眩しい感じの軍団ができる事だろう。
彼らは、まだ幼さのある顔をしているけど、大きくなったらきっと相当なイケメンになってるに違いない。
そんな事を思っていると、いつの間にか解散していた。
この国での正式な社交界デビューは、学園に入ってからだから彼らに会うのはきっと学園が始まってからだろう。
僕は彼らの成長を想像し、楽しみになるのだった。




