1話 転生
全然先は見えてませんが、ちょこちょこ更新していこうと思ってますので宜しくお願いします!
「ふぎゃーふぎゃー」
ふと気がつくと赤ちゃんの泣き声が聞こえた。
目を開けて周りを確認するがぼやけていて何も見えない。両目1.5あって目がいいのが取り柄のはずなんだけど…。手足を動かしても全然動かない。
事故にでも遭ったのか?もう普通には生活できない感じ?…あ、やだな。なんか泣けてきた。
「ふぎゃーふぎゃー」
ったく!母親は何をしているんだ。さっきから赤ちゃんが一向に泣き止まないじゃ無いか!
そんな事を心の中で愚痴っていると遠くから駆け足で誰かが寄ってくるのが分かった。母親やっと気づいたかぁと思っていると、急に体が浮き若い女性の声が聞こえた。
「よしよし、ヴェルくん〜お母様はここに居ますよ〜大丈夫ですよ〜」
へ?持ち上げられている?どんな怪力女だよ。っじゃない!泣いてるのは僕だ!
そんな一人で脳内パニックを起こしていると、目元を拭かれた。
あー、さっきのは泣いていたから霞んで目が見えなかったのか。納得だ。
って、そうじゃない!現在僕は、若い綺麗な女性に抱き抱えられている。
そう。この母親を名乗る女性がデカいんじゃない。僕が縮んでいるんだ!
どうなってるんだよと周りをを見渡すと、パッと女性の付けているイヤリング?に目が入った。
なんとそこには赤ちゃんが写ってるではないか、かわいいなぁ。
赤ちゃんに向かって手を振ると、その赤ちゃんも鏡写しの様に手を振る。タイミングバッチリ!
……ん?いや、これ僕なんじゃね?
「んぎゃぁぁぁぁ!!!(うわぁぁぁぁ)」
こうして僕は、自分が赤ちゃんになっている事に気が付いたのだった。
後日母親に連れられて外に出て発覚したのだが、ここは中世ヨーロッパの様な所で、魔法が存在するらしい。
僕はいつの間にか死んで異世界転生してしまったらしい。
そして、見た目はめちゃくちゃかわいい。母親がすごい美人だからもしかしたら僕も…って思ってたら当たった!そんで、父親を名乗る男もめちゃくちゃ美丈夫だった!今世はモテモテ間違いなし!
まぁ、転生した事に気がついたからってこの体じゃ何か出来るわけがない。って事であれこれ考えるのを辞めた。赤ちゃんの仕事は寝る事ってよく言うじゃん?ホント赤ちゃんだとすぐ眠くなる。ふわぁ、おやすみなさい。
____バンッ!
大きな物音で目が覚めた。
あぁびっくりしたぁー。
んーんまだ眠い。朝じゃないなら寝かしてくれ。
てか、赤ちゃんがいる部屋で大きい音を出すな!本物の赤ちゃんだったら大泣きしてるぞ!!まぁ、僕も今は正真正銘の赤ちゃんだが。
そうじゃなくて、僕は赤ちゃんだけど中身それなりの大人だから大きい音で泣くことはないって言いたかったのに!なんて思っていると、誰かが口論し始めた。
「っ!お辞め下さい兄上!今何をしでかそうとしたのか分かっているのですか!?」
「ふんっ、当たり前だ。王権を奪還するには必要不可欠だからな。こいつには魔力がないから俺の精神操作魔法が使えん。他の王子王女はあいつの強力な魔力を受け継ぎ俺の駒となってくれたのにな。まさか、寵妃が魔力が無い上、それをその子供が受け継ぐなんて想定外だ。第三王子が魔力を持ってるから気がつかなかったわ」
なんか物騒な話をしているな。男の方が王子を抹殺しようとしているのかな?
さっきまで大声で話をしていた二人だが、この場はまずいと判断したのか部屋から出ていくのが分かった。
「兄上、王権が欲しいという兄上の私欲の為に生まれたばかりの赤子を殺されるなんて見逃せませんわ。私は、今まで兄上に言われた通りにしてきました。陛下の側室になり子も産みました。しかし、これが限界です!この子は陛下とアテネ様の子なのですよ!それにアテネ様は寵妃です!兄上が勝手に殺すなんてあってわなりません!」
「今更何を言うジアーナ。それに俺が殺すのでは無い。第五王子は城の侵入者に殺され、見るに耐えない姿になっていた為、陛下やアテネ妃には見せられ無いと判断した者が埋葬したんだ。まぁ埋葬するのも面倒だ。そこら辺に捨てて来い」
遠くで口論しているのは分かるが、何せドアが閉められてしまったので、何を言っているかは理解できなかった。
外は真っ暗だったので、まだ寝ている時間だと判断し僕は再び眠りについた。
翌日、起きると路地裏の様なところに寝かされていた。
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