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7Daysメモリー 台本  作者: A5
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小笠原友幸(オガサワラ トモユキ) 男 15歳

小笠原友幸(オガサワラ トモユキ) 男 15歳

優しくて大人しく控えめな性格の中学3年生

テストの点数が悪かった彼女に勉強を教えてあげる

①月曜日

起立、礼……着席。……さてと、黒板消しに行かないと……

(黒板の前で彼女と会う)あ、…お疲れ様。そっか、君も日直だったね。うん、じゃあそっち側の半分消してくれるかな。……ありがとう。

さっきのテスト?そうかな……そんなに難しいとは思わなかったけど……わっ、な、なに?

ああ、そうだね確か、その高校に行きたいって言ってたよね。覚えてるよ、だって……だってその、ほら僕学級委員長だし、進路希望調査表を集めてたでしょ?そのときに別に見ようって思って見たわけじゃないんだけどたまたま君のが目に入ってさ。難しいところ受けるんだなーって印象に残ってたから。

塾とかには通ってるの?今は行ってない?どうして?……そっか合わなかったんだ。そういうのって割と重要だよね。勉強頑張れるかどうかにも関わってくるし……。でもそうだよね、自分の勉強だけじゃやっぱり限界あるよね……。

あのさ、もしよかったらなんだけど、これから一緒に勉強しない……?

いや、僕もそこまで頭がいいわけじゃないんだけど、僕も一緒に勉強して、わかるところは教えてあげられるかもって。あ、ほんとう?安心した……余計なお世話だったらどうしようかなって思ってたから。それじゃあ明日の放課後からでも大丈夫?……わかった、それじゃあこれからよろしくね。


②火曜日

ん……?大丈夫だよ、どうしたの?……どれ?……ああこれか、これちょっとややこしいよね。

えっとね、ここの式のところがちょっと間違ってて、正しいのは……こう。

そうそう!なんだ、全然心配することないのに。自分だけで勉強しててここまで解けてたら十分すごいよ。

……ああ、計算ミスとか焦ってるとしちゃうよね、わかる。

僕もほら、名前が小笠原友幸ってちょっと長いでしょ?漢字で書いても時間かかるし、マーク式でも面倒なんだよね。

だから急いでやってるとたまに小さなミスをしちゃうときもあって。やっぱり焦っちゃだめなんだなーってよく反省するんだ。名前のせいにするのはもちろん良くないことだけど、小笠原って名字が長いから、名前は漢字一文字とかにしてくれたほうが僕としては楽だったな。

え?……そう?友幸って普通じゃない?改まっていい名前だねって言われたこともそんなに無かったな。ありがとう、なんか照れるな……。

君ってそういうことすごく自然な流れで言うよね……。うん、だって前も……いや、まあこれはいいか。またわからないことがあったら聞いてね。


③水曜日

お疲れ様。今日のテストはどうだった?……あ、本当?良かった。返ってきたら見直してまた復習しよう。

……あのさ、ゲーム要素もちょっと取り入れたら楽しくなるんじゃないかなって思ったんだけどどう思う?そうだなあ……例えば、僕と君で取った点数を比較して、より高い点数を取った方のお願いごとを一つ聞く、とか。

え?意外……?どうして……?あんまりそういうことしなさそう?まあ、……そうかな、そんなに頻繁にするほうじゃないけど。でも僕も勉強がとにかく大好きって言うわけでもないからさ。いつも何時間勉強したら息抜きにちょっと甘いものたべたりして休憩してるよ。

よし、じゃあ今日のテストのぶんからね。……ずるい?そんなことないだろ~?決まったことは早いうちにやらないと。

因みにさ、君が選んだその高校、どうしてそこに行きたいのか聞いてもいい?そうなんだ、確か大学もあるところだもんね。じゃあその大学の学部に入るのが、君の夢を叶える近道なんだ。

偉いなあ、僕、勉強はできたほうがいいって言われてずっとやってきたから、特に行きたい高校があるわけでもないし、それに理由があるわけでもないんだ。だから君のそういうところ尊敬する。


④木曜日

いくよ……?せーの!………あ、一点差で僕の勝ちだ!……でも凄いよ、君が苦手だって言ってたこの分野、全部マルがついてる…!僕の教え方が?……違う違う、僕は何もしてないよ。君がすっごく頑張ったから。このままいったらきっとあの高校にも受かるね。

それで……えっと、その、ゲームのことだけど。……うん、僕のお願いを一つ聞いてくれる…?

僕ね、決めたんだ。行きたい高校。今の僕じゃもっともっと頑張らないといけないんだけど、でもそこでいろんなこと勉強したいなって思ってて。……うん、それでね……、僕がそう思えたのは、君がさ、夢の話をしてくれたでしょ?それでこのままじゃだめだなって思って、あれから考えたんだ。自分のやりたいこと。

僕は君のそういうところを時々、凄いなって思ってみてた。僕にはできないことをしたり、僕にはない考え方をしてて、尊敬してたんだ、……最初はそうだった。僕は君が言うように頭がいいんじゃなくてずるいだけなんだよ。勉強を一緒にしたいなんて言ったのはもちろん君の役に立ちたかったのもあるけど……近づきたかったから。

好きなんだ、君のこと。……もしこの高校に受かったら、僕と付き合って欲しいって言うのが、お願い。……少し考えてみてくれないかな。


⑤金曜日

……あ、ごめん、どうしたの?……顔色が?ああ、うん、ちょっとね……だめだって分かってるんだけど、最近夜中も勉強してて前より睡眠を取れてないんだ……。

落とすわけにはいかないからさ。(少し笑って)……顔赤いよ?君のそういう顔見れるなら我慢せずにもっと早くに伝えておけばよかったかな。

え?いつから……そうだな、同じクラスになってちょっとしてからだよ。覚えてないかもしれないけど、みんなの委員会を決めるときあったでしょ?僕が学級委員長になってすぐのときでさ、上手くみんなをまとめきれなくて修習が効かなくなって来たときに君が声を上げてくれたんだよ。「小笠原くんが大変な役割を引き受けてくれてるんだから」って。

僕すごく嬉しくて……、それに僕なら言えないなって思ったんだ。それからだよ、君のこと気になり始めたの。知らなかった?そりゃそうだよ、僕ばれないようにしてたし。あ、君の進路のことが気になって、希望調査表見ちゃったのここで謝っておくね。

さ、僕はもう少し勉強してから帰るけど君はどうする?もう暗くなってきたけど……そう?じゃあもう少し頑張ってから帰ろうか。遅いし、家まで送るよ。…だめ、送らせて?好きな子をこんな時間に一人で帰らせるわけないだろ?


⑥土曜日

おはよう。……まさか受験日が同じ日だなんてね。でもそのおかげで会えた。

ん?…そうだよね、緊張するよね。僕も同じ。やっぱり緊張してたから、君の顔が見れてちょっと安心した。君も?そう言ってもらえるとすごく嬉しい。

お互いすごく頑張ったから絶対に大丈夫。焦らずにやれば絶対に受かるよ。

君も僕を応援してくれるんだね。……それって、僕はズルいからいいように捉えちゃうけどいいのかな。あはは、ごめん。

じゃあ……そろそろ行こうか。僕はこっちのホームだからここでお別れ。

終わったら……また連絡してもいい?きっと会いたくなっちゃうと思うから。……ありがとう、一緒に甘いものでも食べに行こう?僕が好きなパンケーキ屋さんがあるんだ。

それじゃ、楽しみにしてるね。またあとで。


⑦日曜日

もしもし、ごめんいまついた、どこ?……あ、いた。……(走る)おまたせ、寒かったよね、大丈夫?今日結果発表だったんだよね。……えっと……どうだった……?

合格?!やった……!!君なら絶対受かるって思ってたよ!家族も喜んでくれた?……そっかよかったね…!僕も自分のことみたいに嬉しい。

ああ、そう。僕は昨日だったんだ。……早く言いたくて仕方がなかった。

僕も受かったんだ、あの高校。ちゃんと僕の番号があった。……うん、ありがとう。本当に嬉しい。

ねえ、あのお願い、覚えてる?……そう、もしよかったら返事を聞かせてくれないかな。

……ほんとう?ほんとに?……あは、やった……!正直受験合格よりも嬉しいよ…。

え?お願い?君の?……ああ受験に合格したから。…うん、いいよ。なんでも聞いてあげる。

手を繋ぐくらいお願いしなくたってするよ、だって僕もしたいんだもん。

じゃ、甘いの食べに行かない?……そう、受験の日にも行ったパンケーキ屋さん。美味しかったでしょ?ああ、ハチミツをたっぷりかけるのが意外だったって?……なんか前もそんなこと言ってなかったっけ。……まったく、今度は僕のこともたくさん知ってもらわなきゃな。……教えてあげるね。


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