丸山晴太(マルヤマ セイタ) 男 20歳
丸山晴太 男 20歳
コンビニでバイトをしている大学2年生
幼い妹のために自身の学費を稼いでいる
ヒロインとは講義が一緒で知り合い
①月曜日
(独り言)うわ……ギリギリに入っちゃったから結構埋まってるな…えーと、
あ、ごめん、ここ隣空いてる?……ごめんね?(座る)
ん…あれ、…おかしいな……ん?ああ、多分なんだけどボールペン忘れちゃったみたいで。
この講義板書少ないし大丈夫だとは思うんだけど。
えっ、今日出席紙で取ってんの?あー、あの機械調子悪いって教授言ってたもんな……。
どうしよ。……ほんとに?貸してくれんの?でも、君のは?
……そっか、2本持ってんだ、助かるよ、本当にありがとう。
折角走って間に合ったのに意味がなくなるとこだったよ。
うん、そう。さっきまでバイトでね。
大学から近いんだけどそれでまだ大丈夫、まだ、まだ、って思ってたら超ギリギリになっちゃって。おまけに店長に呼び止められて話しこまれてさ。
内容?うちの店長最近子供産まれたんだよ。だから可愛いだろ~?って写真すげー見せてくんの。いや、可愛いよ確かに。俺も子供好きだし見たいんだけど、いや店長、俺今から授業だしなんなら遅れそうなんですけど~って。
え、そんなにおかしかった?まあ笑ってくれた方が俺もなんか話してよかったって思うよ。
あ、出席表か、ありがとう。………(名前を書く)、よし。ん?ううん、ハルタじゃなくてセイタ。俺、丸山晴太っていうの。晴れの日に生まれたからそうつけたらし……(注意される)
………っと、(小声)すみませ~ん……怒られちゃったね、(少し笑う)
②火曜日
あ、はい!ボールペンですね?文房具系はこっちじゃなくてそっちの……あれ、君かあ!
今から講義?そうなんだ。…あ、そうそう。俺ここのコンビニでバイトしてるんだよ。
ほら前に大学から近いとこで働いてるって言ったろ?
もしかしたらいつか来るかなーなんて思ってたけど意外と会わなかったな(笑う)。
喋ってて?へーきへーき、周り見てみなって、お客さんほとんどいないだろ?うち波がすごいんだよな。忙しい時まじで大変なんだけど、そうじゃないときは店長も子供の動画ばっか見てるよ。
ほらここ。種類は少ないんだけど……で、なんでボールペン?
え?忘れたの?あ、それで買おうとしてたのか!なるほどな……
よしわかった、ちょっとまってて、すぐ戻るから!
……おまたせ、はいこれどーぞ。ボールペンだよ、俺の。これすっごい書きやすいから。
なんでって、前貸してくれたでしょ?ほら、初めて会ったとき。忘れちゃった?
俺がペン忘れて、出席表書けないってときに貸してくれたでしょ?それのお返し。
……大丈夫大丈夫!俺今日は講義ない日だし、もうひとつ、ほら!ここのポケットに刺さってるから。
っていうかなんならあげてもいいし。……わかったわかった!(少し笑う)じゃあ次、あの講義のときに返してくれればいいからさ。ほーら、遅れるから、早く行けって!じゃあまたね!
③水曜日
みつけた。隣いい?…(座る)…え?ああ、いいのにずっと持っとけば。ほんとしっかりしてるなあ、わざわざありがとう。
書きやすかっただろ?そのボールペン。そう俺が一番気に入っててずっと使ってるやつ。まあどこにでも売ってるやつだからレアでもなんでもないんだけどね。
で、あの日は講義間に合ったの?ほら、そのボールペン貸した日。
ギリギリだったんじゃないかなってちょっと心配してたんだよね。
あ、やっぱり?だよなーごめんな?俺も話すの楽しくてつい引き止めちゃったからさ。
え?……だってほら、なんか話合うし、さ。
君も俺のしょうもないこと笑って聴いてくれるし……。……な、なんだよ。
いや、にやにやして見てくるなーって思って。て、照れてないから。……なんでもっかい言わなきゃいけないの。…やだ。…やーだ。………んんん…だから、…だから楽しいよ、君と話すの…。違うよ、楽しいの?って聞かれたから楽しいよって答えただけだろ!……赤くない。……もー…うるさいなー(照れてる)
恥ずかしいに決まってるだろ!普通改まって、君と話すのすげー楽しいって直接本人に言わせる?意地悪だなー、しっかりしてると思ってたけどそういうとこもあんだね。困るよほんと(嫌ではなさそう)
④木曜日
…あ、最近良く会うね。
うん、さっきまで結構混んでたんだけど割と暇になった。
タイミング的にはちょうど良かったよ、もしかして待ってた?
いたた、冗談だよ!(笑う)で、今日もあのミルクティー買うの?好きだよなーそれ。
新しく出たやつだろ?最近いつもそれじゃない?……へーハマってんだ。
いや、俺はまだ飲んだこと無いよ。甘いのあんまり飲まないようにしてるから。
嫌いなわけじゃなくて、むしろどっちかっていうと好きなんだけど。
えーと、俺下に妹がいて、5歳なんだけど、俺が飲むもの全部欲しいって言うんだよ。
そう、可愛いんだけどね。あんまり甘いの飲ませて虫歯になったりしたら困るだろ?
だから水とかお茶とかしか飲まないようにしてて。
はい、これお釣りね。……え?いやいやだってこれ君の……ちょっとだけって…
うーーーーん………、わかった、じゃ隠れて飲むから見張っといてね!(笑いながら)
ん、あ!美味い!たしかにハマるな!うわあー飲んじゃったなー買いたくなっちゃうなこれ。
ってか、ごめん、つい飲んじゃったけどそれ君の……。
気にしないって……や、まあ君がいいならいいんだけど、……意識してんの…俺だけ…?
⑤金曜日
(あくび)ねむ……あ、いらっしゃ……わ、びっくりした!
え?なにどうした?……あ、雷か。ぼーっとしてたから気が付かなかった。
怖いの?そっか、大丈夫だよ。今日の講義は?もう終わり?それならよかった。
俺ももうすぐあがりだし、雷が落ち着いたら一緒に帰ろう。ね?それなら怖くないでしょ?
……雷で思い出したんだけどさ。ほら覚えてる?俺の妹。……そう5歳の。
俺がバイト必死でやってるのって、妹がまだ小さいし自分の学費稼ぐためなんだけどさ。
ほんと可愛くって。あ、覚えてたんだ、そう、俺子供好きだしね。
前に雷が鳴ってたときに俺と妹がうちにいたんだけどさ。
妹がすげー勢いで俺の服を捲ってくんの。
で必死に俺のお腹を見たり撫でたりするからどうしたのって聞いたら、
にーにのおへそが雷様に取られてないかみてるのって。
(笑いながら)だろ?!可愛すぎるよな!もう俺やられちゃってさ~、なんだこの可愛い生き物はって思ったよ。……(少し笑って)良かった、ちょっとは落ち着いた?
じゃ、おさまってきたし帰ろうか。送るよ。
え?優しい?……そんなことないよ。こんなこと、誰にでもするわけじゃないから。
⑥土曜日
やっと試験終わった……!お疲れさま、どうだった?
……問5な!俺もすげー迷った!あれの答え「ア」だよな……?
あ~よかったあ、一瞬「ウ」かな?って思ったんだけど多分教授のひっかけだよな。
そこそこは取れてると思うし、単位落とすなんてことは無いと思うけど……。
あ、君も?俺より真面目だし絶対大丈夫だって。
講義中コソコソ喋ってたわりには、やるときにはやるんだよなー俺たち!
……って自慢げに言うことじゃないか(笑う)
でもなー、ちょっと残念なことがあるんだよね。あー……分かんない?
君の隣で講義受けんのこれで最後かーって思っちゃった。寂しいなーって。
あれ、今度は君が赤くなんの?おかしいな、いつだったか、君と話すの楽しいって言って恥ずかしがってたの俺なのに。
え?なんて?……きこえない(にやにやしながら)。
もっかい。……いてっ、あははごめん、嬉しくて。
ちゃんと聞こえたよ、君も寂しがってくれてるって思うとすげー嬉しい。楽しかったもんな。
正直俺、学費のためにバイトで必死でさ。サボりがちなんだよね。でもこれは一回も欠席しなかった。まあ講義の内容が全部頭に入ってるかっていうとそうじゃないけど。
俺としてはこれって凄いことなんだよ。……君のおかげだな。
なんか、これ言っちゃうと冗談だと思われそうだけど、君と一緒にいたら全部楽しく思えそう。いや、講義だけじゃなくて……その。……あ、俺バイトだった、ごめん、行くね。……ほんとに今までありがとう。
⑦日曜日
はあ……(ため息)、いらっしゃ……あ。
ああそっか、講義が一緒じゃなくてもここで会えるのか。馬鹿だな、すっかり忘れてた。
……え?っ、ごめんお釣りだよね。……カッコ悪いな、俺。動揺してるのがバレバレだ。
元気がないようにみえる?俺?……うん、なんか思ってたよりも、ね。
ほら、見てよこれ。君がずっと飲んでたミルクティー。すっかりハマっちゃってさ。あれから目につくたびに買うから、昨日も妹に飲ませてって凄いせがまれたよ。
君と一緒の講義は、やっぱりあれ以来ないし、学部も違うから大学ですれ違うことも無いしさ。
楽しかったなー、また話したいなーってそればっかり。
え?君も同じ?……同じって何が……あ、それ。俺が使ってるボールペン。そっか、買ったんだ。
……あ、のさ。あの講義の試験の日、最後変な感じに逃げてごめん。なんか急に俺だけかもって思ったら勇気でなくて。でも、……いいんだよな、期待しても。君も「同じ」だって。
講義、ある?……えっと、今日、講義まだある?……終わり?……よかった。
もうすぐあがるから、待ってて欲しい。本当にすぐ、すぐに行くから。
ずっと後悔してたんだ、言えば良かったって。あの日言おうとしたこと、やり直させて。