由加念願のお盆休み~その第2話~
敢えて記載せず。次回投稿をお楽しみに…。
由加にとっては、直樹の実家は、気を使う場所ではなかった様だった。自然とふれあい楽しむ場所、林間学校みたいだと由加は話していた。夕食も自家製の野菜のメニューが中心で肉や魚だけを調達する毎日の献立、夏場は花火をしたり、浴衣で夕涼みをしたり、猫たちと遊んでみだり、近所隣で交流があり、野菜の交換会があったり、神奈川県の青木家とは随分違う事を楽しんでいる様子であった。
直樹も、上杉の両親もその事を微笑ましく感じ、両親は逞しく感じていた様だった。直樹の嫁になる女性だが、上杉家の養女、私の娘としてお付き合いくださいと父は紹介していたのである。
由加が隣のミシンを借りたからとオリシナルTシャツを奥さんに御礼として差し上げたようで、野菜の差し入れとTシャツの注文が届いた。孫や息子娘など一族全員である。実家に帰ってから宅配便で配達すると、話をまとめて笑顔である。原価で提供は毎度のことであり、今回も原価での提供であった。隣の奥さんは、あまりの安さに仰天した。それでは申し訳ないと、由加にお小遣いをくれた上に前金を渡した。サイズと色を確認して、在庫が実家にあるかも知れないと茂夫に連絡を入れて、折り返しの電話を待っている。茂夫から再度電話があり、大丈夫明日宅配便で着払いで上杉家に送ると連絡が入った。
浴衣姿に着替えた由加はそれを早速、隣の奥さんに伝えに行った。子供たちにデザイナー由加は人気があり、子供の一人が直樹を迎えにきた。
お婆ちゃんのTシャツが気に入り、夏休みの思い出に、みんなでお揃いのTシャツでバーベキューをして写真を撮るらしい。由加は喜んでいた。
我が家に戻り夕食、そして由加の楽しみにしていたところてんを食べた。
スーパーマーケットのところてんより美味しいしお代わりは自由であるから、由加は遠慮はしない。「直樹これはいいね。安いし安全な天然の食材出し、子供のおやつになるし…。最高だ。太らないし(笑)。」「明日寒天買ってこようね。」「わかりました。大食いの由加ちゃん。」それと隣の奥さんに明日の朝とうもろこし収穫したら届けてくれると言われたよ。Tシャツの御礼としてたくさんね。たくさん食べるんだ私…。」「未来の奥様ほとほとに(笑)。豚になりますので。」「散歩と水泳しますから大丈夫。心配御無用未来の御主人様。」人に好かれる性格の彼女。相手にも気を使うから、プレゼントゲットに繋がる訳であるから…。食べたいものを食べて機嫌よくなら直樹も安心ではあった。
父の春樹が帰宅して、完遂した由加のジャケットに袖を通した。春樹は気に入り御満悦であった。
生地代だけでオーダーメイドのブレザーを娘が作ってくれるのは幸せだ。と笑顔であった。
由加に何か欲しいものがあるならプレゼントしたいと春樹が言うと、美味しい食材を宅配便で届けてくれるだけで充分と彼女は答えた。春樹は由加の為に、我が家で収穫したら初物を宅配便で季節毎に送ると笑顔約束した。
由加はところてんができています。お父さんと春樹にすすめている。春樹は由加にプレゼントだと言って風鈴と団扇を渡した。支持者から頂いたものだと言う話だった。「私の部屋に飾ります。お父さん。」と浴衣姿で丁寧に畳に手をつき挨拶する由加。それはまさしく娘の姿であった。
由加は猫たちにも大人気である。母猫が子猫を伴い由加の膝に乗って来るのである。由加は一匹ずつ頭をなぜてあげて、猫の目を見て名前を呼び話しかける。名前を呼ばれた猫は猫なで声で笑顔である。「猫ちゃんたちにもプレゼントがあるのよ。ベビーベットの猫番の籠。お布団があるからここで家族仲良く眠れるよ。早速試してごらん。」猫たちはすぐに気に入り家族で寝てしまった。」夏場は寒くないから3匹でこの猫のベットで就寝するだろうと思った。
その夜も直樹と由加は一緒に寝たが、由加が布団に入るのを待ちきれず、直樹は夢の中だった。
翌朝も由加が直樹を起こした。「お母さんがご先祖様に供える合馬さんを作って欲しいと、竹で花入れとお線香立ても。」
直樹は畑から茄子と胡瓜を収穫して馬を作り仏壇に供え、更には竹を切り、線香立てと花入れを作った。数はそれぞれ10本であった。朝食が済むと父と共に盆棚を作り戒名の書かれた巻物を飾りつけて供え物を先祖の霊前に供えつけて一連の作業は完成した、由加は初めての経験だったらしく、興味深く直樹や春樹の説明を聞いていた。それが終わると墓参に出掛けた。上杉家の敷地内にある古いお墓から、そこに線香と花入れを立てて御参りした後、新しい墓地に向かい線香と花を手向けて墓参して、上杉家の仏壇に焼香して花を飾り、一連の行事は終了するのである。
「直樹さん。私達の時代にも上杉家のこの伝統は守っていきましょうね…。」由加は両親のいない場所で直樹に言った。直樹は由加のそれが本心たと思った。彼女には両親に媚びを売るなどと言う気持ちは全くないのだと感じた直樹。借りに媚びを売る女性なら、みんなに愛され短時間で受け入れられないのは明らかである為だ。
隣の奥さんから届いたとうもろこしを、墓参りから帰ると早速、茹でている由加。もうすぐ御昼ご飯だと言うのに…。
「直樹さん。茹でたてのとうもろこし最高だよ。食べてね。」「1本だけ食べるよ。昼飯食べられなくなるしさ。」「お父さん達もどうぞ。」「はい姉さん。」「猫ちゃんは?」「母猫は大好きです。一粒ずつ外してあげれば食べます猫は…。人間だと思ってますから。」由加は面白がって、猫にとうもろこしを
食べさせていた。「ホントだ。美味しそうに食べてるね。」猫は食べ終わると由加の顔をなめて感謝の意思を伝える。「まぁかわいらしい。おりこうさんね。」
今日の御昼はおはぎであった。甘いもので仏様をおもてなしするのが仕来たりになっているのであった。由加には甘いものと餅米は大好物であり、とうもろこしで満足した上に更に大満足の昼飯となった。
昼飯を食べ終えて母と由加は、後片づけをし、それが終わると、家族で御昼の時間である。春樹は何時も外出である。支持者の方々のお盆参りであった。
次回投稿をお楽しみに敢えて記載せず…。