19-喫茶店で小説を書く
初めて喫茶店で小説を書いたときのお話。
いつもと違う雰囲気で、いつもと違う環境でキーボードを叩くのはやっぱりいつもと違う感じがした。
「いらっしゃいませ!」
と、店員の元気のいい声が店内に響きわたる。軽快なリズムのBGMが耳に入ってくる。また、なにかを調理している音が聞こえてくる。
いつもは自分しかいない部屋、自分が出す音以外は何も聞こえてこない環境で作業している。それと比較するととても騒がしい環境ではあるが、いつもより筆が進む。まぁ実際はポメラで書いているわけで筆は使用していないのだが。
ポメラのディスプレイから視線を外し、店内を見回す。お店は詰めて40人程度が入るくらいの大きさで、その半分くらいの人がいる。
私と同じように、何かの作業をしている人、スマホを眺めながらコーヒーを飲む人、しきりに外を見てそわそわしているひと。
そこにいる人たちも何か目的があるのだろう。
例えば、しきりに窓の外を確認しては時計を見ている女の子。彼女はこれからデートにでも行くのだろうか。待ち合わせ時間よりも早く来てしまいここで時間をつぶしているのかもしれない。
例えば、ノートや教科書を出して、黙々と問題集に取り組む制服を着た集団は宿題をする高校生なのだろうか、それとも受験を控えた高校生なのだろうか。
ここにいる人たちの境遇を想像するのも楽しい。これは一人で小説を書いているときには味わえない感覚である。
そう意味でも、外で小説を書くのはいい経験になるのではないだろうか。
今度は図書館でも書いてみようと思うが、はたして本の誘惑に勝てるのかが疑問である。そういう意味では喫茶店という環境は執筆にはちょうどいいのかもしれない。
今回はエッセイでした。ちょっと短め。
喫茶店でネタを考えるとはかどる。




