風紀部へようこそ
初めて書く小説なので、いろいろとおかしな所はあると思いますが、暖かい目で見守って下さい。
風紀部へようこそ
「はい、それじゃあ今日はここまで。皆さんまた明日。」
副担任の草下部先生がそういうと教室の皆はザワザワ言いながら立ち上がった。半分以上の人はこれから部活なのだろう。ガヤガヤと連れだって教室を出ていった。私もこれから部活なのだが、活動場所はここなので移動する必要もなくただポーッと帰っていくクラスメイトを見ていた。と、そこで
「志奈乃!」
声がかけられた。友人の長野姫である。彼女も私と同じ部である。気が付いたら教室には私と姫の二人しかいなかった。
「ああ姫、早いね。いつもはもっと遅いのに。」
「えっへへ。なんか今日は早めに行った方がいい気がしたんだ。」
「へぇ。てことは今日は相談者が来るかもね。」
姫が早く来る日は大抵依頼が来る日だ。彼女の勘はよく当たる。
「さぁ、どうだかね。」
当の姫はそのことに気づいていないようだけれど。
「それより騎士は?」
「さぁ、知らない。購買じゃない?」
騎士と言うのは私たちのもう一人の部活仲間で、姫の幼馴染みでもある奴だ。メガネでノッポでひょろい、騎士じゃなくてトンボという名が似合いそうな男だ。
ガラッ
教室のドアが開く。噂をすればそこには騎士が一人の男子生徒を連れて立っていた。男子生徒は困惑しているようだ。
「あ、騎士。ヤッホー。後ろの人は誰?」
姫が訊くと騎士は一言、
「依頼人。」
と言った。それを聞いて男子生徒も一言
「え?」
…どうやら彼は自分がなぜここに来たのかわかっていないらしい
1分後私達は男子生徒と相対するように座っていた。その間、会話はほとんどなかった。
「……」
「……」
座ったまま誰も何も言わない時間が30秒以上続いただろうか。耐えきれなくなったのか男子生徒が口を開いた。
「…あの、悩みがあるなら来いって言われて来たんですけど、ここはなんですか?」
「…騎士。あんた何も説明しないで連れてきたの?」
「…悩みありそうだったから、とりあえず。」
姫が聞き、騎士が答える。騎士はあまり口数が多くないので大抵のことについてあまり詳しく説明してくれない。私はつまりどういうこと?という顔をしている男子生徒に言った
「ここは大人には相談しづらいことでも気軽に相談できるように私達が創った部活なんです。」
「ほら、うちの学校風紀委員会ないでしょ?だから誰かが学校の風紀を守らなくちゃならないじゃん。」
「悩みがあるということは問題があるということ。問題があったら学校の風紀も悪くなる。」
「だから、とりあえずは悩み相談を受け付けて、解決出来そうな問題は解決する。それが私達の部活です。」
「ようこそ、風紀部へ。」