たまご
掲載日:2015/11/19
あぁ……わたしはいつまでも たまごのなかにいる。
そとへでたら あぶないから。
こわいものがいっぱいだから。
ずっとまえ はやくでておいでっていわれたけれど
まだいいのって ことわったの。
まだまだ でたくなかったから。
たまごのなかは あたたかい。
せまいけれど ゆめをえがいた。
かぞえきれないくらい えがいたの。
どのゆめのなかのわたしも うれしそうにわらってる。
けれど それはゆめのなかだから。
きっと ここからでたのなら
わらえないんじゃないかな。
こわくて こわくて
ないてしまうんじゃないかな。
ここにずっといたい。
まもっていてほしい。
ゆめをみていたい。
あぁ……でも
わたしがおもくなりすぎた
もう殻がわれてしまいそう。
ずっと守ってくれていたこのたまごが
こんなに薄い殻だった。
もうあたりはひび割れてきて いつ壊れるかわからない。
いつか 底抜けて落ちてしまうのなら
この足で踏み出したい。
わたしの好きな時間に。




