第3話
「そういえば、魔力については何も書かれてなかったし、自分で確かめろってことなのか?」
魔力について書かれてたら魔法が使用できる数値の計算が楽に出来たんだけどなー。
まぁ仕方ない、これくらいは自分でやっておこう!
「んじゃ、始めるとしますか、ってその前に魔法ってどう使うんだよ」
そうだよ、文房具魔法が結構便利そうだってことは分かったが、そもそも使い方分かんねぇよ…
俺が読んでた小説ではイメージを浮かべながら魔法の詠唱とかそんな感じだったよな。
俺も同じかもしれないし、とりあえずやってみよう!
…位置が分かるってどんな風に想像したらいいんだよ…まぁいい、唱えるだけ唱えてみよう
「コンパス魔法」
ーーーおぉ! 何か景色を真上から見ているようなイメージが頭に入ってきた。まさかの詠唱だけで魔法使えたよ。…えーっと、確か知りたいものを思い浮かべれば良いんだったよな?
俺は今無性に人に会いたいのでとりあえず「人」というキーワードを思い浮かべてみた。
すると、脳内に浮かび上がってた景色の中に赤い点が何個も現れた。
「おっ!良かったー!この世界に人が居てくれて!たぶんこの赤い点が人を表してるんだよな!」
よし、人がここから半径10キロ以内にいることは分かった。
さて、どうしようか…ここから一番近そうなところはあそこだな。
おっ、ちょうどいい、50人位が固まってる。村かな?とりあえずプロットしよう。
俺はその固まりのある場所をイメージしつつ、その場所にプロットをした。プロットをすると赤い点が青い点に変わった。
どうやらプロットするときも言葉としてイメージするだけでいいようだ。
「うん、プロットもやったし早速ジョウギ魔法でルートを検索しますか」
「ジョウギ魔法」
魔法を発動すると脳内に「どのプロットのある場所を検索しますか?」という言葉と、さっきプロットした場所が表示された。
俺はそのプロットした場所を思い浮かべた。
「おぉ、まじですごいな…これ、どうやって位置とかルートが分かるんだろ?人工衛星でもつかってんのか?」
まぁ、そんなこと今はどうでもいいけどな、それより人だよ。
どうやら俺が向かっていた方向に2キロ進んだら目的の場所に着くらしい。
「さて、行くとするか!」
俺は脳内に浮かんでいるルートにしたがい、歩調を早めて進んでいくのであった。
ーーーーーーー
「おっ、家らしきものが見えてきた」
俺はルート検索をした後、やっと人に会えるとあって、少し気分が高揚し歩くスピードが上がったため、15分くらいで目的の場所に着いた。
目的の場所につくと、コンパス魔法とジョウギ魔法の効果は消えた。
なるほど…この二つの魔法は1回の発動で目的地に到着するまで効果は消えないのか。魔力の方はどうなってるんだ?
ステータスを確認すると、魔力の数値が200から198に減っていた。
「…あれだけの効果がある魔法が魔力消費2って効率良すぎるだろ」
もしかして、文房具魔法全部1回につき魔力1消費なんじゃないか?もしそうなら計算も楽になるし便利だ、後で試してみよう
俺はそんなそとを考えながら村へと進む。
家らしきものから20mくらい離れた場所まで歩くと人が見えた。
おっ第1村人発見!
なんだ、周りに結構集まってるじゃん。
今からいろいろお世話になりそうだし、印象良くしないとな!
「こんにちは!今日は天気がいいですね!」
俺は元気よく村の人たちに向かって挨拶をした。
ーーーーーーー
「どうしてこうなった…」
ーー目の前には48人の男が地面に突っ伏していた。