出会いと再会
自分のクラスに来て愕然…
ウワ、ゼンゼンシラナイヒトバカリ…
人見知りの俺にとっては辛い。
せめて慶明かナナがいてくれれば…
つーかなんで皆そんな知らない人たちと話せんの?
せめてもの救いが俺の席がクラスの一番端だったことだ。
ここなら窓の外見て過ごせる。
自分の席に座ると
神林「おはよ!お前えらい無愛想だな!」
失礼にも程がある挨拶が飛んできた。
亮介「誰だよお前…」
神林「無愛想な上に口も悪いな!俺は神林誠!よろしくな。」
口が悪いのはお互い様のようだ。
亮介「俺は平松亮介」
神林「知ってる!中学の時バスケやってたろ?試合でみたことあるよ。」
最初に言えよ…
神林「高校でも続ける?続けるよな!」
亮介「まぁ、そのつもり。」
神林「じゃあ、今日の放課後にでも入部届け出しに行こうぜ。」
亮介「ああ。」
神林「じゃあ、放課後になったら起こしてくれ!おやすみ!」
寝た。神林は一度も起きる事なく放課後まで寝た。すげーな。
放課後、神林とバスケ部の部室に向かい歩いていると、
慶明「お!すげー。亮介が友達と歩いてる!」
ナナ「本当だ!すごい!大成長だね!」
親か?
神林「亮介の友達?こんちわ!神林誠だ。」
神林は持ち前の明るさですぐに慶明とナナとも打ち解けていた。
そして部室に到着し、
慶明「失礼します!入部届けを出しに…」
先に入った慶明とナナが一瞬硬直したのがわかった。
俺も続いて中に入ると、
ドクン
嫌な顔が真っ先に目に入った。
顧問「じゃあ、今日の練習メニューはこれでいいから。」
杉原「はい。わかりました。失礼します。」
本日の練習メニューの打ち合わせが終わり先輩が部屋を出ていく。
先輩は杉原雄二。中学の時俺と揉めた先輩だ。
まさか同じ高校だったとは…
嫌な記憶が蘇る。
ナナ「ちょっと亮介大丈夫?顔色悪いよ?」
慶明「…」
神林「ほんとだ!保健室行くか?」
亮介「大丈夫…」
顧問「…で、何しにきたんだ?」
そこで4人とも我に返り、
慶明「あ、すいません。入部届け出しにきました。」
顧問「そっか。経験者?」
慶明「はい、俺も平松も神林も経験者です。」
顧問「そっか、そいつは心強いな!そっちの女子はマネージャー希望?」
ナナ「いいえ、私は女子部希望です。」
顧問「そっか!じゃあ俺が入部届け預かっとくよ。男子も女子も明日顔合わせするから放課後体育館に来てくれ。」
顧問に挨拶を済ませ、教室をでる。
ナナ「…亮介大丈夫?」
大丈夫じゃない。
慶明「まさか杉原先輩がこの学校だったとはね…」
知ってたらこの学校に入るものか…
神林「あの先輩がなんなの?中学の時の先輩?なんかあったの?」
慶明「まぁまぁ。追々な…」
帰り道、ナナと慶明が気を使ってくれて気を紛らわすような話をしてくれるが、果たして自分が笑顔を作れているか分からない。
明日の部活の顔合わせどうなってしまうのだろうか…