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魔王といふ存在  作者: 谷川山
プロローグ
7/8

007 幼児編(1)

5歳になった。そろそろ目立つような行動を多少するようになっても大丈夫だろう。転生した自分の身体を詳しく知るため、そして強化するために書庫で読んだ知識を参考に遊ぶことにする。

遊びと言っても、ただの遊びではない。自分の限界を知るためだから、一見遊んでいるように見えて実は凄いことをしているといった感じで動きたい。


ピテクス家には別荘がある。かなり広いらしい。行ったことはあるが屋敷の近くの庭でしか遊ばせてもらえてないし、それより遠くに行くときは誰かしら付いてくる。幼児1人で自由行動という訳にはいかない。この前は隣国ゴートの大巫女の娘とかいう肩書きを持った1つ年上のリアス・テ・ミスという名の幼女に連れ回された。お転婆すぎるぞ、あの娘。


護衛も付けずに動き回るもんだからあわよくば暗殺してしまおうという輩が湧いた沸いた。文字通り。

ただ、暗殺しようとしているのだから気付かれないように向こうは攻撃してくる。なのでこちらも気付かれないように応戦する。と言っても常に防御に回るだけだが。工作員を消してしまったらより多くの人間が送り込まれるかもしれないからな。


ちょっとした訓練にはなったが物足りない。しかもリアスには気に入られてしまったようでよく連れ回されるようになった。


面倒なことは置いておいて話を戻すと、ピテクス家の別荘は広いらしい。地図というか案内図(?)みたいなものが資料として書庫に紛れ込んでいた。ちゃんと隠しておかないとこういった資料は危ないのに。

別荘の敷地には、小さな川が流れていたりちょっとした森とか山とかがあるらしい。そこでならば色々とおかしなことをしてもバレないのではないかと思い、実行に移すとする。大丈夫だ、父は子供に甘い。ちょこちょこ突けば落ちる。絶対に。


ということで、やって来ました。リアスに引き摺り回された記憶しかない別荘に。

今からここは理想郷に変わるのだ。いや、きっと変えてみせる。


今から行こうとしている森は、実は別荘の敷地というよりは自然保護区といったものに近いらしい。つまりは、生き物がうじゃうじゃ居るだろうということ。

この世界の生き物はあまり見たことが無い。王都の空を飛んでいた鳥っぽい生き物とか、馬車を動かしている馬っぽい生き物とか。実物を見る機会は少ない。別荘に移動するときにまれに魔物と呼ばれる生き物が近くに来たらしいが、護衛の人たちが始末してしまったらしい。見てみたかったのに。


本を読んでいて知識は詰め込めるが、図が全くないので姿が分からないものが多々ある。推理小説的な文章ばかりの本で、ラノベみたいな挿絵付ではないのだ。個人的にはラノベより推理小説のほうが好きだが、そういった嗜好品の本も少なかった。ただ、官能小説が数冊まぎれていたのでこれは母に持って行った。「これはなんですか?」って。その日の夜は父が可哀相になるくらい萎れていた。これだから辞められない、父いじめは。


動きやすいなるべく邪魔なモノが付いていない服を選び、着替えて部屋を抜け出す。昼だとばれる可能性が高いので夜の間だけ外で暴れることにする。


足元を魔法で照らしながら、なるべく気配を消して森に侵入していく。月明かりは木の葉で覆い隠されるために真っ暗だ。暗視できるような魔法を編み出さなければいけない。課題が1つできた。

あまり長い時間部屋を抜けるのはバレる可能性があるし、まだまだこの別荘に居る時間はある。なので、今日のところは早めに帰ることにする。何事もあせらずにゆっくりとやっていこう。


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