調査
…って寝ると思うかー!
この事件、絶対に裏があると思うんだよなー。何せ俺が捕まえた悪魔の力じゃこの結界は多分壊せない。さらに結界は10秒間損傷が見られると警告音が鳴る。でもならなかったということは結界の内側から結界に穴をあけた裏切り者がいる可能性が高い。しかもこの結界に穴を開けられるくらいの力を持っている実力者だ。
これはナイトになって調査しなくては。でもあれ、土魔術でうまく身長を傘増しして顔を変えないといけないから面倒くさいんだよなー。視界も悪くなるし。でも調べるに越したことはないか。よしいこう。
確か悪魔が来た方向は湖をまっすぐ行ったところだからこっちか。もう証拠はないと思うが。何せエルデリア王国最高峰の魔術学校だぞ。そんなところでこんな計画を実行するくらいだからな。後処理も完璧だろう。まあとりあえず行ってみるか。
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結局あの後悪魔が来た方向を調査してみたが怪しいところは何もなかった。まあそうだろうな。
昨日の夜悪魔が来たことは誰にも言わないほうがいいだろう。誰かにこの話を話して裏切り者に聞かれたら殺されかねん。
「あ、あのちょっといいですか。」
「何かしら?」
「昨日の件、誰にも言わない方がいいと思うんですよ。もしかしたらこの学園内に裏切り者がいるかもしれないし。」
「どうしてそう思ったの?」
やべ。考えてなかった。
「え、えっとー」
なんて説明すれば…そうだ!
「あの悪魔は結界に穴をあけられない限り結界内に入ることはできないが、結界に穴をあけられるほど強くなかったってナイト?って人が言っていたんです。」
「そいつは本当にナイトと名乗っていたのか!」
「?はい。」
「ちょっとベクト!急にどうしたの。」
「ナイトは…昨日悪魔を倒したやつの名前だ。あの悪魔を魔術を使わずに体術?だけで倒していた。昨日、瀕死の俺らを見逃してくれたから多分敵ではないんじゃないかな。」
「どうやってあの悪魔を追い払ったのか気になってたんだけどそういうことだったのね。」
どうやらバレてはいないようだ。よかった〜。身長も顔も変えたおかげだ。
「まあ例の悪魔の件はあったけど切り替えて頑張りましょう!」
「オーッ!」
「おー。」
ここはみんなに同調しておこう。
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あの後は特に何事もなく試験は終わった。強いて言うなら「自分の組が倒した魔物の数」が俺らの組で測った数と学園側で測った数が一匹違ったことくらいだろう。
とにかく、そのこと以外は全て何事もなく終わった。といってもまだやることが盛りだくさんだ。あの悪魔と戦闘の練習が出来るような場所を見つけなければ。あと裏切り者の調査も進めないとな。まだまだやることが盛りだくさんだ。