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噓つきの彼

作者: 青山祥生

 付き合って3年になる彼には秘密がある。二重人格であることだ。20日周期で訪れて、その日は夜しか活動できず、その間の記憶は一切ない。片方はバリバリのサラリーマン、これは本当だが、片方は殺人鬼を謳って実際には誰も殺していない嘘つきだ。

 今日は満月だ。嘘つきの彼に会う。


 「殺人をした。」

 これで彼と付き合ってから54回目の満月だ。満月のたびに同じ話を聞いているので、さすがに飽きてきたし覚えてしまった。

 「昨日、女を殺した。凶器と死体はまだ家にある。」

 毎回同じだ。しかし、今日のフレンチはおいしい。


 今日は珍しく昼に会える。約3週間くらいまともに会えておらず、楽しみにしていた。私は少し早く着いてしまったので時間を潰そうとバックから本を取り出した。背中に強く、鋭い痛みが走った。


 意識があいまいだ。まだ背中が痛い。

 「あ。意識が戻った。」

 「良かったです。まずこれを見てください。」

そこには殺人未遂で彼が現行犯逮捕、連行されていた。

 「一命を取りとめて本当に良かったです。この映像の男性をご存じですか。」

 「私の彼氏です。」

 「動機に心当たりはありますか。」

 「動機はちょっと。」

彼はなぜこんなことをしたのだろうか。

ふとテレビに目をやる。明日の満月はきれいらしい。


 

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