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また僕を一目惚れしてくれる?

作者: なおちか
掲載日:2022/07/01

ご覧いただきありがとうございます。

1話完結ですので、気軽に読んでみて下さい。

産まれたのは暑い日だった。らしい。産まれた時の記憶なんて無いし、なんならさっき何処で昼寝していたのかも思い出せない。もうすぐその季節が来るようで、網戸を抜けてくる風が柔らかくてツンツンはもう無い。同時に今は雨の匂いも感じるから、きっともうすぐ降り出すのだろう。


エリはきっと慌てて洗濯物を取り込む。そのバタバタした感じが好きだ。普段はのんびりしてソファーでゴロゴロしている事が多いけど、洗濯物を取り込む時と遅刻しそうな時は顔が面白くなる。


トン。トン・・・トン、トン。トットットットッ。そら来た。屋根や手すりに当たる雨の音はなんだか落ち着く。対照的にエリは面白い顔だ。邪魔だけはしないようにベッドの上に避難しておく。これくらいはお手伝いしないと。


一緒に住むようになってからどれくらいの月日が経っただろうか。一目惚れしたと言ってくれたエリは、たぶん今も僕に惚れてる。「ほれたらまけ」と電話でエリが話しているのを聞いたことがある。僕は勝っているみたいだ。実感はないけど。


エリがいた部屋の窓が開いてる。閉めてから洗濯物を取り込めばいいのに。雨が入ってきちゃう。まったく。ここは僕の出番ですね。何も言わず、気付かれずに閉める。これが男ってもんだな。うん。


少し濡れたみたいだけど、洗濯物は無事だったようだ。顔はいつもの表情に戻っている。布団とかを干してなくて良かったし、日課のデートに行ってなくて良かった。慌ててるエリは好きだけど、落ち込んだりショックを受けてるエリは見たくない。


夕飯は簡単な物でいい。たまに手の込んだものを出してくれるけど、割と同じ物を食べ続けてもいけるタイプだから。でも、料理している時の少し俯いた横顔が好き。髪の毛が耳元から落ちてる感じがいいんだ。寝転がってそれを眺めるのが趣味みたいなところがあるんだよね。


ボーっと1つを眺めていると勝手に頭が何かを考え出すのはなぜなんだろう。色々忘れるくせに、色々あっちこっち行っちゃって。そういえば、魂というのがあるらしい。TVで見たんだ。それは、前世と来世にも繋がってるって。仲良しの魂とはずっと一緒にいるって。だから僕は、前世もエリと一緒だったはずで、来世も一緒になるはず。


でも1つ悩みがあるんだ。ヒロの存在だ。ヒロはエリと仲良しだ。家にもよく来る。ヒロはいい奴だよ?僕の頭を撫でてくれるし。でもさ、エリが僕だけに構ってくれなくなるのがちょっと嫌なんだよな。いつもベッタリしたい訳じゃないけど、くっつきたい時に2人が楽しそうにしてると割り込めないわけ。ほら、僕ってそういうとこあるから。


そんで、魂の話に戻るけど、今の僕はこんなに可愛いからエリは好きになってくれてるけど、もし来世になって僕がカッコ良くない人間に産まれたら、また僕を一目惚れしてくれるかな?それが不安なんだ。恋人ってやつはきっとヒロがまたなる。それは仕方ないって思うよ。欲張らないのが幸せの秘訣だって。でもそうなると僕はエリの側にはいられないかもしれない。それは嫌だよ。


それなら僕はまた、ガラス越しに君と出会いたい。

読んで頂きありがとうございました。

感想など頂けましたら幸いです。

また、次回もお会いできることを願っております。

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