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あなたの部屋に私のパンツ干してもいいですか?  作者: さかき原枝都は
はじめましての彼女は可愛いと思った。

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第94話 リセット ACT5

「それって本当の事なんですか? 私の作品が最優秀賞に挙がっていたって言うのは」


「うん本当だよ。役員一致でノミネートされたんだよ。でもねそれを私は払いのけちゃたんだぁ」

にっこりとなんの悪気もない様子で、マリナさんは言った。


「何でそんなことしたんですか! せっかく大賞取れるかもしれなかったのに。本当に嫌がらせだったんですか」


「うんうん、本当に嫌がらせだよね。こんなことするなんてほんと悪い上司だねぇ」


「あのぉマリナさん、いいえ部長! 私今、物凄く怒っているんですけど、伝わりませんか?」


「うん、十分に伝わってるよ。水瀬さん殺気立ってるの凄い感じてるよ。私を殴り飛ばしそうなくらいの勢いだもんね」


「それなのに何でそんなにおちゃらけていられるんですか。私の事がそんなにも嫌いだったんですか? 今まで私物凄い勘違いしていたんですか? 私マリナさんとは仕事の外では、本当にいい友達だと思っていたんですよ」


「ありがとう水瀬さん。仕事外でも、業務であっても私は水瀬さんの事とっても好きよ。本当にいい友達でもあって、良き部下だと私は思っているわよ」

「だったらどうしてそんなことしちゃうんですか、どうして今、私にまともに向き合おうとしないんですか。全部はぐらかされているような気がして、物凄くたまらないです」


「まぁまぁ落ち着いて、どうおぉ一本」


マリナさんはシガレットケースに入った煙草を一本私に差し出した。

「いただきます」煙草を口に銜えると、マリナさんがカチッと乾いた音がするジッポライターで火を点けてくれた。


「ふぅ」口から(こう)ばしい香りと共に白い煙が吐き出される。意外といい香のする甘い煙草だ。

日本製じゃないんだろうな。


「どうぉ、少しは落ち着いたかなぁ」

「ちょっとは……」

「ちなみにここ、屋上って禁煙なんだけどね」

「えっ!」

急いで消そうとしようとしたけど、まだ吸っていたかった。


「ま、私も吸うから同罪っていう事でいいかぁ」

そう言いながらマリナさんも煙草に火を点けた。彼女の煙草を吸う姿はさすがに様になっている。なんかとってもカッコいい。


「ねぇ愛理ちゃん」え! マリナさんが名前で呼んだ。


ちょっと動揺しながらも「な、なんですかマリナさん」


「どうして私があなたの作品を落としのかって言うとね。前にも言ったよね。あなたの作品とてもよく出来ているよって」

「ええッと確か……」

「うん、私も凄いと思ったもの。これだけの才能がある人材が社内にいたなんて、しかも私の直下の部下によ。正直驚いたわ」


マリナさんが携帯灰皿を差し出してくれた。

「もう一本吸う?」

「ええ、っとすみませんいただきます」


「意外とヘビーだったりする?」


「ええっと実は……入社してから禁煙してました」

「あら真面目だったのね」


「ええっとそんなことないですけど。吸い始めがちょっと早かったんですけど」

「そうなんだ高校の時位からかなぁ。最も私は中学んときから吸っていたんだけどね」

「なははは、同じです」

「あらまぁ意外と悪だったんだ愛理ちゃんって、純情そうに見えるんだけどねぇ」


「ははは、正体ばれますね」

「いいのよ別に。そんな愛理ちゃんが私は好きなんだから」


いきなりだった。マリナさんの唇が私の唇と重ねあった。その後私の中にマリナさんの熱い舌がめり込んでくる。懐かしい忘れかけていたあの頃の甘い感覚が体中に蘇ってくる。


「うぐっ……ううん」

私の体を抱き寄せる、マリナさんの柔らかい体が私の体を反応させる。

思わず私も彼女の体をかき寄せた。


ゆっくりと離れると、心臓がドキンドキンと高鳴っていた。


「私同性でも愛せるの」

にっこりとマリナさんが言う。


ああああああ、なんだか落ちていきそう。このままマリナさんに体を委ねたくなりそうになる。


「うふっふ、今はここまでにしましょ」


カチッとマリナさんがライターに火を点けた、その火で私は新たに頂いた煙草に火を点けた。


「私がどうしてあなたの作品を落選させたか。それはあなたにこの会社にいてほしいからよ。言わばあなたを守りたかったから。それに愛理ちゃんと浩太の関係を壊したくなかったからなの」


「私を守りたかった? それは……あっ、もしかして」


「気が付いてくれた。さすが愛理ちゃんは頭が切れるわね。そうあなたがもし賞を受賞すれば、あなたを見る目は一変する。まだ駆け出しだとばかり思われていた人間が、いきなり先輩たちを飛び越えちゃったらどうなるかは、あなたが一番良く分かっているわよね。結果あなたはこの会社に居ずらくなってくる。当然浩太とも距離を置かないといけない状況になってくるのは、目に見えてわかるわよね」


「そうですね。そうなりかねないかもしれませんね」


「うん、そうだよね。でも、あなたにしてみれば、ちゃんと自分を評価してもらいたかったという想いも強くあるんでしょ」


あああマリナさん、あなたにはなんでも見通されちゃっている。おっかない人だなぁ。


「正直言えばそっちが強いかもしれません」

「だよねぇ、浩太にちゃんと認めてもらいたかった。その想いが一番だったんでしょ」


やばぁ、本当にこの人おっかない。人の心読める特殊能力でもあるの? それとも私エルフの術式にかかっちゃっているの? 結界なんか張られていないよね。もうなんでもお見通しじゃない。でも、悪い気はしない。それよりもなんかホットしちゃった。


本当にマリナさんの言う通りだ。いくら実力主義が社風の会社と言っても、そこは人間が相手だから、そんな細かいところまで会社が私を守ってなんかくれる訳がない。


そうなんだ私は賞が欲しかった訳じゃないんだ。先輩に認めてもらいたかった。ただそれだけだったんだ。


「でもさぁ愛理ちゃん、浩太はちゃんとあなたの事、評価して認めているんだよ。それを一番感じているのはあなたじゃないの。浩太に言わせてみればあんなコンテストなんかくそくらえだ! なんていいそうだけどね」


「あははは、ほんとそうですね」


「それに私はあなたに惚れた。あなたのその才能に、あなた自身にも惚れてしまった。私から手放したくなくなちゃったの」


「ええええええっ。それって……」

「ええ、告白よ。愛してるわ愛理ちゃん……あなたなら私を受け入れてくれるはず。『あの世界を知っているあなたなら』ダイジョブよ悪いようにはしないわ。ずっと可愛がってあげるから安心して」


「でもでもでも、私、先輩の事が好きなんです。……そりゃ、私もマリナさんの事好きですよ……」


「|Don't worry《心配しないで》あなたが浩太の事好きでもいいのよ。私も浩太の事愛しているんだもの。同じじゃない。もしあなたが浩太と結婚でもしたら、私はもっと浩太と近い関係になれるんだもん。二人で浩太の赤ちゃん産みましょうね」


ああああああ、なんかやばい世界に入り込みそうな予感が、ビンビンしているんですけど。私大丈夫かしら、この先……。



「でさぁ、水瀬愛理に私からの先行時辞令を言い渡します」


1か月後、期間限定で水瀬愛理をアメリカ支社に転属させます。



「ええええええええええええ!!!」



「期間限定だけどあなたが納得するまで、向こうで最先端の技術を身に付けなさい。あなたなら必ず成し遂げてくるはずよ」

「そ、そんなぁ私があのアメリカ支社にですか? 支社って言っても今じゃこの会社の中枢じゃないですか」


「そっ、支社なんていうのは建前で、今はあそこが拠点みたいなもんだからね。会えなくなるのはちょっと寂しいけど……。あ、そうだ毎月私が行けばいいんだぁ。なぁんだその手があったかぁ。愛理ちゃんの進捗監査って言う名目でね」


「はぁ……そうなんですか」


余りにも話がいきなりの急展開で、訳が分からくなって来た愛理ちゃんです。


「ねぇねぇ愛理ちゃん。私体さっきから火照ちゃって大変なの。これからホテルに行かない?」


「ええッとでもでも、仕事、部長仕事どうするんですかぁ」

「仕事なんかいいから、浩太がちゃんとやってくれるわよきっと。さ、行くわよ」


「ええええええっ、た助けてぇ……先輩!!」


お願い先輩。


ああ、これ今ゲームの世界の中なんだよね。

だったらこのゲーム、リセットしてくださぁい。


ああああああ、でも私、マリナさんにはまりそう。

いけない愛理ちゃんです。

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