第86話 ずっと愛し続けているよ ACT7
「ふぅ―ん。繭の奴こんなところに住んでいやがったのか」
そうつぶやく男の影。
その男は私をずっと追ってきていた。
「ふん、なんかいけ好かねぇ。でもなんだか彼奴前より色っぽくなったんじゃねぇの。もう、女だよなぁ。あ、そうだ確かもう18になったんだよな。いいんじゃないのぉ。いい女になってくれればいいよ、俺の娘……ま、義理だけどな、紙切れ一枚の事だし、第一俺と彼奴は血の繋がりも何にもねぇからな」
その男が一歩足を踏み出そうとした時、有菜が駆け込むように私んの所にやって来た。
「ごめん、繭たん。恩にきるよ!」
「まったくもう、有菜あなた大丈夫なのこれで?」
「うんうん、大丈夫だよ、繭たんのノート丸写ししちゃえば何とかすぐに終わっちゃうから」
「はぁ、呆れた」
「なははは、でもほんと今年は繭たんがいてくれるから助かちゃったよ」
「去年はどうしてたの?」
「えへへへ、去年はさぁ、出来なくて居残りさせられちゃった」
「ああ、そうなんだ」思わず呆れた声が出た。
「でさぁ、繭たんここでやってもいい?」
「別に構わないけど、暑くないここ? 有菜の家だったら、エアコンがんがん効かせられるのに」
「うん、いいの、繭たんの傍にも居たいから。だってさぁ、最近繭たん忙しくて私と会ってないじゃん。私とっても寂しかったんだよ」
「会ってなかったて、あのさぁ有菜、あんた3日前お店に来て、アイスコーヒー一杯で3時間もマンガ読んでいたのは誰だったかしら?」
「なはは、そうだっけ」照れ臭そうに頭を掻く有菜。
何でこんな状況になっているかと言えば。
帰る途中電車の中で、有菜からメッセージが来たのに気が付いた。
開いてみると
「おひさぁ―、繭たん。唐突だけど、繭たんに質問があります」
「質問? 何?」
「あのさ、あのさ。繭たん夏休みの宿題どこまで出来ている?」
「夏休みの宿題? もう終わったよ」
「ななななななななななあななな。なんと!! 繭たん、もう宿題全部終わちゃったんですかぁ!!」
「終わったよ……有菜、もしかして宿題全然やっていないとか」
「嘘だろうそんなことないよねぇ」と書かれた腹黒たれ目パンダのスタンプを送ってやった。
返信に
「おお! 繭たんは超能力者だったんだぁ。私の宿題ノートが未だ真っ白であることを知っているなんて。誰も知らないはずなのに!!」
「マジかぁア有菜!!」
「マジです!」きりッと断言する、狸スタンプが送られてきた。
「頑張ってねぇ―」で、メッセージを切ろうとしたんだけど、次に送られてきたメッセージ。『見捨てないでぇ!!』涙ボロボロ狸のスタンプと共に。
「お願いノート写させてぇ」土下座狸スタンプが何度もピコピコ土下座をしていた。
「ええ、どうしよっかなぁ」
「お願い! お願い! ……以下省略」と何度も送られてきた。
これ、いいよって送るまで来るのかなぁ? しょうがないなぁ。
「あと1時間くらいで帰れるから、それくらいに私の所に来て」
「わぁ、ありがとう繭たん。恩にきるよ」
天使のリングを付けた狸が昇天していた。
「それじゃ1時間後に行くから。愛してるよ繭たん♡」
「馬鹿!」
という訳だった。
まったく有菜は自由奔放な性格をしているよ。でも、そんな有菜が私は好きなんだぁ。
「ちぇっ、繭の友達か? 誰かいたんじゃ乗り込めねぇな。今日は帰るとするか。彼奴の居場所も分かったことだしよ」
その男が、諦めて帰ろうとした時、私は部屋の戸を開け、隣の浩太さんの部屋を開けて、入っていった。
「おいおい、彼奴何で隣の部屋に入って行ってるんだ? ふっ、なんだかこれはっちょっと面白れぇ展開に持ち込めそうだな。ま、今日の所はこれで帰るとするか」
そう言いニヤつきながら、その男はその場から離れて行った。
秘密にしていた私の居場所が義父親に知られてしまった。
そんなことになっていたとは、何も気づくこともない私だった。
浩太さんの部屋で、冷蔵庫からジュースを取り出しグラスに注いだ。氷を入れてそれを私の部屋に持って行くと。
有菜は下着姿になっていた。
「ちょっと、どうしたの服脱いで」
「だって暑いんだもん。いいじゃん。マッ裸じゃないんだし」
一応私の部屋にもエアコンはついているけど大きいのじゃないし、性能はあんまり良くない。
「ンもう、だから言ったのに」
そんなことは気にせずに有菜は思いついたように。
「あれぁ、でもさぁどうして繭たん制服着てるの? 学校にでも行って来たの?」
「ち、違うけどさ。ちょっと用事があって出かけてたから」
「そうなんだ。だったら早く繭たんも制服脱いだら。暑いでしょ」
まぁ確かに、もう後は出かける用事もないし普段着で十分だ。でも体はべとべとしている。思ったよりも汗かいていたようだ。
「私シャワー浴びるから」
「んっ! シャワー!」有菜がピクンと反応した。
「繭たん一緒に入ろうよ」
制服を脱いで、ブラとパンティー姿になっている私に有菜が抱き着いて来て
「ああ、繭たんの汗のにおいがするぅ。これが繭たんの香りなんだねぇ」
「ちょっと有菜、本当に汗臭いからやめて恥ずかしい」
「ねぇ繭たん……私、繭たんが欲しくなっちゃった。『しよ!』ねぇいいでしょう。ほらねぇ」
有菜の手が私のブラのホックを外し、肩紐をするッと肩から落とすとブラが外れた。
「ああ、繭たんのおっぱい久しぶりだなぁ」すかさず有菜の舌がおっぱいを這う。
「ンもうほら、ここ、こんなに固くなってぴんと立ってるよ。繭たんここ感じやすかったんだよねぇ」
「あん……だ、駄目。有菜、駄目だよ」
「うん駄目だよねぇ。今やめちゃ」
「そうじゃなくて……だ、だから」
有菜の唇が私の口をふさいだ。中にトロッとした液体が流れ込んでくる。
口いっぱいに広がる有菜の味。
ゴクッと飲み込んで「有菜、宿題終わるまでお預け!」そう言って有菜の体を引き離した。
「えええええっそんなぁ。繭たん」
「まったくもう、宿題やりに来たんでしょ。だったら宿題早く終わらせちゃいな!」
「うううううっ、繭たん厳しい! でもさでもさ、宿題終わったらいいんだよね」
「あ、しまった受け入れちゃっている」
目を輝かせて
「それじゃ早く宿題終わらせちゃおうっと。俄然やる気出て来たぁ!!」
「あのぉ、有菜さん。そんなに頑張らなくても」
「ううん、写すだけだから簡単簡単! 出来たら繭たんとエッチが出来る。私はその為に頑張るんだぁ」
「はぁもうどうぞご自由に。私はシャワー浴びるから」
「うんうん、浴びてきて、そしてまた汗いっぱいかいてね。繭たんの汗の香り堪能したいから」
ああ、有菜あなたはやっぱり変態だったのね。それを受け入れる私も人の事は言えないけど……。
たったあれだけで体がじんじんと火照っている私。
やっぱり私も……変態なんだ。




