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あなたの部屋に私のパンツ干してもいいですか?  作者: さかき原枝都は
はじめましての彼女は可愛いと思った。

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第8話 共有するという事は……

「なぁおまえ、そんなにポイポイ食材かごに入れて大丈夫なのか?」

「何がです?」

「だからさ、それが入る分だけの冷蔵庫とかあるのかって訊いてんだ」



「あ、うち、冷蔵庫ないよ」



「へっ、今なんて言った」


「だから冷蔵庫はないんだって」

「じゃぁどうすんだよ、これ」

「さぁ、どうしましょう?」

えへらと言う顔をして繭は言う。


どうしましょって、いったい一人暮らしするのに何で冷蔵庫がないんだ。

冷蔵庫は必需品じゃないのか。


「まて、冷蔵庫ないんだったらどうやって保管するんだ。もう5月だぞ、いい加減生ものは放置はできんだろ」


「そうですねぇ。冷蔵庫買うまでの予算がなかったんですよ。あ、ちなみに洗濯機はありますよ。ちょうど新しいのと入れ替えたみたいなんで、古いの私がもらってきました」


「もらってきたって、親は気にしなかったのか?」


「親ですか? 私の事は気にも留めないんじゃないんですか。こっちに引っ越す時も何も言いませんでしたし、その他手続きも全部私一人でやりましたから」



「全部一人でって、普通未成年なんだからアパートの契約とか保証人とかもろもろ親が関係するんじゃねぇのか」



「そこんところはちゃんと話は通してありますから、心配はないです。勝手に判子は押していません」


ふぅ、やっぱりなんか訳アリだな。

原因は此奴の親か? それとも環境か? どちらにせよ問題ありと言うのは確定したな。


で、まずは今このかごにある食材をどうするかだ。買うのを諦めさせて戻さねぇと腐らかすだけじゃねぇか。


「買うのは中止だ。わざわざ腐らかすために金を使う事はねぇ、どぶに金を捨てるのと同じだ」

自分でこんな事を言っておきながら少し心が痛い。昨日俺も同じことをしたからだ。


呑み代をゲロとして便器に放り込んだのと同じだ。


「ふぅ、帰ってからちゃんと話そうかと思ってたんですけど、ここで了解いただく分だけは話さないといけないみたいですね」


「了解って……」

繭はじっと俺の顔を見つめて


「怒ってますよね」

「そんな顔してるか?」

「してます。もうありありです」


「そうか、で、了解するって何のことだ」

俺の問に繭は真顔で返した。


「私も始めは冷蔵庫必要だと思っていましたけど、実際物凄く高いんです。それに引っ越し費用も冷蔵庫があるとないのとでは大分違いましたので、しばらくは冷蔵庫無しの生活をしようと覚悟しています。だからと言って山田さんに迷惑をかける事もしません」


「じゃぁ何でこんなに食材買うんだ」


「これは今日の夕食の分と、山田さん自炊ってほとんどしていないですよね。だから、一緒に作り置き出来るおかずも作ろうかと思ってたんです。よけいなお世話かもしれませんけど」


「了解ってそのことか?」

真っすぐな返事で繭は「はい」と答えた。


ふぅー、何でだよ。何で此奴はそこまで俺に尽くそうとするんだ。

これじゃ今俺が言った事全部此奴をただなじっただけじゃねぇか。

なんか情けねぇな。俺。


「なぁ繭、お前料理得意なのか?」

「まぁ、それなりに、今までやってきましたから」


「そうか……。使っていいぞ、冷蔵庫」


「えっ、でもそれじゃ」

「それじゃって何だよ」


「山田さんに甘えることになります。もうご迷惑かけることは出来ません」


「茶碗買ったのも俺の食生活心配してなんだろ。まぁそれにスペアキー俺の部屋のお前がどうして持ちたかったのか、何となく分かったような気がする」



繭は下を俯き

「そ、それは、私の部屋のキーと交換条件と言うか、不平等と言うか……お、お守り……」



「ま、気ぃ遣う事はねぇ。家主がいいってんだ。いいじゃねぇか。使いたい時にいつでも俺の部屋に入って使えばいい。そのスペアキーでな」


繭のリュックの横のフックに留められている、そのスペアキーを見つめながら俺は言った。


繭はコクンを頷き

「ありがとう」と小さな声で返した。


「お、オウ……」

「なに照れてんの山田さん」

「照れなんかいねぇよ」

「嘘、顔に出てるもん」

「やっぱ出てたか」

「うん」

にヘラと繭がほほ笑んで俺を見つめている。


「それじゃさぁ、私ご飯の支度するよ。山田さんがよければなんだけど」

「え、それはかえって悪くねぇか」

「ううん、それくらいしないと罰があたるもん。もちろん朝、昼、晩3食。あ、お昼はお弁当だけどね。そうしてもらえれば私も助かるんだけどなぁ。だって一人分だとどうしても無駄が多いんだもん」


「本当にいいのか?」


「うんいいよ。こっちこそ、山田さんのお口に合うかどうか、今晩試してみてよ」


「わかった。なら、食材買おう」

「うん」

口角を上げ笑顔で繭は頷いた。






「なぁ、繭」

ベランダで煙草を吸いながら、キッチンに立つ繭の名を呼んだ。


「なぁに山田さん」

「いやなんでもない」


スーパーで少し触れた、繭の親の事を訊こうかと思ったがやめた。

多分これは今は触れてはいけない部分だと思ったからだ。


多分、今訊けば彼奴はそれに答えるだろう。でもそのことに今触れることは彼奴事態を何だか傷つけるような気がした。


放任主義の親なのか? それとも何か別な事情があるのか。どちらにせよ繭は親元を離れて一人で生活しようとしている。



まだ高校生なのに……。



「なによ、なんでもないって。呼んどいて」

「ごめん、本当になんでもないんだ」


「変なの。あ、もしかして山田さん私の事好きになっちゃった?」

にヘラッと締まりのない顔で繭が首をかしげながら言う。


「馬鹿、そんなんじゃねぇよ」


「なぁーんだ、つまんないのぉ。生身の女に興味出て来たのかなぁって思ったのに」


「あのなぁ、お前と会ってからどんだけの時間が経ったて言うんだ」


「えぇっと、多分昨日の夜10時か11時位からだから、あははは、まだ24時間も経っていないんだ。なんだかもう何年も一緒にいるみたいに思えちゃうんだけど。変だなぁ」


「まったくだ!」


えへへと、繭ははにかんで、かかとで一回転しようとしてバランスを崩してこけた。

ドスン! と床にその大きな尻が音をたてた。


「いててて」

「大丈夫か?」


「うん、大丈夫。それより床抜けないよね」


と、床の事を心配する前に、めくれ上がったスカートから丸見えのパンツ。いやパンディーか……、水色のフリルの付いたパンティー。意外と外見よりも派手な下着をつけていた。いやいや、そこに興味を持つんじゃない。


でもまぁ、高校生にしてはちょっと大人っぽい下着の様に思えた。


「おい見えてるぞ」

「え、何が?」

「だからパンティー丸見えだ」


繭は頭を自分の下半身に落とすと

「あちゃぁーほんとだ。全開しかも大股開きだね」


あのなぁ、そこ感心するところじゃないだろう。もう少し恥じらえよ。


「ねぇ欲情した?」

「するかアホ!」


「ああ、アホはないと思うんだけどなぁ。女子高生の生パンだよ。ほれ!」


「だから早くしまえ」

「ああ、ガンミしてたくせによく言うわ」


「してねぇよ!」



「してたぁー!!」



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