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あなたの部屋に私のパンツ干してもいいですか?  作者: さかき原枝都は
はじめましての彼女は可愛いと思った。

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第28話 雨宮マリナ ACT1

さぁて、新部長とミーティング。その前にちょっと一息入れてから行くとするか。


喫煙ルームの戸を開くと雨宮部長がブカぁーと煙を吐きながら外の景色を眺めていた。


「あ、部長」

「あれぇー、山田さん。山田さん煙草吸うんですね」

「ええ、とそうなんですけど、部長も吸われるんですね」

「ハァイ、吸いますけど何か?」


ん? 何だろうこのノリは……。


まぁいい、とりあえず煙草をくわえて火を点けた。

「いや意外だと思いまして、吸うようには見えなかったもので」


「ン~、外見で物事判断してはいけませんよミスター山田……さん」

ニコット笑う顔は意外と可愛い。


ふぅ―と煙を吐きながら

「部長ミーティングって、これからのうちの部署の運営についてですか?」


「んーとね、それもあるかなぁ」

またニコット笑い返す。


なんかめちゃくちゃ可愛いんですけどこの部長。年上とは思えないほどのあどけなさがまたいい。

でも職位は部長だ。ここで気を許しちゃ、後が怖そうだ。


しかしスタイルはいし。それになんといっても女のアピールポイント、あの胸の大きさは目を見張る。


そう言えば、こんなキャラいたなぁ。これでナース服でも着せたらもう俺好みだ。

いかんいかん、最近よけいに妄想が激しくなってきているぞ。


多分、繭と水瀬の影響だ。


今まで生身の女には拒否反応と言うか、興味は持てなかったが最近は見る女性の各所を何となく気にしている。


「山田さん、私もう一本吸ってから行きます。先にミーティングルームに行って待っててくださいね」

「あ、はいわかりました」


すーっと煙を吸い込み吸い殻をもみ消し、水の入った吸い殻受けに投げて。

「それじゃ先に行っています」

「ハァイ」

と明るい声で返す部長。


何となく人懐こい感じでいい関係が運べそうな気がする。

いい関係といってもあくまでも仕事上での事なんだが……。


先にミーティングルームに入り、椅子に腰かけ部長を待った。

しかしなかなか部長は姿を現さない。

10分が過ぎた……。

20分が過ぎた。さすがにこれ以上は待てない。


もしかして何か緊急自体が発生したのか?

とにかくオフィスに戻ってみると、部長の姿はない。


「あれぁ、先輩。もうミーティング終わったんですか?」

「いや、まだだ。部長が来ないんだ」

「部長ならずっと帰ってきてませんけど」


「そうか……」そう水瀬に言い残し、またミーティングルームに戻るが部長の姿はない。


おいおい、いったいどこに行ったんだ雨宮部長は。

喫煙室を覗いてみたが人の姿はなかった。


ふと社食の方を見ると、満足そうな顔をして雨宮部長が社食から出て来た。


「あのぉ……部長。もしかして社食に……」


「ああ、ごめんね山田さん。なんか物凄くいい匂いがしてお腹減っちゃったからご飯食べてきちゃった。やっぱり違うわね、本社の社食はとっても美味しい。今日のお勧めはサバの南蛮定食よ」


またニコットしながら俺に笑みを返す。


はぁ、飯かよ……人を待たせておいて自分は飯かよ。

ちょっとムカッと来たが、あの笑みでごまかされる俺は何だろう。

しかも何も悪気を帯びたそぶりはみじんも感じさせない。


もしかしてこれがアメリカスタイルなのか?

だとしたら、日本スタイルはがちがちの型にはまった鋳型の様な感じがしてきた。


「それじゃ、行きましょ」

ようやくミーティングができる。

かれこれロス時間はもう30分くらい経っている。


「さぁてとミーティング、ミーティング。ルンルン」

「なんか楽しそうですね」

「だってお腹いっぱいだし、ご飯美味しかったしもう言うことないよ」

「はぁ、そっちですか……」


「さてと……」と、雨宮部長が一言口にした瞬間、彼女の雰囲気ががらりと変わった。


物凄い威圧感だ。


「資料はもうすでに読ませていただいたわ。現在遂行しているプロジェクトの進捗状況は把握していますか山田さん?」

「はい、現在最優先で処理を遂行している案件はこの2件で、こちらの3件につきましてはまだ納期的に時間がありますので、次の案件着手という事で現在進めています」


「なーるほどね。そじゃさぁ、今のこの最優先案件2件アップを後1週間短縮できないかしら」


「いや、それはクオリティー的に難しいかと」


「何故クオリティー的に難しいという事が上がってくるんでしょう?」


「現在までの所までは、クライアントの希望するクオリティーには達していますが、多少こちら側からも、クライアントにクオリティーアップの提案をしていきたいと遂行中なもので」


「そうすることで、こちらへのメリットは? 契約金額が上がるんですか?」

「いやそう言う訳ではないんですが、お得意様ですのである程度誠意的にこちら側の糸も見せておいた方がいいのかと。次の発注につなげるためにですけど」


「んー、それが日本式の取引という事なのかなぁ」

「まぁそんなところですかねぇ」


「んー」雨宮部長はタブレットを見ながら

「それじゃ、このまだ先にある小規模な案件は第3課に回しましょう」

「ええ、そんなことをしたら、何を言われるかわかりませんよ」


「うふふ、今山田さんがやっているプレゼン、取れそう?」

「いや、まだ分かんないです」


「私はもうこのプレゼンを、予定の中に組み込んでおきたいの」

「ちょっと待ってくださいよ。まだプレゼンも行っていないのに、枠を取っちゃうなんて無謀ですよ」


「あらそうかしら、山田さんなら必ず取ってきてくれると思っているからそうしてるんだけど」

「それはもうすでにこのプレゼン分を、計画にはめ込んでいるという事なんですよね」


「そうよいけない?」

またニコット笑う。


「そんな無謀ですよ」


「あらずいぶんと弱気ねぇ。それじゃ彼女にも逃げられちゃうわよ。仕事と女を口説くのは強気が一番。なんちゃってね」


「彼女なんて俺には無縁ですからいませんよ」


「あら、そうんなこと言っていいの? 水瀬さんあなたの事物凄く好きみたいよ」


おいおい、何で雨宮部長まで、そのこと知ってるんだ。さては村木部長引き継ぎでそんなことまで言っていたのか?


「水瀬とはそんな関係じゃないですよ」

「嘘おっしゃい、彼女の視線とか行動見てるとすぐにわかっちゃう。ほんとわかりやすきて面白い」


「ちょっと待ってくださいよ。雨宮部長なんだかずっと前から俺らのオフィス見ていたようなこと言っていますけど」


「ああ、私こっちに赴任が決まってからずっとあなた達のオフィスの監視カメラ、ファックしてみてたの」


「ファックして?」


「あ、ファックじゃなくてジャックしてだった。ヤダぁ、ファックだなんて、最近ご無沙汰だからつい出ちゃった」

ペロッと舌を出す雨宮部長……ファックとジャック。んー憎めない。この人こういう人なんだろう。


なんだか部屋にフィギアがもう一体増えそうな気がする。


でも待てよ監視カメラをジャックして俺たちをずっと見ていただなんて、この部長そういう事まで出来るんだ。


いや、これって監視されていたってことだよな。

ある意味怖いかもしれない。


「あ、それとプロジェクトリーダーの山田さん。これからは残業今までの半分以下にしてください。これは部長指示です」


「え、残業半分以下ですか?」


「ええ、そうよ。残業一杯したからっていい成果が出るわけでもないし、仕事終わったら遊ばなくちゃ。遊ぶ時間いっぱい作りましょうね山田さん」


ニコットしながら今度はウインクをしてきた。


やり手だとは訊いていたが……確かにやり手だ。


これから俺はこの部長に翻弄されるんだろうな。


どうする? 俺……。



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