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第六話 主人公は何が出来るんですか?

今回はかなり短いです。

「いいじゃないか、教えてくれても」

「何でよ、めんどくさい」

「ほらぁ、お兄さんどこに居るか判らないって、言ってただろう?だったら、身を守る方法ぐらい、覚えておいても損は無いじゃないか」

「それは・・・・・・そうかもしれないけど」

「そうだろう?!だから、さっさと僕に魔法を教えなさい、さぁほら」

 サイフェリアの旅に春牧が同行することが決定して、春牧も残っていた弁当を食べ終え、サイフェリアを肩に装着して。勘を頼りに再び歩くこと一時間半ほど。一時間ほどサイフェリアと春牧は、歩きながら、サイフェリアの旅や兄のことについて話していたのだが、魔法の話が出たのを皮切りに、先ほどからずっと春牧が魔法を教えろとサイフェリアに迫っている。

 めんどくさい、と、はねつけているサイフェリアだが、春牧が言っていることも尤もなので、おされ気味だ。しかも、三十分も同じやり取りの繰り返しだ。

 流石に、うんざりしてきたのかサイフェリアが折れた。

「あーっもうっ!わかったわよ!教えればいいんでしょ!?」

「そうそう、最初から素直に教えればいいんだ」

「・・・・・・・・・・・・」

 やっぱりやめておこうか。

「・・・・・・まぁいいわ。とりあえず、一応聞いとくけど、具体的にどんなのが使えるようになりたいの?」

 春牧は良くぞ聞いてくれたとでも言いたげに胸をそらし、

「空から巨大な光の柱が降って来て、それに触れた敵が一瞬で消滅するようなのか使いたいんだが」

「無理」

即答されたが、これは春牧にとっても、想定内だったようで、

「まぁそうだろうな、それは後々習得するとして。まずは、スタンダードに火をつけたり出来るのが使いたいんだが」

 じきに本当に光の柱を降らせることが出来ると思っているのか。

「火をつける、ね、意外とまともね」

「それはほら、台所を預かるものとして、火ぐらいは自由に扱えるようになりたいだろう」

「まぁいいけどね」

 そう言うと、サイフェリアはどうやって春牧にうまく魔法を教えようかと考え。はた、と気付いた。

 そうよ!わざわざ教えてやること無いじゃない?!使える奴は勘で出来るとかテキトーなこと言って、才能無いから使えないってことにすればいいじゃない!あったま良い、私!これでわざわざ面倒なことしなくて済むわ!

 なんとも悪知恵の働く妖精だ。

 自分の名案を形にすべく、口を開きかけたサイフェリアを春牧が遮った、

「そうだ、聞いていなかったが。属性とかそういうのはあるのか?風とか火とか」

それを聞いて、サイフェリアが何かを思い出したように、声を上げた、

「あっそうだ、言ってなかったわね。あるわよ。火、水、風、地と、あとは雷と光と闇とかあるわね」

春牧は腕を組んで、少し難しい顔をした、

「それじゃあ、やっぱり使える属性とかは決まっているのか?」

しかし、サイフェリアは春牧の言葉に不思議そうに首を傾げ、

「何でそう思うのよ?そんなの決まってないわよ、得意苦手はあるかもしれないけど、練習すればどれもつかえるわよ」

 どうやら、ゲームのようにキャラごとに使える属性が決まっていたりはしないらしい。

「・・・・・・そんなものか。まぁいいか、とりあえず火のつけ方を教えてくれ」

 サイフィリアはニヤリと口元を歪めたが、すぐに真顔に戻し、

「まぁ簡単よ、才能があれば、勘で出来るし、無かったらそれまでだからそのときは教えられないけど。とりあえず、気合でやってみなさい、ほらこう、火よつけ〜、って」

 そう言いながら、両手を前に突き出し力んでいるような表情を作るサイフィリアに一つ頷くと、春牧も両手を前に突き出して、立ち止まる。

「よし、気合か。・・・・・・エクスプロージョン!!」

 結構大きな声を出したのだが全く何も起こらない。目に届く所には春牧とサイフェリアしかいないので、二人が口を閉ざせば当然風の音ぐらいしか聞こえないのだが、それがなぜかとても物悲しく聞こえる。サイフィリアは笑いをこらえているようだった。

 ・・・・・・・・・・・・と言うか、叫んだ技の名前を考えると、どう考えても、火をつけるだけに留まりそうに無い爆発がイメージできるのだが。本当にできていたらどうするつもりだったのか。

「ざぁんねんだったわねぇ〜。才能無いから、魔法使うのは無理ね」

 サイフェリアが嬉しそうに、声を上げる。どう見ても残念がってはいない。悔しがっているだろうか、と、春牧の顔を見るが、予想に反して、春牧はとくに残念そうではない。

「そうか、使えないのか。・・・・・・まぁいい、どの道主人公はほとんどの場合武器は剣だからな。剣を使って戦えばいいか」

 戦えばいいか。とかいっているが、春牧は当然ながら剣は使えない。剣も魔法も使えないとは、春牧は一体何が出来るのだろうか。

 春牧が残念がっていないことを残念がりつつ、サイフェリアが前を向くと、いつのまにか草原の終わりが見えていた。あと数百メートルくらい離れたところから、一面森になっている。春牧は、立ち止まってから動いていないので、もう、少し前くらいから、見えていたことになる。 

 春牧ばかり見て前を見ていなかったのは自分だが、見えていたなら教えてもいいだろう、と思い、声を上げる、

「なによ、もう終わりが見えてるじゃない。アンタ、見えてたんなら教えなさいよ」

しかし、春牧は特に悪いとは思っていないようで、

「いいだろう、別に。今わかったんだから、入る前にわかっていれば、とこで気付こうと同じだ」

 説得力があるような無いようなことを言っている。

 サイフェリアもそれで納得したわけではなかったが、何を言っても無駄だと言うことを、短い付き合いながら学習していたので、それ以上は何も言わなかった。

「・・・・・・まぁいいわ、とっとと歩ききなさい。とりあえず真っ直ぐ進めば出られるでしょ?」

「当然だ。とりあえず、勘でどうにかなる」

 二人そろってなんとも適当だが。こんなことで大丈夫なのだろうか。

 春牧は少し薄暗い森へ向かうため、再び歩きだした。

 今回も短くなってしまいました。一話を細かくとか言っていたけど、短すぎです。しかも、色々あって、短いくせに時間が掛かりすぎです。しかも、文章が雑だった気がします。なので、次回からはもうちょっと長くかつ早くそして丁寧に、更新していきたいです。春休みのうちにかせぎます。

 まだ見捨てないでください、挽回して見せます。

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