俺と街とそこらへんのこと
遅くなってしまったが、ここらで自己紹介をしておこう。あと街の事&茜についても述べておこうと思う。
俺の名前は【最上 泰樹】家の家族構成は、親と妹と俺の4人家族。親とは小さなトラブルこそあれど概ね関係は良好。
しかし1歳違いの妹【最上 摩子】とは、半年程前に妹に電話を掛けてきた彼氏さんに妹に本当に似合う男か確かめるという俺の浅はかな考えから「妹と付き合うんだったら先ずは俺とデートして俺を認めさせてみろ!」と言う発言から、実際にデートが行われ彼氏さんは俺に惚れ込んでしまった。結果、彼氏さんは妹に別れ話を切り出すという事態が発生し妹とはそれ以来会話が出来ていない。
そんな俺達家族は半年前に、親の都合で発展途上の都市うるみ沢に越してきた。
まだ出来て間もない都市ということだったが、既に街は移住する人々で大いに栄えておりショッピングセンターから大型スーパーまで何でもござれのこの街は夢の街と評され人口はどんどん増えていった。
そして、俺はこのうるみ沢にある唯一の学校県立うるみ沢高校に通っている。
この学校は街が発展する前から存在する学校で今年で創立60年を迎えるのだが移住によって増えた人口のせいもあってか、クラスが一学年16クラスにもなるこの人口には対応できず学校からは時々、コンクリートに亀裂が入ったような音が聞こえてくる事もあった..
とにかく、人は溢れそうな程に多い学校なのだが残念な事にコミュ症の俺は他クラスのイラスト部の知り合いとたまに群れ合う程度でクラスメイトとはほとんど喋らず俺自身もクラスメイトの半分は名前も覚えていない。
そんな俺と対象して【結城 茜】という女子はクラスで一二を争う美少女である。時たま発する天然発言と性格に似合わない引き締まった抜群のプロポーション、そして、誰にでも分け隔てなく愛想を振り撒くその姿は正に天使そのものと言っても過言ではない。
しかし、彼女はこの街が出来る前から住んでいた住民のたった一人の生き残りだった。
放課後屋上に俺を呼び出した彼女はこの街の真実を教えてくれた。
ここ、うるみ沢が出来る前には小さいながらも活気のある町があったがカタストロフィという黒い霧に全てが飲み込まれる現象によって街が消滅したこと。
そして、飲み込んだものを素材として現在のうるみ沢が生まれたということ。残念ながら街は未だに広がりを続けていること...
...ここまでで、大体の説明は終わりです。では、また!