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どうも、屍です。  作者: オガシュン
12/13

破れても治るらしい

 

 倒したコウモリが横たわる地面に足を立て、ぐいっと立ち上がる。

 するとコウモリを見下ろす形になった。


「…でかいな。」


 そう、でかいのだ。胴体は大したことはないが羽が物凄くでかい。

 これほど大きな羽ならば、自分も飛ぶことが出来るかも知れない。


「…よし、とりあえずはっ、と。」


 コウモリの翼を根元から引き千切る。少し血が飛び散ったが気にしない。


「ほう、こうなってたのか。」


 翼を広げてじっくりと観察すると、構造が大体わかった。

 翼は腕の様で少し違う。手が大きくなって翼を形成し、薄い皮膜がある。


 上部に付いている一本の細い骨が腕に当たる。全体でみると薄く血管が浮き出ているのが分かる。


「あぁ、これなら。」


 てっきりサソリとゴブリンを外してつけなければならないと思っていたが、これなら大丈夫そうだ。


 捥いだ一対の翼を可動域の広いサソリを使い、背中まで持っていく。


「いよっ!」


 勢いよく肩甲骨と背骨の間に突き刺した。皮膚を破り、ブチッという音が聞こえる。


「よし、こっちも。」


 もう片方も背中に突き刺した。


「ふぅ、これでOK。」


 突き刺し終わったあと、しばらく待つ。すると


 ゴキッ!バキバキ、グジュグジュグジュ!


「…はぁ、やっと終わった。」


 刺した翼の付け根の骨格が変わり、筋肉が付いたのか背中が少し盛り上がっている。


「よし、これで飛べるはずだ。」


 翼を広げ、動くことを確認する。バサッと音を立て、何度か折って広げてを繰り返す。


 ここであることに気がついた。


「…重たくて食べないんじゃないか?」


 そう、コウモリがあの素晴らしい機動力を生み出せるのは、軽量ボディがあってこそだ。


 この体では飛べないんじゃないか。そう思った。


「まあ、コウモリの羽って破れても治るし、とりあえず一回飛んでみるか。」


 そう言って、なるべく早くはためかせる。そして高くジャンプし、さらに激しく動かすと、


「飛んだっ!」


 飛ぶことが出来た。この体はやはり死体と言うだけあって、中身がスカスカで軽いのか?そう思ったが、あまり考えないようにした。


 そうしているうちに、周りが見えなくなっていたのか壁に激突しそうになっていた。


「うひゃぁっ!」


 急旋回。この翼は飛び方を知っているのか、コウモリならではの技だ。これは強力な武器になりそうだ。

 変な声が出たのは気にしないでおこう。


 飛ぶことにより、移動速度が速くなり、サソリの制限もなくなった。



 さあ、探検再開だ。



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