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どうも、屍です。  作者: オガシュン
11/13

毒を持ってるコウモリは3種だけ

 

 グギイィィィィイイ!!


 上空にいるコウモリが真っ直ぐこちらは突進してくる。


 目を見開き、強張った顔面。引きつった口元からは鋭い犬歯が剥き出しになり、唾液が飛んでいる。


 直線距離、約10メートル。


 自分の棲家が荒らされたからであろうか、それとも単に攻撃的なだけか。


 どちらでもいい、いまこちらに向かってきているのは変わらない。


 見たところこいつ1匹だけのようだ。追撃を警戒する必要はない。


 直線距離、約5メートル。


 まあそれでも、特に心配はしなくていいだろう。僕には毒がある。こいつの攻撃手段は噛み付くくらいしかないだろう。


 僕に危害を加えようとした時点で、こいつはもう、死んでいる。


 直線距離、約1メートル。


 さあ、噛みつけ。




 鋭い犬歯がゴブリンの腕の方に突き立てられ、ゴリゴリと肉を削り取る。


 肩口が少し抉られたが、動かせないほどではない。


 肩口を抉ったコウモリはバタバタと後方へ飛んでいき、また上昇し始めた。


 やはり硬いサソリの攻殻よりも柔らかいゴブリンの腕を狙ったか。なら、サソリの攻殻で防げる可能性が無くはないな。


 コウモリは少し上空を彷徨ったあと、こちらを凝視し、再度こちらへ突進してくる。


 凝視した際、目と目があった。まさか顔面を狙うつもりなのか。


 さすがに顔面はまずい、食らったら危険な気がする。


 右腕を持ち上げ、奴へ向かって真っ直ぐ突き出す。サソリの毒も注入すれば全身に毒がより早く回るかもしれない。



 グルンッ


「はあ!?」


 奴は空中で旋回し、突きを軽々と避けた。そのままの態勢でこっちに突っ込んでくる。


「ぐおぉぉお!」


 必死に体をそらし、突進を回避する。


 巨大な羽が顔ギリギリを過ぎる。奴が起こす風圧で体がよろめき、海老反りになってしまう。


 すぐに立て直さないと!


 そう思った直後、後ろへ通り過ぎた奴が目に入る。

 驚いた、止まっている。


 奴の動きが空中で静止している。


 いや、それは間違いか。動きを止めた奴は降下してる。毒が効いてきたのか。


 このチャンスを逃す手は無い!


 僕は海老反りの姿勢のまま、右腕を奴に向けて突き出す。


 ギィッ!!


 今度こそ当たった。


 ボトリと地面に落ちる。


「ハァ、やっと終わった…。」


 ばたりとその場に倒れ込む。


 四肢を広げ、大の字で寝転がった。


「こうしてみるとでかいな。」


 片翼だけでも2メートルはゆうにある。骨格もしっかりしていて、丈夫そうだ。


「…いいパーツになるかもな。」


 劇的な大改造が始まりそうだった。



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