表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
地龍のダンジョン奮闘記!  作者: よっしゃあっ!
第一章 地龍になりまして

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

9/288

9.ダンジョンの貯蔵は十分か?

 さてさて、石像作りも順調。

 マイホーム拡張も順調。


 いやー、充実してるね。

 前世よりも全然生きているって感じがする。


 好きなことだけして、美味しいもの(石)を食べて、好きなだけ寝る。

 

 嗚呼、自由って素晴らしい。

 前世では絶対に出来なかった夢のグータラ生活がそこにあった。

 そうか。理想郷は異世界にあったんだ。


 マイホームの進捗状況。

 現在十三階層まで掘り進めた。

 別にここまで掘り進める必要はないんだけど、なんとなく家は大きい方がお得みたいなイメージがある。

 なので掘れる分だけ、掘ってしまった。

 最近は内装にもこだわりを入れている。

 

 まず、部屋に必ず一体は石像を置くようにしている。

 やっぱりただの土壁の四角い部屋じゃ殺風景だしな。

 とりあえず部屋の中心に、部屋の大きさに合わせた石像を置いてみた。

 四方五メートルくらいの部屋なら人型の石像を一体配置。

 もっと大きい部屋なら、さらに複数体配置してみた。


 さらに最近見つけた光る石。

 前世ではこんなものはなかったが、さすが異世界。

 明るさで言えばLEDに匹敵する明るさ。素晴らしい。

 これのおかげで我がマイホームにもついに光が差し込んだ。


 もともとこの体は暗闇でもばっちり見えるんだけど、それでもやっぱり明かりはほしいと思ってた。

 なのでこの石を発見した時は素直に喜んだよ。

 一定の地層から大量に出てきたので、今では改装、各部屋に必ず置くようにしている。

 電球代わりだね。

 

 ついでに石像にも小さなこだわりポイント。

 ただ置くだけじゃなくて、せっかくなのでポージングを取らせてみた。

 剣を振り回すポーズや犬ならば立ち上がり威嚇するようなポーズ等。

 目や爪部分に宝石を埋め込んであるから迫力はばっちりだ。

 特に竜の石像は目だけでなく、口の中にもルビーの宝石を埋め込んだ。

 光石の光が反射してこれがキラキラ光って、まるで火を噴いているように見えるんだよ。

 うーん我ながらいい仕事をしたね。


 まあ、見るの俺だけなんだけどね。

 ちょっと寂しい。


 て、あれ?


 隣の部屋に置いてた石像って人型だったけ?

 確か猫の置物だった気がするんだけど………。


 まあ、いいか。

 どうせほかの部屋の模様替えをしてる時に入れ替えたんだろ。


 マイホームへのこだわりポイントはまだある。

 壁には前世での知識を生かしてウォールアートに挑戦してみた。

 壁用の白レンガをレイアウトして、高級レストランのような内装にしてみたり、黒と白のタイルを基調としたモダンなデザインにしてみたりと、部屋ごとに特色を出してみた。


 あ、ちょっとしたギミックもつけてみたんよ。

 タイル調の壁なんだけど、特定のタイルを押せば壁がひっくり返るようにしてみたんだ。

 忍者屋敷のからくり扉みたいな感じだな。

 作るのに苦労したぜ。


 まあ、使うの俺一人なんだけどさ。

 つっても、壁のをひっくり返したところで何もないんだけどな。


 でもまあ、ちょうどよかったんで、壁の向こう側の部屋は、入りきらなかった石像を置いておくスペースとして有効活用している。


 部屋の内装を変えるときにちょうどいいから、石像の物置小屋を中心にして、その四方の壁を回転壁にしている。

 これで、模様替えをしたい時の作業効率が図れるって寸法さ。

 

 さてさて、それでは今日もマイホームを拡張しようとしますかね。

 地下十三階まで掘ったけど、広さ的にはこれで十分だしな。

 ていうか、広すぎだな。うん。

 と言う訳で掘るのは、今日は止めて、久しぶりに上に行くか。

 

 俺が内装工事をしたのは主に中層、第5~10層だ。

 それより上の上層はむき出しの地面がごつごつしている雑な作りになっている。

 

 と言う訳で上層のリフォームを行いたいと思う。

 具体的には中層と同じように、石造りのしっかりとした部屋にしたい。

 誰に見せるわけでもないけど、やっぱ見栄えって重要だよね。

 と言う訳でレッツゴー。



 やってきました地下一階。

 いやー、久々だね。

 なんか、深層に比べて空気が若干澄んでいるような気がする。

 今に比べて慣れてない感がはっきりとわかる、むき出しの土壁。

 うーん、漫画家とかが過去の作品見て恥ずかしくなる気持ちがわかる気がする。

 

 あ、懐かしいなこの石。

 カレンダー代わりに使ってた丸い石だ。

 一か月くらいでやめたけど。

 ていうか、あれからどれくらい経ったんだ?

 地中にいると時間の感覚が曖昧になっていかんな。


 さて、地上への出口はあっちか。

 ………ん?

 カサリと何か音が聞こえた。

 続いてキシキシと何かが軋むような音。


 何かいる。

 何だ?

 まさか他の魔物が攻めてきたのか?

 

 ゆっくりと近づいてみる。

 久々の太陽光が目に染みる。


 目を凝らしてそれを見る


 アレは…………。



 そこにいたのは、一匹の傷ついた大きな蟻だった。



つまり壁のギミックを押せば石像の群れにホールインワン

今夜は九時以降にもう少し更新できそうです

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
[一言] 見ていない時に位置の変わる石像とか軽くホラーですね
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ