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地龍のダンジョン奮闘記!  作者: よっしゃあっ!
第一章 地龍になりまして

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8.鈍感系じゃない!無自覚系迷宮製作者だよ

今日の更新はここまでです

 あれからどれ位経ったのだろうか?


 土の中に引きこもりを決めてから、どれぐらい日にちが経ったのか覚えていない。

 いや、正確に言えば一か月くらいで数えるのが面倒になってきたというべきか。


 なんせこの世界には時計も日めくりカレンダーもないのだ。

 時間は太陽の位置を見て把握するしかない。

 それも大体どの程度かと大雑把に推測するくらいしかできない。

 これでは時間の感覚が狂うのは当たり前だ。

 昔の人ってホントスゲーと思う。

 俺なんて昼寝して気づいたら朝だったなんてことがざらだったのに。

 あ、勿論休日のはなしだよ。


 俺も引き籠って初めのころはまだ、一日に一回入口に作ったのぞき穴から外の様子を見ていた。

 そしてその時に入口付近に牙で削った石を置いて、それを日捲りカレンダー代わりにしていた。

 外を見て石を置くというサイクルで、一日の経過を知り、体内時計を維持しようと考えたのだが、どんどん土を食べていくうちに、深く深く地層を掘っていくうちに段々と入口まで戻るのが億劫になってきて、ある日を境にぱったりと辞めてしまった。

 

 あーダメ人間だー、あ、違ったダメ龍だーとか言わないそこ。

 指を指すんじゃない。


 だって、掘っても掘っても終わりがないんだもん!

 美味しいんだもん!

 そりゃ夢中で掘り続けるよ!

 食べ続けるよ!

 仕方のないことなんだよ!


 んで、食べ続けて気づいたことが二つあるんだよ。


 一つ目は単純に味。

 地中深くになればなるほど味がいい。

 うまみが増すとでもいえばいいのだろうか?

 土って栄養とかどうなってんだろう?

 とにかく掘り進めて、地中深くなればなるほど味や質が増してくるのだ。

 

 次に宝石、いや正確には宝石の原石か。

 これも掘り進めればするほどたくさん出てきた。

 ルビーにサファイア、エメラルドにダイヤモンドみたいなやつの原石すらあった。

 他にもいろんな鉱物がいっぱい出てきた。正直そのあたりの知識には疎いんで、名称まではわからないが、掘っても掘っても出てくる。

 ざっくざっくだ。

 これが美味い。

 普通の土や岩もかなり味が増してるんだけど、この宝石に比べれば霞んでしまう程に美味いのだ。

 きっと竜にとっては栄養価が高いのだろう。鉱石の方が。


 それにこの宝石、食べればなんか体中に力が漲ってくるような気がする。

 例えば

 ルビーの原石を食べれば、体が熱くなる。

 サファイアの原石を食べれば、体がひんやりする。

 エメラルドの宝石を食えば、体が軽くなった気がする。

 こんな感じだ。

 ほかの鉱石もなかなかに美味でした。




 まあ、そんなこんなで掘り進めて、食べ進めて。

 我がマイホームは素晴らしい出来になった。

 もはや豪邸と言っても差し支えないほどだ。


 まず階層。

 現在、十階層までできております。今なお拡張中です。

 深さ的には地下百メートルくらいかな。

 これは俺が、ある程度の深さまで掘ったら、その周辺の土を食って拡張するというやり方をしているからだ。

 一層の広さは、だいたい学校のグランドくらいの大きさかな。

 吹き抜けではなく、いくつかの部屋に分けてる形にしてある。

 じゃないと、地盤が緩くなって崩れてしまうかもしれないからだ。

 前世での建築関係の知識がこんなところで役に立つとは思わなかった。

 社畜時代は設計に関する知識をアホみたいに叩き込まれたからなぁ……。

 まさかそれが役に立つとは思わなかった。


 だが、まあ結構適当に作った部分もあるけどね。

 どちらかと言えば、蟻の巣かモグラの穴と言った方が正しいかな。

 自分の家だし、俺は全部覚えてるけど、知らないやつが入ってきたら確実に迷うであろう複雑な作りになってしまった。


 3LDKと言っていた頃が懐かしい。

 掘って掘って、食べて食べて、気づいたらこんな立派なマイホームを築いちゃいました。

 てへっ。

 

 ついでに各階層にちょっとしたインテリアも作ってみた。

 岩を削って作った石像だ。

 食べるか掘る以外に娯楽のない地下生活で、何かできることがないかなーと思いついたのが、この石像作りだ。

 これが意外と楽しい。

 最初のうちはうまく石が削れなくて、失敗作をいくつも作ってしまった。

 だけど作ってるうちに、コツがわかって色々な形のものが作れるようになった。


 人型に、犬のような四足歩行型、俺と同じ竜の形をしたモノ。

 蛇型に猫型と様々だ。目には宝石を埋め込みリアリティも追求した。

 

 ちなみに現在は千手観音のような石像にチャレンジ中だ。

 大きさは階層の高さギリギリの八メートル。

 今までで最大の大きさの石像だ。

 細部にも宝石や鉱物をふんだんに使い、とっても美味しそう、もといとても良い出来になってきた。

 いやー、俺って意外と凝り性だったんだね。



 それにしても、最近定位置に置いてあった石像が、いつの間にか別の場所にあったりするんだよなー。

 俺いつの間に動かしたっけ?


節子それ石像やないゴーレry

主人公が気づくのはだいぶ先のお話

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