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地龍のダンジョン奮闘記!  作者: よっしゃあっ!
第四章 二度目のダンジョン

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7.いい加減学ぼうよ……

 タイトル通りのお話


 ユグル大森林の魔物たちの協力を取り付けることが出来た。

 予想外だったが、結果として良しとしよう。


 それにこれは新しいダンジョンを作る上で、非常に都合がいい。

 ユグル大森林全体が使えるならば、現状考えてるダンジョンよりもいいものに仕上がりそうだ。

 そう考えて寝た。


 んで、次の日。

 俺は今エルド荒野のダンジョンに戻ってきている。

 理由は単純。

 魔石を掘りに来たのだ。


 アンの子蟻達に持ってきてもらった魔石のストックだけではユグル大森林の魔物たちに行き渡らせるには全然足りないため、こうして掘りにやってきたわけだ。

 といっても、向こうの魔物の数は、凄い多かったからなー。

 流石に全部は無理か。

 まあ、掘れる分だけ掘って持っていこう。

 何事も始めが肝心だ。

 最初に大盤振る舞いしとけば、向こうの印象もいいものになるだろう。


 と言う訳で、再び魔石を掘る。


 ザクザクザクザクザクザクザクザクザクザク。

 ボリボリボリ、ゴクン。


 ………はっ!ついつまみ食いしてしまった。


 いかんいかん。

 それから一時間ほど、俺は魔石を掘り続けた。

 掘った魔石は放り投げて、一箇所に積み上げてと……。


 ザクザクザクポイッ。

 ザクザクザクポイッ。

 ザクザクザクポイッカンッガチャ。

 ザクザクザクポイッ。

 ザクザクザクポイッ。


 単純作業の繰り返しだ。

 うん、無心になりたい時には良いかもしれない。


 『ふう、こんなもんかな』


 目の前にあるのは俺の身長と同じくらいに積まさった魔石の山。

 正直、食べたいという欲望を抑えるのが大変だった。


 かなり掘ったなー。


 おかげで深層エリアがだいぶ広まった。

 とりあえず錬金で持っていくための籠を何個か作ってと……。

 子蟻達に魔石を積んで持っていくように指示。


 『ここにあるやつを“全部”運んで、ユグル大森林の魔物たちに食わせてやってくれ』

 

 ん、一匹の子蟻から信号だ。

 なになに………『“この魔石”の分配はどうすれば良いのか』だって?

 子蟻達が魔石の一部を指差している。

 うーん、細かく分配するのも面倒だしなぁ……。

 

 『アンの裁量で決めちゃっていいよ。森の方はアンに任せてるから』


 丸投げは基本。


 ん?

 再び『“この魔石”も本当に持って行っていいんですか?』と信号が届く。

 なんかやけに確認してくるな。


 『良いって良いって。“全部”持って行って構わないから』


 掘り返した魔石は全部いつも通りのヤツだし。

 特殊な奴があるわけじゃないし。

 子蟻達は頷く。

 これでよし。


 子蟻達は指示通りに、山の様な魔石を籠に入れて転移門を潜ってゆく。

 あ、エリベルに頼んで、深層にも転移門を作って貰った。

 なんか転移門の設置には莫大な魔力が必要って言ってたけど、簡単に作ってくれた。

 

 なんでも、魔力の回廊を通じて俺の魔力で代用したらしい。

 でも、全然疲れてないんだよな俺。

 意外と転移門に必要な魔力の量ってそんな大したことないんじゃないのかな?

 転移門作り終わった後、エリベルがぽかーんとしてたけど、まあ気にすることでもないだろう。


 さて、ゴーレム作りを再開するかな。

 その後は夢中になって俺はゴーレムを作り続けた。


 そして、夢中になっていた俺は、ある事に気が付かなかった。


 その事に気が付いたのは、数時間が経ってからだ。



 『ふぃ~……だいぶ作ったなぁ……。よし、一旦休憩にするかー』


 デッサン人形タイプはホント作るのが楽ちんだ。

 もう何十体も作ってしまった。


 『お、魔石も全部運ばれたみたいだな』


 子蟻達によって、魔石も全部運び出された後、休憩しようかなと、周囲を見渡した時、俺はそれに気が付いた。


 ん?

 あれ?

 俺は、もう一度それを見る。

 ………無い。

 

 『…………この箱に入れてあった“進化の魔石”の残りどこにいった?』


 確か、錬金で作った箱に入れてここに置いておいたんだけど……。

 その箱が空いている。

 何で開いてるんだ?

 しかも、中身が無い。

 おかしい、まだ二個位入ってた筈だ。


 『あれ………?』


 自然に開くようには作っていない。

 箱をよく見て見る。

 留め具の部分が緩くなってる。


 ………まさか、この間の戦闘で、蓋が緩くなっていたのか?


 そう言えば、この箱の近くに掘り返した魔石の山があったような……。

 俺掘った魔石を、放り投げる形で置いてたけど、魔石を投げてた時、変な音が混じっていたような気が………。

 そう、例えるなら、何かが開くような音が……。


 もしかして、投げた魔石の内のどれかが蓋に当たって、その拍子で蓋が開いて、中身が出てしまったとか?


 『…………いやいや、でもそんな……』


 ………あり得る。


 俺なら、十分にあり得るところが何とも言えない。

 そう言えば子蟻達も何度も確認してたな……。

 アレはもしかして、この『進化の魔石』の事だった、とか?


 嫌な汗がだらだらと出てくる。


 『……………まさか』


 俺は猛烈に嫌な予感がした。

 既にあれから数時間は経ってる。

 俺は急いで転移門を潜り、ユグル大森林に向かった。




 一方、ユグル大森林にて――――


 アンは子蟻達が運んでくる魔石を眺めながら指示を出していた。

 洞窟前を開拓し、広場の様なスペースを作ったのだが、そこはもう魔物体で埋め尽くされていた。

 その魔物たちは列を成し、子蟻達から順番に魔石を受け取っている。

 まるで炊き出しの様だ。


 『魔石は順番に受け取って下さい。横入りはなしですよ』


 森の魔物たちは夢中で魔石を食べている。

 その景色を、アンは感心した様子で見ていた。

 

 『流石アース様です。血を流さずに、彼らを手中に収めるとは……。それに比べて私は……最初から、力に訴えるとは。まだまだ、修行が足りませんね』


 後でもう一度、森の魔物達とも腹を割って話をしようとアンは思った。

 昨日までは敵だったが、今はともに主を守る仲間なのだ。

 ならば、今度はキチンと話が出来る筈だと。

 大森林の魔物達と互いに手を取って、アース様を守る日々を夢想してアンの心は弾んでいた。


 『本当に夢のような日々です……。ふふ、今の私を母が見たら何というでしょうね』


 アース様の眷属となる前の引き籠っていた自分。

 それを叱咤し、たった一匹で外へ放り出した母。

 あの母が今の自分を見たら、どう思うだろうか?

 アンはちょっとだけ昔の事を思い出した。


 しばらくして、一匹の子蟻がアンの元へと近づいて来た。

 何事かと思ったが、アンはその子蟻が持ってくる魔石に見覚えがあった。

 そして、子蟻達はアンへ、その魔石を渡す。

 

 『これは………』


 子蟻達が運んできた魔石を、手に取ってよく見る。

 見間違う筈が無い。


 これは『進化の魔石』だ。

 

 子蟻達が持ってきた『進化の魔石』は二つ。

 すぐさま、子蟻達に確認を取る。


 『アース様はこの魔石も、彼らに与える様にと?』


 子蟻達は頷く。

 『あそこに在ったモノを“全部”をユグル大森林の魔物たちに食わせてやれ』とアース様は言っていた、とそのままアンに伝える。

 ならば魔石の隣に無造作に置いてあった『進化の魔石』も当然そうだろうと。

 何度も確認も取ったから、間違いないと子蟻たちは言った。


 この森の頂点に君臨する魔物は四種類だ。

 四種族の内の何れか二種族の長を進化させる、という事だろうか?


 『………どの魔物に食わせるかなどの指示は有りましたか?』


 子蟻達は答える。

 アース様は『アンの自由に決めちゃっていいと』仰っていたと。

 聞いたままをアンに伝える。

 子蟻達はアンに対して嘘をつくことは絶対に無い。

 ただ指示されたことを、確実にこなすし、伝える事はそのまま正確に伝える。

 だが、正確に伝えすぎてしまうし、細かい指示をしないと命令を完全に鵜呑みにしてしまう。


 『成程……』


 アンは考える。

 『進化の魔石』の効力は凄まじいの一言だ。

 何せ自分もその力を体験しているのだから。


 その上、エリベルの話では大量に高純度の魔石を摂取しながら食べることで、その死亡率を大幅に下げることが出来ると、後から聞いた。

 

 『問題はどの種族にするか、ですか………』


 しかしこの四種のうち二種だけを特別扱いにするのは、後々問題になりそうな気がする。

 今までのパワーバランスを崩す行為だ。

 それならば………。


 アンは一旦洞窟に戻り、エリベルへ思念通話を送る。

 

 『エリベルさん、アンですが確認したいことがあるんですが――――』

 



 そして―――――


 俺は急いで転移門を潜って、ユグル大森林に向かった。


 そして、転移門を潜った瞬間感じた。

 莫大な魔力の波動を。

 それも、複数。


 うわぁ…………進化、しちゃったかー…。


 俺は恐る恐る洞窟を抜け、外へと出る。


 そこには、他の魔物とは一線を画す魔力を持った“四体”の魔物がいた。


 ……四体?


 進化の魔石の在庫は二個だった筈だけど……?


 『あ、アース様!来てくださったんですか!』


 俺の姿に気づいたアンが近寄ってくる。

 

 『見て下さい、彼らを!皆一様に力をつけ、アース様の為に力を尽くす所存です』


 アンは嬉々として彼らの事を語る。

 魔石を食ったのは、やはり昨日会った四種族の長たちの様だ。


 デッド・スネイクは王級下位のヴェノム・ヒュドラに。

 レッサー・フェンリルは将級上位のアーク・フェンリルに。

 レッド・モンキーは将級中位のブルー・モンキーに。

 グラトニー・スパイダーは将級上位のシニスター・タランチュラに。


 それぞれ進化したそうだ。

 蛇に至っては王級まで進化したのか……。

 だが、どうしても気になる事があった。


 『なあ、アン。どうして、四体も進化してるんだ?確か、『進化の魔石』は二つしか無かった筈だけど?』


 『ええ、なのでそれぞれの魔石を二つに割って、彼らに与えました』


 『割った!?』


 アレって割っても有効なの!?


 『はい。エリベルさんに確認したところ、二つに割るくらいであれば、その効果は有効との事です。ただ、進化の度合いはかなり下がってしまうみたいですが、いずれかを選ぶよりかは、四種族全てを進化させた方が、後々の統治に都合が宜しいかと思いまして』


 あー、確かに。

 どれかを特別扱いしちゃったら、問題になるか。

 時間が経って差が出てくるならまだしも、昨日の今日で一気に差をつけちゃったらマズイか。

 て、いやいや、問題はそういう事じゃなくて。


 『それに、彼らは元々が上級や将級の魔物達です。進化の度合いが下がってもその力は凄まじいものになります!これでより一層アース様のお役にたてます!』


 実際、私と同じ王級下位程になってる魔物もいますし、とアンは嬉しそうに語る。

 仲間が出来て嬉しいのだろう。


 『皆の者!これからアース様の為に力を尽くせー!!』


 アンが号令をかけると、森の魔物たちがウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!と叫ぶ。

 

 うわぁ…………。


 『はは……ははは……』


 嬉々として語るアンと張り切る大森林の魔物達に、俺は乾いた笑しか出てこなかった。


 ちなみにこの四種族は森の代表として、アンの親衛隊となった。


 順調ダナー……。




 ちなみに、『進化の魔石』のストックが無くなった事を、エリベルに言ったら、めっちゃぶたれた。






 ちなみに進化した四種族の長は全員雄です。

 アンさん逆ハー状態。



 ちょっと補足:進化の魔石について


 進化の魔石はその魔物が持つ伸び代によって進化する度合いが変化します。アンやぷるるが最下級から一気に王級、災害種に進化したのは彼女たちがアースの眷属となったことで、かなりの潜在能力を手に入れたからです。

 森の長たちは既に強さの円熟期に入っていたため、将級下位→将級上位等の進化に収まりました。あと、彼らはまだ正式に眷属となっていません。

 エリベルさんの場合は、復活したてで、魂と肉体が不安定だったため将級程度の進化で収まりましたが、本来もう数日経ってから使用していれば、一気に神災級に進化していました。惜しい事をしたね

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[良い点] 地龍さんが進化の魔石使ったらどうなるんだろ まだ幼体だし魔術知識だけならあるし伸びしろすごいんじゃなかろうか
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