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地龍のダンジョン奮闘記!  作者: よっしゃあっ!
第三章 龍殺しと眷属との絆

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15.地龍VS龍殺し

 注意

 現在、地龍さんは、お薬の影響で精神及び性格が“反転”しています。

 その事を念頭に置いてから、お読みください。

 でないと、誰やお前!?と突っ込みを入れてしまう事になります。

 『ぶっ殺してやるっ!!』


 俺は力を込めて地面を蹴る。

 その勢いのままに、目の前の男へ突撃し、思いっきり爪を振るう。

 男はそれを避けない。

 聖剣を前方に構え、片手を峰に添えてガードする。

 ズドンッッッ!!!!!!と。

 爪が剣に当たった瞬間、ものすごい衝撃が発生する。

 俺達を中心に地面が割れ、振動がフロア全体を揺らす。

 もう一撃、空いた方の手で追撃を仕掛けるが、今度は、男は地面を蹴って後ろへ避ける。

 ちっ、避けたか。

 

 「へぇ……すごい……力だ……ねぇっ!!!」

 

 そのまま男は剣を振るう。

 レヴァーティンの遠距離斬撃拡張能力か。

 さっきまでは、テンパってよけれなかったけど、今は違う。


 避けられる。


 俺は左に体を捻って斬撃を躱す。

 飛ばされた斬撃はそのまま壁に激突し、岩を砕く。

 砕けた岩はそのまま奈落へと落ちてゆく。


 『ちょっ……!痛っ!瓦礫が……瓦礫が落ちてきてる………ふぐぉっ!』


 エリベルが何やら叫んでいる。

 今は後回しだ。

 しかし、この斬撃……成程な。

 聖剣本体での直接攻撃に比べれば、遠距離の斬撃はスピード、パワー共に格段に落ちるみたいだな。

 この辺りは俺が造った劣化版聖剣レヴァーティンと同じか。

 トレスみたいな例外でない限り、その効果は変わらないようだ。


「おぉ!避けたねぇっ!」


 攻撃をかわされたにも拘わらず、男の顔には笑みが張り付いていた。

 気持ちの悪い男だな。

 ………とりあえずは現状の把握に努めるか。

 冷静になった今なら、問題なく物事を見極められる。


 『さて、気分も落ち着いたことだし……改めて聞こうか。冒険者の男……なんで、俺のダンジョンをぶっ壊した?目的は何だ?』

 

 俺は目の前の男に思念通話を飛ばす。


 「ん、この声……さっきの声と同じ。もしかして、君が飛ばしているのかい?」


 『そうだ』


 すると、男は驚いたような表情を浮かべるが、直ぐに笑った。


 「へぇ、すごいねぇ!喋ったり、会話が成り立つなんて、魔物の中でも滅多にいないんだよ!そのサイズから見て、君はまだ成体じゃないんだろう。それなのに、そんな高度な知性を備えているだなんて、驚きだねぇ」


 とても楽しそうに男は喋る。

 ていうか、


 『質問に答えろよ』


 「あ、そうだったね。なんで僕たちがここに、君たちのダンジョンに来たのかだったね。そうだねぇ、個人的な理由が二つと、お国の理由が一つ、かな」


 指を三本立てながら、うんうんと男は頷いて答える。


 「僕個人としては、パルディーちゃんの敵討ち、それと地龍がいるかもしれないって情報を手に入れたからだねぇ。お国の理由としては、災害指定種の討伐が理由かな」


 『敵討ちだと?』


 「そう。前にこのダンジョンに冒険者たちが来たはずだよ。その子達の敵討ちさ」


 冒険者………そういえば、アンが侵入者を始末したと以前報告していたな。

 平時の俺はスルーしてたみたいだけど。

 つーか、平時の俺、危機感無さすぎだろ……。

 そんな報告上がってたのに、のんびり魔石食って寝てるだけだったなんて。


 マジ、ないな………。


 そりゃアンやウナ達が頑張るわけだよ。

 ある意味すげぇわ、普段の俺。


 それに、災害指定種の討伐……思い当たるのは……アンか。

 俺を討伐するなら、“災害指定種の討伐”なんて言わずに“地龍の討伐”って言うだろうしな。

 この男の口ぶりからすると、俺の方は個人的な理由っぽいしな。

 確認してみるか。


 『……インペリアル・アントを討伐に来たと言う訳か』


 「その通り。国としても過去にインペリアル・アントに受けた被害は甚大だったからね。叩けるうちに叩いておきたいってことみたいだねぇ」


 『成程な……』


 でも、それだけで、この荒野まで?

 確か記録あったインペリアル・アントの最後の目撃例は四百年以上前だった筈だぞ?

 そんな昔の記録を頼りにこのエルド荒野に?

 王級の魔物が……アクレト・クロウや白飛龍が、うようよ居るにも拘わらずか?

 この世界の人間は、それだけ強いのか?

 いや、ウナ達の情報だと、王級に対抗できるのはSランククラスの実力が無いといけなかった筈だ。

 つまり、この国の軍はそれだけの力を持っているのか?

 それだけアンの存在を、国は危険視していたのか?

 なんか違和感があるな……。

 ちょっと、探りを入れてみるか。


 『よくまあ、アクレト・クロウや白飛龍がいるに、わざわざ蟻の討伐のために、このエルド荒野までやってきたもんだな?』


 どうだ……?

 すると、男は意外にもけらけらと笑っていた。


 「ははっ!それは僕も驚いたんだよねぇ。いくら災害指定種の発生とはいえ、こんな魔境まで討伐軍を派遣するだなんて……さすがにちょっと違和感があったけど……まあ、僕としては関係ない事さ」


 そこで男は一旦言葉を区切る。


 「軍が出ようと出まいと、僕としてはどっちでもよかった。どっちにしたって、僕はベルディーと一緒にここに来るつもりだったからねぇ。今回は軍が動いたから、立場上僕ら冒険者も、それに足並みをそろえたってだけさ」


 作戦考えたのは僕だけど、とそう言って男は聖剣を再び構える。


 「さぁ、おしゃべりは此処までだねぇ。続きを殺ろうか……」


 ちっ、これ以上は聞き出せそうにないか。


 男は地面を蹴って、再びこちらへ向かって来る。

 俺は正面からの激突を避け、その瞬間に、男へ尻尾による攻撃を加える。

 だが、男は躱す。

 そのまま後ろに飛び、壁を蹴りつけ、再び加速。

 ブンッ!と剣を振り、再び斬撃を飛ばす。

 それも今度は複数だ。


 マジか、連射も出来るのかよ!

 全部避けるのは無理か。

 身体を丸め、転がるように斬撃を避ける。

 だが、二発。尻尾と左足に当たる。


 『ぐっ……!』


 激痛。

 でも、痛がっていられない。

 すでに、男はこちらの直ぐそばまで迫っている。

 回避先を予測していたのだろう。

 流石に、実戦経験の差が違う。

 咄嗟に俺は左腕でガードする。

 同じ傷がつくなら、無傷の右腕よりも、既に傷ついてる左腕の方がいい。

 こんな判断、さっきの俺なら絶対出来ないな……さすが“地龍の背骨の粉末”

 素晴らしい効果だ。


 『ぐっ、があああああああああっ!!』


 鱗が砕け、聖剣が左腕にめり込む。

 でも、その瞬間に、空いている右腕でカウンターを入れる。

 男はとっさに剣を引き抜き、後ろへ下がるが避けきれなかったようだ。

 肩から血が溢れる。

 その傷口を男はしげしげと眺める。


 「ははっ!ははははははははははははははは!!!」


 突然目の前の男は狂ったように笑い出した。

 何だ一体?


 「はぁ~楽しいねぇ。……やっぱり龍と戦うのは、本当に楽しい。……良いね、すごく良い。やっぱり、こうでなくちゃ戦いは面白くない……!」


 ……何を言ってるんだこの男は?

 一頻り笑い、男はこちらを見る。


 「地龍さん、そういえば、自己紹介が、まだだったよねぇ?僕はヴァレッド―――“龍殺し”のヴァレッド・ノアードていうんだ」


 ん?

 なんだ、いきなり名乗り始めたぞこいつ?

 というか、龍殺しだって?

 こいつ、龍を殺したことがあるのか?


 「良かったら、君の“名前”を教えてくれないかなぁ?これだけ強いんだ、名前くらいあるだろう?」


 『…………ないな』


 「え?」


 『“名前”なんてない。俺はただの地龍だ。“名前”なんてねぇよっ!』


 そう叫んで再び俺は目の前の男、ヴァレッドに突撃を仕掛ける。

 だが、躱される。

 そのまま、男は俺から距離をとる。


 こいつ……こっちの動きに慣れてきやがった。


 身体能力は俺の方が勝ってるかもしれないけど、実戦経験の差がありすぎる。

 これは………ちょっときついな。

 いくらなんでも、初戦でこんな相手と戦うだなんて。


 「そうかい。残念だねぇ……。せっかく殺すんだ。名前くらい知っておきたかった……」


 そう言ってヴァレッドはすでにボロボロになっている上着を脱いだ。

 先ほどの攻防でヤツの服はボロボロだ。


 妙だな。

 よく見ればあいつ……ヴァレッドは防具を一切身に着けていない。

 さっきから使っているのも聖剣一本だけだ。

 とてもじゃないが冒険者っていう服装には思えないな。


 「ふう、やっぱ服は邪魔だねぇ……。動きが乱れる」


 服の下から鍛え抜かれた肉体が現れる。

 そして、その体にはカラフルな様々な“刺青”が施されていた。


 『……なんだ?あの刺青?』


 ヴァレッドの体に施された刺青には全く統一感が無かった。

 色も形もばらばらで、赤や青、灰色や白もあるし、大きさもてんでバラバラだ。

 ただ、強いて言うなら、どれも爪や牙の様な形をしているという事か。

 その刺青が一つ一つ淡く光っている。

 何だ、あれ?


 『ん?地龍どうしたの?』


 俺の異変を感じ取ったのか、エリベルが思念通話を送ってきた。


 『エリベル、目の前の男の情報を何か知らないか?あいつの体、カラフルな刺青が至る所に掘ってあるんだ。名前はヴァレッド・ノアード。龍殺しって自分で言ってた』


 『刺青……龍殺し……ノアード…………まさか、龍殺しのノアード家っ!?』


 エリベルの驚愕した声が響く。


 『知っているのか、エリベル?』


 『勿論よ。私がまだ生きてた時の話になるけどね。ノアード家っていうのは、長い家歴を持つ、ボルヘリック王国の三大貴族の一角よ。代々龍を殺すことを生業としている特殊な一族なの。彼らは、龍を殺せるだけの高い戦闘能力を生まれつき備えてるんだけど、それ以上に特殊なのが、彼らの一族は、殺した龍の魂と魔力を体内に封じ込めることが出来るのよ』


 エリベルは衝撃的な情報を口にする。


 『マジかよ……何だそりゃ?』


 『言葉通りよ。殺された龍の魂と魔力は、龍殺しの肉体へ取り込まれる。その異能力と戦闘能力の高さから、昔から貴族の中でも、別格の扱いでね。そうでもなきゃ、“ダンジョン破壊能力”なんて物騒な聖剣を、王家が一個人に持たせるわけがないでしょう?ま、どうせ極秘扱いになって、知ってるヤツなんて殆ど居ないでしょうけどね』


 『随分詳しいな』


 『当然よ。私のレーベンヘルツ家だって、一応当時は、ボルヘリック三大貴族の一角だったしね。ま、私は勘当された身だけど。しかし、二百年たっても向こうは没落してなかったようね……レーベンヘルツ家はどうなっているのかしら?』


 『そうかい。有難うなエリベル、助かった』


 『いえいえ、どういたしまして……て、アンタが素直にお礼言うのってなんか、気持ち悪いわね……』


 『だよな、俺もそう思う』


 お薬効果万歳。

 そこで俺は話を終わらせる。

 何はともかく、ヴァレッドが何かしようとしてるのは確かだな。


 「………いくよ、“龍殺し”発動!」


 次の瞬間、ヴァレッドの体が強い光に包まれた。

 これは………。

 この光はまるで、進化の魔石の光に似ている。

 ヴァレッドの魔力が膨れ上がってゆくのを感じる。

 体内に殺した龍の魂と魔力を封じこめるか………もし、その力を自在に引き出せるなら。

 パワーアップかよ。


 そんなの待つわけないだろ!


 即座に俺は攻撃に移る。

 光の中心に向かって爪を振るう。

 中心に居たヴァレッドは避けなかった。

 直撃だ。

 そのまま弾かれて、壁に激突した。

 

 だが、ヴァレッドの魔力は消えない。

 ちっ、仕留めそこなったか。


 「ふぅ~……痛た……。普通、変身の途中に攻撃するかねぇ?様式美ってものがあるんじゃないかい?」


 光が収まり、崩れた壁の中からヴァレッドは出てくる。

 だが、その姿は異様の一言だ。


 『おいおい……なんだよ、その姿は……』


 しいて言うなら、それは人間の体に龍の特徴を足したような姿だ。

 頭からは角が生え、尻尾が生え、それに翼まで生えてる。

 顔には変な模様が浮き出てるし、にやにや笑うその口からは鋭い牙が見え隠れしている。


 本当に人間かよ、こいつ……。


 『そいつが“龍殺し”の効果か?』


 「そ。僕らは“龍人形態”って呼んでるけどねぇ。これでも、歴代では最も龍の力を引き出せたって言われてるんだよ?一応僕は、当代の当主だからねぇ」


 龍を殺し、その魂と魔力を体内に封じ込め扱うことが出来る血統か。

 俺の“暴食”なみに反則的な力だな。

 こいつらにとって龍とは、恐れる存在じゃなくて、狩る獲物だってことか。


 「今、僕の体内にいる龍の数は全部で十四体。ま、僕が引き出せる力はそのうちの三体くらいまでだけどねぇ……それでも――――」


 ヴァレッドの姿が消える。

 目で追いつけない。

 身体能力が格段に上がってる。

 魔力感知を発動。


 ――――――後ろか!


 「――――今の君よりかは……強いんじゃないかねぇっ!」


 反射的に俺は尻尾を振るう、

 だが――――――


 「軽いねぇッ!!!」


 ヴァレッドは俺の尻尾を難なく掴む。そして、そのまま体を滑らせ、俺の懐へ潜り込む。

 ヤバい!

 聖剣から感じる魔力が、先ほどとは桁違いだ!

 龍の力で聖剣の能力を底上げしてるのか!


 「聖剣レヴァーティン斬撃最大強化!」


 ――――――マズい!

 俺はとっさに全身の魔力を前方に集中させる。


 ズドンッッ!!!

 けたたましい轟音。

 ざっくりと胸を切り裂かれ、その反動でそのまま、俺は壁に激突する。

 そのまま壁を突き破り、隣のフロアまで飛ばされ壁に数メートルめり込んでようやく止まった。


 くっそ、斬撃の音じゃねーだろ……どう考えたって。

 

 『ぐあっ……』


 俺の体はあちこちボロボロだ。

 唯一無事だった右腕も傷だらけで、鱗はあっちこっち剥げて、血が溢れている。


 『ちょっ!?地龍!大丈夫なの!?ちょっと―――』


 エリベルの声が聞こえる。

 くっそ……いきなり強くなるなんて反則だろ……。

 こっちは、ただでさえ実戦経験皆無なんだ。

 それを身体能力や魔力で無理やりカバーしてようやく戦えてたのに、その身体能力でも並ばれたら勝ち目がない。

 ズキズキと、傷が痛む。

 まずいな……このままじゃジリ貧だ。

 勝ち目が………ない。


 「まだ、生きてるだろう?さあ……続きを……戦いをしようか?」


 ヴァレッドの声が響く。

 ゆっくりとこっちに向かって来ているようだ。

 余裕構しやがって……。

 どんだけ戦いが好きなんだよ……。俺には、理解できないわ。


 『がはっ……げほっ……げほっ』


 せめて、こっちにも強力な武器があればいいんだけど……そんな都合よく武器なんて転がってる筈が無い。

 そもそも、そんな強力な武器どころか、素材だって………。


 そこで、ふと、思いつく。


 ―――――――――――――あ。


 ある。

 あるじゃないか。

 てっとり早く強くなる方法が。


 そう――――――極上の“素材”が有るじゃないか。

 

 俺はとっさに魔術を発動させた。

 そして――――――――。



 じゃりっとヴァレッドが近づいてくる。

 土煙で向こうの姿は見えない。


 「土煙がすごいねぇ。ほら、出てきなよ、早く戦おう」

 

 ……油断しているな。

 でも、そのおかげで時間稼ぎが出来た。


 さて、どうなるか。

 ここからは賭けだ。

 俺は自分の腕を振る。

 

 次の瞬間だ。

 ヒュンッ!と閃光が瞬いた。

 

 「―――――――え?」


 閃光が通った個所が綺麗に切断される。

 岩も、地面も、そして――――射線上にいたヴァレッドの左腕も。

 綺麗に、斬られたことも分からなくなる程綺麗に、ヴァレッドの左腕は切断された。

 血が溢れだす。


 「ぐっ………おぉ……おおおおおおおおおおおおおおおっ!?」


 土煙が晴れ、ヴァレッドの姿もよく見える。

 その表情は苦痛にゆがんでいた。

 それでも、右手で握る聖剣は離さない。


 「ぐっ……うぅ……これは……どういう事だろうねぇ?今のは……ブレスじゃないよねぇ……!地龍にブレス以外の遠距離攻撃の手段なんて……なかった筈じゃ……?」


 ……予想以上の威力だな。

 ただ腕を少し振っただけでこの威力か。

 後で調整が必要だけど、今は関係ないな

 俺は瓦礫の中から姿を現す。


 「なっ……!?」


 そして、その姿を見たヴァレッドの顔が驚愕に彩られる。


 そうだろうね。そりゃそうだ。

 そもそも、魔物がこんな事するだなんて、前代未聞だろう。

 

 「なんだい……その爪は………まさか……っ!?」


 そうだよ。

 考えてみれば、素材なら大量にあったんだ。

 だって“俺”は、人間達の言うところの、“極上の素材”なんだから。


 「―――――まさか、“自分の体”を武器化したのかっ!?」


 そう。

 武器が無いなら、作ればいい。

 “自分の体”で。

 今まで俺は、ゴーレムや、そいつらが使う武器を、自分の脱皮した皮や爪で大量に作ってきた。

 エリベルの残した研究資料もあって、その経験は凄まじいものになっている。


 これは、その応用だ。


 俺の爪は、今や硬質的な輝きを放つ、伸縮自在の太い鉤爪のようになっている。

 ……正直、上手くいってよかった。

 その威力は言わずもがな。


 一瞬で、龍人化したヴァレッドの腕を切り裂いた。


 最上級の武具。


 肉体の“武装化”。


 それによる身体能力の底上げ。

 極上の素材である、俺だからこそ出来る、てっとり早い強化方法。


 これが俺の切り札だ。


 さあ、決着をつけようか、龍殺し。


 狩られるだけの存在じゃない。

 龍の意地ってやつを見せてやるよ。




 最後の“切り札”ってのは―――――俺自身が“素材”になる事だ

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