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地龍のダンジョン奮闘記!  作者: よっしゃあっ!
第三章 龍殺しと眷属との絆

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1.攻略本だけ買ってもゲームは語れない

第三章はじまります

視点は地龍さんに戻ります


第二章までのあらすじ

ダンジョンを順調に拡張した地龍(主人公)。その後、ゴーレムであるウナ達を町へと向かわせ情報収集し、エリベルの知識と現代知識のズレを修正していた。

そんな中、地龍はダンジョンの最後の仕上げの為に、エリベルの作った迷宮を訪れることを決意した。

 エリベルの迷宮。

 正式な名前は分からない。

 どうやって作ったのかもわからない。

 記録には載ってなかったし。

 

 分かるのは、こことは違う大陸にあり、全八十八層からなる広大なダンジョンは少なくともこの二百年、誰にも踏破されたことはなかった、ということだ。

 無かった。過去形だ。

 そう、俺が偶然にもゴール地点に風穴を開けなければ。


 エリベルの迷宮は最下層までたどり着くと、そこから転移魔術が発動し、別大陸にあるエリベルの研究所、つまり遺跡まで転移するようになっている。

 まさかエリベルもゴール地点の真上にダンジョンを構えて掘り進めるヤツがいるとは想定外だっただろう。

 ましてやエルド荒野は王級の魔物がひしめく超危険地帯だ。

 ダンジョンを作ろうという魔物なんてそうそう居ない。

 

 遺産はありがたく利用させてもらいました。



 そして今、俺はエリベルの迷宮の最下層に来ている。

 転移門を修復するにはかなり時間がかかった。

 それに多少修正も加えなきゃいけなかったし。

 何しろ、迷宮から転移した瞬間転移した場所が崩れるという鬼畜仕様だ。

 俺が戻るときにそれが発動しないように、転移門に細工を施す必要があったのだ。


 さて、それで俺はなぜ今エリベルのダンジョンにいるのか?


 理由は二つある。


 一つ目は他のダンジョンを生で見るためだ。

 エリベルの知識からダンジョンの構造やトラップ、出現する魔物等細部まで詳しくわかってはいるのだが、それでもやはり知識として知っているのと、実際に見るのでは全然違う。

 百聞は一見にしかずってやつだな。


 そしてもう一つ。

 というか、こっちがメインなんだけどな。

 それは迷宮内で入手できる“とあるアイテム”をゲットするためだ。


 エリベルのダンジョンは俺のダンジョンと違って、魔物が死ねば素材を、つまりドロップアイテムを落とすようにプログラムされているのだ。

 更にエリベルの迷宮には所々に宝箱なるアイテムボックスも放置されているのだ。

 これはダンジョン内を循環する魔力によって生成されているらしく、ダンジョン内の様々な場所に自動で出現するようになっているらしい。


 面白いよな。今度うちでもやってみようかな。

 でも、自分で仕掛けて、自分で開けるってどうなんだろ?

 完全に一人遊びだ。さびしいかな。


 それに魔力の循環システムが結構面倒くさい作りになってるんだよな。

 おまけに生成するアイテムの構成や組成方法など完璧に理解していないと生成することは出来ない。

 今の俺じゃあ、せいぜい石の剣位だろう。

 実現するのは難しそうだ。

 

 あ、話が脱線してしまったな。

 とまあ、そのアイテムの中に、俺がどうしても自力では手に入れられないモノがあったのだ。

 魔物が落とすものじゃない。宝箱に入っている方のアイテムだ。

 それも、ダンジョンに一個しかない超レアアイテムだ。

 これは自動生成されるわけじゃなく、最初からアイテムそのものを箱に入れて、設置してあるやつだ。エリベルが生前入手したものをそのまま宝箱に入れたのだろう。

 

 それで、そのアイテムを手に入れるために、今回エリベルの迷宮を訪れようと言う訳だ。

 普通なら、宝箱はどこに設置されるか分からないし、中にどんなアイテムが入っているか分からないけど、俺にはどの宝箱にどのアイテムが入っているか全てわかるのだ。


 なぜかって?


 おいおい、エリベルの遺跡の知識丸ごと頭に入ってるんですよ?


 そんなのパチンコの当たり台が分かってるようなもんだ。

 イカサマではありません。

 んで、目的のドロップアイテムは、固定で最下層の第八十八層の一角に置かれている。


 たっぷり寝たし、魔石も食った。


 『よし、いくか』


 ちなみに、今回はトレスとぷるるもついてきた。

 トレスはあの後マッハで帰ってきた。

 俺が昼寝している間に戻ってきてた。

 結構寝てたんだな、俺。

 ここ最近妙に眠い。


 というか、ダンジョンを拡張してからと言うもの、暇さえあれば寝ていたいくらいに眠いのだ。

 まあ、寝る子、いや寝る龍は育つっていうしね。


 へ、そんなことわざはない?気にするな。


 とりあえず、トレスはダンジョンに戻ってきた後、俺がエリベルのダンジョンに行きたいというと、一緒に行きたいといったのだ。


 「お父さんと一緒がいー」

 

 と言った。ふふふ、可愛いなぁ。

 ぷるるも体を震わせて『一緒に行きたいよー』とアピールしてきた。

 らぶりー。


 と言う訳で今回は三人……いや、正確には一人と二匹か。

 このメンバーでエリベルのダンジョンに向かうことになったのだ。


 さて、初めての人様のダンジョン。

 張り切って見学といきましょうかね。

 この間は結局転移門までしか行かなかったしな。

 トレスも張り切っているのか、前回外に出た時にはもっていない武器を持っていた。


 『ん?トレス、それってもしかして』


 「うん。前にお父さんに貰った剣だよー!持っていこうと思って」

 

 トレスが持っているのは、前にアンに渡したのと同じ、聖剣レヴァーティンのレプリカだ。劣化版レヴァーティンと言ったところか。

 そんなものまで持ってくるなんて、張り切ってるなぁ。

 

 トレスもぷるると一緒で楽しそうだ。

 ぷるるもトレスに『撫でてー』って感じで体を震わせている。

 この二人、マジで癒されるわー。


 二人とも随分張り切ってるな。

 まあ、初めてのダンジョン探索だから仕方が無いか。


 まあ、そう言ってもただアイテムを取って帰ってくるだけの簡単なお仕事だ。

 別に何もないだろう。


 『よし!それじゃあ、出発するか!』

 「うん!」

 「ぷるー!」


 俺達はピクニックにでも出かけるような陽気さで出発した。


 ははは、楽しい一日になりそうだ。





 ――――と思っていた時期が、私にもありました。

 直ぐに間違いに気付きました。


 そもそも、俺は重大な事を失念していた。

 目の前に、その重大な事がいる。


 「グガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッ!!!!!」


 聞こえるは絶叫。


 「わー、おっきいねー」

 「ぷるー」


 なんでお前らそんな呑気なの!?

 ダンジョンに入って三秒。

 俺達の目の前にいるのは、全長十メートル越えの巨人だ。

 エリベルの遺跡から転移したら、八十八層の最下層にある吹き抜けの大広間に出たのだ。

 それは分かる。

 どこに転移するかはわかっていたから。


 そこに待ち構えていたのがこの巨人だった。

 腕は六本あり、それぞれに剣や斧、弓を持っている。

 なにこれ、めっちゃ怖い。



 何なんだ、こいつは!?

 エリベルの知識を検索。

 該当する魔物をピックアップ!

 カモン、エリペディア!

 ……………

 ………

 ……

 …出た!こいつだ!



 『エルダー・タイラント・ゴーレム』


 推定ランク・災害指定種。八十八層フロアボス。

 通常の巨人種とは違い、知能が高く高位魔術も扱うことが出来る。

 体長は10メルド、巨人の中では比較的小型である。

 有する属性は『火』『水』『土』『風』の四属性。

 各属性の魔術は将級相当の威力を誇る。もちろん詠唱は破棄。

 また特筆すべきはその再生能力で、コアである魔石を破壊されない限りすべての部位が超速再生される。またその再生能力は身に着けているモノにも有効で、武器すらも再生される。


 獲物を見つけると殲滅し終えるまで攻撃をやめない破壊の化身。


 更に身に着けている防具は、『属性効果軽減』、『状態異常無効』、『身体能力強化』、『魔術強化』の効果を付与してある。


 魔石も常に体内で流動的に動いており、急所を突くのは困難。


 コアとなっている魔石も一つではなく、全部で十三個あり、その全てを同時に破壊しない限り完全に戦闘不能にすることは出来ない。


 たとえ龍が束になってかかっても勝てる自信がある。


 私の自信作!イエイ!byエリベル。




 あんたの自作かよおおおおおおおおおおおおおおおおおお!

 

 俺は盛大に突っ込みを入れた。


 あぁ、そうだったわ……。


 ダンジョンってゴール地点から出発すれば、最初に会うのってラスボスだったわ……。


 俺は今更ながら、当たり前のことを忘れていた。


 え?これ、マジでどうすればいいの?


 そんなことお構いなしに、巨人は俺達に突っ込んできた。





 実際にプレイしないとわからない事って一杯ありますよね。

 カミナ○平原とかヤズマッ○一回で討伐とか

 最初はあんなに辛いと思わなかった………

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