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地龍のダンジョン奮闘記!  作者: よっしゃあっ!
第二章 外界との接触

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2.地龍だって食べたくないモノはある

今日の更新はここまでです。

気付けば五話も更新してた……

 『ダンジョンマスターになろうと思う』


 低層に戻ってくるなり俺はそう宣言した。

 念話で。


 目の前には小首をかしげるキラーアント。

 先日俺の眷属になった魔物だ。

 名前はアン。

 通常のキラーアントよりもちょっと大きい。


 『は、はぁ……そうですか』

 

 困惑した表情のアン。

 蟻だから表情分かりずれーな、くそ。


 『ああ、そういうことだ。という訳でアン、お前にはこの低層のフロアボスを担当してもらおうと思う』

 

 『はいぃぃいぃぃッッ!?』


 多分アンは今驚いた表情を浮かべているのだろう。

 ていうか、先ほどからこいつの子蟻がちょくちょく俺に群がってくるんだよね。

 痛くはないけど、なんでこいつ等俺に噛みついてるんだ?

 めっちゃ踏み潰してやりたいけど、我慢だ。


 『あ、あの地龍様今何とおっしゃいました!?』


 『だから、お前に、この低層、つまり第一から第五層までの階層を統括するフロアボスとして働いてらいたいんだ』


 主に囮役として。

 肉壁。

 犠牲になれ。


 いや、死んだら多少困るけど、俺のための壁役だ。

 あ、ちょっと痛っ。

 だから、噛みついてくんなよ。マジで踏み潰すぞ、子蟻共。


 『わ、私ごときが………そんな、恐れ多い……』


 『いいや、できる。』


 そういって俺は宝石、いや魔石を取り出した。


 『ま、魔石ですか!?こんなにたくさん!それに、これは……』


 アンが驚く。

 これは遺跡の隠し扉の中に入っていた魔石だ。壁画を食べてる時に見つけた。

 まあ、そのあと極彩色の球体を食べた時に他の隠し場所とか全部わかったんだけどね。


 まあ、隠し金庫みたいな感じで、中に大量の魔石が入ってた。

 しかも知識と照らし合わせてみるに純度が相当に高い。


 更に何個か面白い“効果”を持つ魔石があった。

 これはエリベルが作った人工的な魔石だ。

 


 『食べていいぞ』


 『え?いいんですか!?』


 『ああ、構わん』


 アンが驚く。

 そりゃそうだろう。

 今更だが、俺もようやく遺跡からの知識で魔石の稀少価値を知った。


 魔石はこの世界ではずいぶん高価なものらしい。

 人族の間でも魔族の間でも高値で取引される。

 中には一つで、国一つ買えるほどの魔石もあるそうだ。

 まあ、当時の貨幣価値なんで現在ではどうかわからんけど。

 とりあえず、目の前の魔石も相当な価値が付くだろう。

 それを惜しげもなくれてやると言っているのだ。

 そりゃ驚くわな。

 まあ、俺にとってはおやつでしかないけど。

 たくさん取れるし。


 『………わ、分かりました!有難う御座います!』


 アンはゆっくりとその魔石を食べ始める。

 よーし、いいぞいいぞ。

 食え食え。

 実は魔石に一つ特殊な奴を混ぜておいた。

 エリベル印の“特別”な魔石だ。


 俺の予想が正しければ…………


 『す、すごいです!こんな純度の魔石今まで食べたことありません!あ、いや魔石自体地龍様にもらった時が初めてだったんですが、それでもこれはすごいです!何がすごいというか、もうホントすごいです!』


 ……実に頭の悪い食レポだな。

 まあ、俺も人のこと言えないけど。

 最後の一個の魔石をアンが呑み込む。

 白いこぶしくらいの大きさの丸い魔石を。


 あ、アレだ。

 例の魔石だ。



 次の瞬間、アンは光った。

 相変わらず、眩しいな。


 『うおおおおおおおおおお!これはああああああああああああああああああ!!』


 驚くアン。

 だが、俺はこの展開を予想していた。

 やっぱ、書いてあったことは正しかったな。

 

 光が収まったときそこには一匹の蟻がいた。

 もちろんアンだ。

 しかし姿形がまるで違う。

 

 体色は灰色ではなく、今度は完全な黒になった。体は更に倍近くの巨大化し、大顎の牙は三対六本に増えて脚一本一本も太くなった。さらに膨張していた腹部はシェイプアップし、細長くなった。

 腹部にはいくつものコブが出来ており、表面がドクンドクンと脈打っているのは前と同じだが、そこに籠められた魔力は、今までの比ではない。


 だが、何よりも驚くべきは腕と上半身だろう。そう、三対六本の足のほかに一対二本の腕が生えているのだ。見た目的には上半身がもう一つ追加されて下半身にくっつけたといった感じか。

 上半身のフォルムも完全に蟻のそれだが、昆虫特有の無機質さは鋭くなり、どちらかと言えばむき出しのマネキンに、虫の外骨格を張り付けたような冷徹さを感じる。

 うへぇ、キモっ。


 でも、成功だな。

 大成功だ。

 

 『わ、私は一体……?この姿は?』

 

 アン自身も体の変化に戸惑っているようだ。


 『アン、お前は進化したんだ。キラーアントではない。今のお前はインペリアル・アントと呼ばれる種だ。』


 『インペリアル・アント………?』


 インペリアル・アント。

 それは魔物図鑑に載っていた絶滅種だ。

 黒い体と三対の牙を持ち、腕が生えてる、というのが特徴と書いてあったから間違いないだろう。

 しかも、魔力の変化を見る限り、アンが進化したのはただのインペリアル・アントの女王種ではない。“高位女王種”と呼ばれる希少種だ。


 これには予想外だったが、うれしい誤算というやつだろう。


 先の魔物図鑑の中にキラーアントとインペリアル・アントに関する情報があったのでそれを利用させてもらった。

 

 インペリアル・アント。

 こいつは俺が求めている魔物の中でも最も条件に適していた。


 

 さて、なんで俺がこんなことをしているかというと、先日の遺跡で得た知識に起因している。

 それは迷宮ダンジョンと俺(地龍)についてだ。

 魔物の作った住処は全てダンジョンと呼称される。

 まあ、それはいい。


 別に俺は自分の作ったマイホームがたとえ他人に何と言われようとも気にはしない。

 問題は別にある。


 それは迷宮を作った魔物、およびその迷宮は冒険者や他の魔物を無意識に呼び寄せてしまう、という点だ。


 どうやら迷宮はそれ自体が微細な魔力を放っているらしく、それが他の生き物を呼び込んでしまうらしいのだ。


 正直おれにとっては迷惑この上ない仕組みである。

 もっともこの仕組みを逆に利用して、獲物をおびき寄せ、逆に捕食する魔物もいる。

 食虫花が甘い香りを出して獲物をおびき寄せる原理に近いな。

 ほとんどの迷宮は後者だ。

 俺のような奴の方が珍しいんだな。


 さらに俺自身、つまり地龍に関しての情報だ。

 地龍の説明に書かれていた看過できない情報。


 絶滅種。人間にとって最高級の素材で、あらゆる部位は霊薬・魔具・武器の最高級素材なる。生存個体はもはや存在せず、それゆえに地龍はどのような部分での高値で取引される。

 もしも生きている地龍が発見され次第、素材収集のため間違いなく討伐指令が下されるだろう。

 という事らしい。


 ふ・ざ・け・る・な!


 なんだこのふざけた情報!

 なんだよ、発見された瞬間、即討伐って!?

 なにそれ!?

 有りえねぇよ!?


 流石の俺もこんなこと知らされて、のんびりできるほどゆるい脳みそじゃない。


 まあ、つまりだ。

 俺がやっているのは一種の自己防衛みたいなものだな。

 俺が静かに暮らすためにアンに頑張ってもらおうと言う訳だ。



 んで、そのためのアンの強化と言う訳だ。


 使ったのはエリベルの遺跡にあった通称“進化の魔石”と呼ばれる人工魔石。

 魔物を強制的に進化させるという、とんでもない効果を持った魔石だ。


 ただ、どうやら完成はしていなかったらしく、たとえ食べても進化できる成功率は一割以下だそうだ。

 失敗すれば死ぬ。

 かなりリスキーだ。

 

 いくら強くなるためとはいえ、俺はそんなもの喰いたくない。

 死んだら元も子もないしな。


 と言う訳で、アンに食べてもらった。

 がじがじと子蟻たちが足を噛んでくる。


 うん、賭けは成功。

 よかった、よかった。



 

 『さて、アンよ、これから忙しくなるぞ』

 

 『はい!』


 アンは元気よく返事をした。


 さて、働いてもらおうかね。


 俺の平穏のために



この屑がっ!



あと、活動報告に今後について少々載せました

………感想返しが追い付かないんだ

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