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地龍のダンジョン奮闘記!  作者: よっしゃあっ!
第一章 地龍になりまして

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14.知らなくていい事も世の中にはたくさんある

今日の更新はここまです

 個体名:アクレト・クロウ

 エルド荒野に生息する王級魔物。

 平均的な大きさは成体でおよそ10メルド。

 羽を広げた横幅は40メルド以上になり、その姿は圧巻と言える。

 個体により強さはばらけるが、平均的な強さとして王級に該当する。

 主な攻撃方法は爪と嘴による物理攻撃と、龍種のブレスに匹敵しうる火炎攻撃と羽ばたきによる強力な鎌鼬だ。

 最大級のアクレト・クロウは王級を超え災害指定種に指定される。

 特徴としてはその黒い容姿と、その繁殖方法だろう。

 この鳥は雛に自分の卵を餌として与えるのだ。

 さらに、驚くべき特性として…………



 いてて。

 頭がガンガンする。

 何か変な知識がいきなり俺の頭の中に流れ込んできた。


 一体何なんだ?


 個体名………?

 アクレト・クロウ………。


 これは………多分この世界の知識だ。

 そして、この石版に書かれていた内容だ。

 俺が食べたことでその内容が頭の中に流れ込んできたとでもいうのか?


 確証がないな。

 ためしに俺は、もう一枚隣にあった石版、飛龍の描かれた石板を食べた。


 個体名:白飛龍ホワイトワイバーン

 エルド平野に生息する………


 また大量の情報が頭の中に流れ込んできた。

 間違いない。

 俺はこの石版を食べることで、そこに書かれてある知識を得ることが出来る。


 一体どういう原理かは分からないが、そういうことなのだろう。

 まあ龍だしな。そういう事もあるんだろう。

 そもそも前世の常識なんてこの世界では無意味だろうし。


 しかしこれは正直ありがたいな。

 俺はこの世界に関する知識が全くと言っていいほどなかった。


 それがこんな形で手に入るとは思わなかった。

 アン?

 ああ、あれは当てにしてない。

 蟻だし。


 よし!

 そうと決まれば、このあたりの石版を残さず食べるに食べるとしますか。

 ああ、そう考えると腹減ってきたな。

 知識が流れ込んでくるのを差し引いても、この石は絶品なんだよ。


 このあたりにあるのはおそらく魔物に関する知識だろう。

 似たような石板がいくつもある。

 だが文字だけの石版も結構ある。

 魔物に関する知識も得たいが、やはり特に知りたいのは歴史や文化、人の営みについてだ。

 この世界にも人がいるのか?というのがずっと疑問だったがこんな遺跡が残っている以上、人ないしそれに近い種族は存在するのだろう。

 知っておいて損はない。


 よし!そうと決まれば話は早い。

 ここにある石版や文字の書いてある土器や壁画。

 もろもろ全部食うことにしよう。

 そうすればこの世界のことがかなりわかるはずだ。

 遺跡の知識が今でも通用するのかっていう不安はあるけどそれでもないよりかはましだろう。

 

 さーて食うぞ!


 え?歴史的観点?

 遺跡の破壊?

 墓荒らし?


 ははは、何言ってるんですか?

 俺、龍ですよ?

 

 それからしばらく俺は石板を食い続けた。

 味もいいし、お腹も全然余裕。

 成長期だからかな。

 いくらでも食えるわ。

 

 イラスト付きの石版を食べ続けること数十枚。

 魔物に関する知識がかなり手に入った。


 とりあえずこんな感じ。

 

 この世界の魔物は階級分け、というか強さや危険度に応じてランクが決められているらしい。

 一番下から、下級・中級・上級・将級・王級・災害級・厄災級・神災級の八段階のようだ。

 で、俺の会ったアクレト・クロウと白飛龍。

 この二体は王級に分類されるらしい。

 王って言うくらいだからかなり強い分類なんだろうな。

 実際死にかけたし。

 あと、アクレト・クロウの雛たち。

 卵割ってたのって、あれワザとだったのか。

 知らずに飯を掻っ攫っていたということか。

 そりゃ親鳥怒るわな。

 今度は近づかないようにしよう。

 まあ、地下から出ないけどね。

 ちなみにアン、つまりキラーアントは下級の中でもさらに下の方らしい。

 ぷーくすくすくす。

 

 さてと、こっちの石版はどんな味がするかな~。

 ガリッ。ぼりぼり。ごくん。


 お、流れてきた流れてきた。

 知識の濁流も慣れてしまえばどうという事は無いな。

 さて、どれどれ………


 『地龍』

 災害指定種



 あ、これ俺の種族だ。

 俺はこの世界では地龍と呼ばれる種族らしい。

 大地の龍。まあ、そんな感じはしてたけどな。

 アンもそう呼んでたし。


 地龍

 災害指定種。

 “龍は様々な種類があり、その中でも地龍は最も稀少な龍王種に該当する。この種に該当するのは龍の中でも四種類だけである。”


 へぇ、スゲーな俺。



“地龍は最大級の大きさを誇り、防御力、そして物理攻撃力に優れている。 ただしこれは成体としての強さである。

 その特性は理論上どんなものでも喰らうことが出来る“暴食”である。

 これは食らえば食らうほど大きく、そして強くなる。

 個体により好みは分かれるが、総じて鉱物、岩石などを好んで食す。“


 成るほどね。この“暴食”ってのは、食ったモノの力や能力を解析し我がものとする、ていう能力らしい。

 つまり、俺が石板を食らってその知識を手に入れることが出来たのが、この“暴食”の特性故だったみたい。

 ははは、俺すごいじゃないか。

 これは調子に乗っていいんじゃないかい?

 俺は上機嫌で説明を読み続ける。



 “地龍はゆっくりと時間をかけて、成長する種族で大人になるまでにおよそ百年ほどの月日が必要となる。”


 ………地味に長いな。

 でもそんだけ寿命も長いんだろうな。

 いいねぇ、長く長くグータラ生きたいね。ふふ。


 “その長さゆえに成体になれる個体は稀で、ほとんどの個体は成体になるまでに狩られてしまう。”


 ………は?


 “地龍の素材はそのすべてが最上級の素材として知られており、皮や鱗のみならず、骨、血、内臓に至るまですべての部位が最高級の素材となっている。

 それゆえ、地龍は成体になる前に殆どの個体が乱獲され、さらに腕利きの冒険者、国によって成体すらも次々に狩りつくされてしまった。”


 …………。


 “現在地龍の生存個体は発見されておらず、すべて絶滅したものと考えられている。

 もし仮に地龍の生き残りがいた場合は、おそらく即座に捕縛ないし討伐指令が下されるほどの稀少性があるだろう。

 次に地龍の素材を使った武器、装備品についてだが………”

 



 俺はそこで一旦、知識の引き出しをそっと閉じた。



 ………うん、怖いね。

 こんなの知ったらますます外に出られないじゃないか………。

 




ようやく主人公に危機感が芽生えました

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