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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

戦国日本軍

作者: 零戦

ニコニコで戦国自衛隊を見てたらつい書いてしまいました。






 日米関係が嫌悪になってきた1941年九月、陸海軍は来るべき戦に備えて合同演習を行う事にした。

 陸軍が上陸作戦を行い、海軍が作戦を支援をするといった演習内容である。演習場所は静岡県の御前先付近で行われた。

 そして演習中にそれが起きた。突如黒い雨雲が発生して稲光と共に風雨も発生した。


「実戦さながらの演習になる」


 演習を指揮していた陸軍の司令官はそう思い、演習を続行させた。沖合いの輸送船から将兵を乗せた大発が群れをなして砂浜に突き刺さり、将兵を吐き出していく。

 そして事件は演習が終了した時に起きた。陸軍はそのまま富士裾野演習場まで武器、弾薬類を装備して徒歩での行進を行おうとしていた。

 雷が時折鳴っていたが、1255時に鳴り響いた雷はとても凄かった。証言者は口を揃えて「今まで経験した事がない雷の音だった」と証言している。

 なんと雷は集結していた砂浜に直撃したのだ。しかし、死傷者は無しである。

 死傷者は無しだ、だが行方不明が多数いた。陸軍が調べただけでも歩兵、砲兵が各一個中隊、九七式中戦車八両、九五式軽戦車六両、九四式六輪自動貨車十八両が一瞬にして消えていたのだ。

 陸海軍は直ぐに箝口令を敷いて調査に乗り出したが結局分からずじまいで行方不明者は全員殉職となりこの事件は闇の中に封印され、敗戦後に米軍が資料を見つけるまで明るみに出る事はなかった。




「大尉殿、やはり此処は日本でありますが日本ではないようです」

「……本当だな?」

「はい、住民……農民の話によれば今は永禄五年で駿河国らしいです」


 自動貨車の中で三好大尉は熱田中尉からそう報告を聞いていた。


「……永禄五年という事は織田信長の桶狭間の戦いから翌年だな」

「そのようです。駿河だと今川氏真が当主の筈です」

「……どうする熱田中尉? 戻れると思うか?」

「……可能性は低いと思います」

「自分もです大尉殿」


 熱田中尉の傍らにいた春日少尉はそう言って頷いた。


「……戻れないと仮定するなら……我々はどう行動すべきだ?」

「……いっそのこと天下を取りますか?」

「天下統一か?」

「はい、信長のより先に統一してアメリカ……外国の脅威に備えては?」

「我々の時のような状況にしないために先に手を打つのか?」

「まぁそうです」

「ですが中尉殿、ガソリンや弾薬類はどうするのでありますか?」

「ガソリンは相良油田を使えば良い。俺の知り合いが長野石炭油会社にいてな、相良油田は軽質油で精製せずにそのままで自動車が動くみたいだ」

「なら油は問題無いですね」


 熱田中尉と春日少尉はそう話すが三好大尉はまだ迷っていた。


(天下統一……か。狙うべきだろうか……信長の下でいれば……いや、逆に殺されて武器類は接収されるのが落ちだな)


「大尉殿、天下統一やりましょう」


 熱田中尉や春日少尉、他の尉官達も頷いた。これで三好大尉の腹は決まった。


「……全員を集結させろ。我々はこれより天下を取る。手始めに相良油田を占領して今川家を攻略する」


 そして彼等――日本軍は決断をして行動を開始した。ガソリン補給のため管山村一帯を占領して相良油田を確保した。


「油田確保なら燃料補給後、一個小隊を残して駿府の今川館に向かいましょう」

「よし、進軍しよう」


 三好大尉は戦車隊を先頭に駿府を目指した。勿論、駿府の今川館では大混乱に陥っていた。


「何なんだあいつらは!?」

「それが見当もつきません、大筒は多数確認し鉄の塊が動いています。それと火縄銃が何発も撃てる事くらいしか……」

「北条家からの援軍はまだか!?」

「先程使者を送ったばかりですので……」


 そうしている間にも日本軍は駿府に到着した。混乱する今川軍を他所に日本軍の砲兵隊は砲撃を開始した。


「使用砲は連隊砲一門だ」

「榴弾装填良し!!」

「撃ェ!!」


 連隊砲とも称された四一式山砲が今川館を砲撃する。放った榴弾は館に命中して着弾付近にいた人間を吹き飛ばした。


「殿を救え!!」


 少数の兵が日本軍に突撃する。しかし、三八式歩兵銃、九六式軽機関銃が待ち構えての射撃で五分と待たずに全滅をした。だがその時間稼ぎのおかげで氏真は館を脱出して伊豆の方へと落ち延びていった。


『万ぁぁぁ歳!! 万ぁぁぁ歳!! 万ぁぁぁ歳!!』


 万歳三唱の中、今川館に日章旗が翻っている。


「……これからが大変だな」

「そうですね大尉殿」


 喜ぶ兵達を他所に三好達はそう呟いた。


「やはり此処は三好家の誕生ですかね」

「……日本じゃ駄目だよな?」

「恐らく朝敵となって三方を攻められるでしょう」

「……畿内の三好家じゃなく駿河の三好家か……」

「誰もが憧れた戦国大名ですからね」

「……統治に自信が無いな」

「兵達にも政治が強い者を引っ張る必要がありますね」


 そして駿河国が戦国大名三好家が誕生した。だがそれは苦難の前途であるのは確かだろう。


「何!? 氏真殿が駿河から伊豆へ落ち延びたと?(いずれ駿河は遠江もろとも取るつもりが……作戦を変えねば)」


 三河の狸はそう思案する。


「我等井伊家は三好家に降ります」

「(井伊家当主井伊直虎……)綺麗な人だ」

「!?」


 女領主に一目惚れをする戦国大名。


「竹千代が破れて駿河の三好が尾張に侵攻したと申すか!?」

「御意」

「是非も無し!!」


 彼等の戦いはまだ始まったばかりであった。







御意見や御感想等お待ちしていますm(__)m

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― 新着の感想 ―
[一言] うんうん。 読んで良かった。
[良い点] うんうん。 読んで良かった満足です。
[一言] このまま日本統一→現代科学を実践しての世界統一まで頑張れそうだなw
感想一覧
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