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第一話:始まりの出会い

科学黙示録カイジとは違うオリジナルストーリーに挑戦してみます!

(う〜緊張するな〜、大丈夫かな〜?)

面接室の扉の前で僕は心の中でそう思っていた。

僕の名前は早乙女あすか…何処にでもいるただの少年です。

けれども僕には悩みが…、

それは背が低くてきゃしゃな体つき、女の子のような顔つき等、

まるで女の子の様な外見についてです…。

この外見のせいでよく女子に苛められたり、同性に女の子と間違えられて告白されたり、電車やバスとかでイタズラされたり等、

泣きたくなる様な(実際泣いた事もあった…)経験をたくさんしています…。

気弱な性格な僕は耐える事しか出来ませんでした…。

小学校でも中学校でも女子に苛められ、

今まで学校にはいい思い出は出来ませんでした…。

父さんは男子校にしようとしましたが、

母さんにそれでは駄目だと言われて男女共同の高校にされました…。

こうして僕は公立利根川高校を受験することになってしまいました…。

筆記試験も終り後は面接を残すのみになりました。

形式は五人での集団面接で行なわれるそうで僕は他の人よりいい返答が出来るか不安でした…。

「早乙女あすかさーんどうぞー」

ついにその時がやってきました…。僕は緊張しながら扉を開けて見ると、

すでに一人席に座っていた。

僕はその人の隣りの席に座った。

僕はチラッとその子の顔を見てみた。

柴色の髪の毛、髪を後ろに三つ編みに編んでいるその少年の顔はかわいらしい子猫の様な顔をしていて、

知らない人が見れば、僕と同じように女の子と間違えてしまいそうだった…。

その少年は僕に対してニコッ…と優しくほほ笑んだ。

僕はドキッとして顔をそらしてしまった。

後の三人はどんな人が来るんだろうと考えていたら、

「杉村太陽さーん、どうぞー」

と面接官の一人が言うと、

「ヘーい」

と返事の後大きく扉が開けられた。

大きく鋭い目付きに左頬に一本の傷跡が付いてるがかなりのハンサムの顔つきの人が、

僕の隣りにドカッと座ると、

「よぉ!色々聞かれるだろうけど、お互い頑張ろうぜ!」

と僕達二人に声を掛けてきた。

僕は、

「う…うん」

と小さな声で返事をした。

一方の少年は

「うん、ありがとう」とほほ笑みながら返事をした。

「レムス・ハウゼンバーグさーん、どうぞー」

今度は外国の人か…と僕がそう思っていたら、

「やれやれ…やっと呼ばれましたか…」

という言葉と共に、

白銀の髪の毛が耳に少しかかったこちらも童顔の少年が笑顔と共に現れた。

「さて…手短かに終わってくれればうれしいのですがね…」

少年は笑顔のままそう言うと席に座った。

「武田春信さーん、どうぞー」

と声の後、

「はっ、ここに!」

と言葉と共にかなりの美形だが無愛想な顔をした、

レムスと呼ばれた少年と同じ白銀の髪の色だが、

彼の場合は肩までかかった長髪の少年が入って来た。

彼は席に座ると、

「よろしくお願い申す」

と昔の武士のような口調で面接官達に言った。「さて、まずはあなた方のお名前と趣味をどうぞ」

と面接官の言葉の後、柴色の髪の毛の少年が立ち上がり、

「自分は佐々木炎といいます。趣味は読書です」

と言った。

「はい、次」

今度は左頬に傷がある少年が、

「自分は杉村太陽と言いまーす。趣味は…体を動かす事かな?」

と自己紹介した。

「では、次の人」

白銀の笑顔の少年は立ち上がると

「僕の名前はレムス・ハウゼンバーグ。趣味はそうですね…情報収集と言っておきましょうか…」

面接官はレムス君の『情報収集』という言葉に反応し、

「情報収集とは具体的にどんな事を集めているのですか?」

面接官の質問に、

「それは面接官のご想像におまかせしますよ」とレムス君は笑顔のまま答えた。

「はぁ…そうですか…では、次の人」

今度は無愛想な少年が立ち上がると、

「拙者は武田春信と申す。趣味は武術であります!そもそも武田家は武術において歴史に名を…」

「はい!結構です」

面接官は春信君の話が長くなると察知したらしく話を途中で遮った。

「分かり申した」

と春信君は無愛想のまま席に座った。

「では最後どうぞ」

ついに僕の番がやってきた…。

僕は

「はい」と返事をして立ち上がった。

「ぼ、ぼ、僕の名前は…」

どうしよう!緊張して声がうまく出て来ない…!

喋ろうとしようとするほど声がかすんでしまう…。

「もう少し大きな声でお願いします」

という面接官の言葉に僕は泣きたくなった…。

(ど…どうしよう…。どうすれば…)

その時隣りに座っていた少年…佐々木炎君が小さな声で、

「大丈夫…」

と僕に言った。

僕が彼の方に目を向けると炎君はほほ笑みながら、

「あすか君…落ち着いて…。大丈夫だから…。」

と僕を励ましてくれた…。

僕はその言葉を聞くと不思議と緊張がほぐれた…。

「僕の名前は早乙女あすかです!趣味は料理をすることです!」

僕は大きな声で自己紹介する事が出来た。

「はい、よく言えました」

面接官のその言葉に僕はホッとして炎君の方を見た。

彼はニコリとほほ笑んだ。

その後の質問にも僕は大きな声で答える事が出来、

こうして面接は終了した。

僕は面接室から帰る途中で炎君を見つけ、

「ねぇ!」

と話し掛けた。

「ん?何?」

と彼はほほ笑みながら返事をした。

「さっきは励ましてくれてありがとう!でもどうして…?」

僕の質問に炎君は、

「フフフ…緊張することは誰にだってあるよ…。そういう時は誰かに声を掛けてもらうと緊張がほぐれるんだよね…。理由は…君が困ってたからかな?それじゃ、お互いに合格する事を祈るよ。またね」

て答えるとそのまま立ち去っていった。

こういう人もいるんだな…。

僕はそう思いながら家へと帰っていった。

色々あった試験だけどこれがこれから始まる物語の序曲に過ぎないという事に僕は知らなかった…。

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