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エルフのお婆ちゃん


 三流酒場の丸テーブルを囲み、ガッシュ達は居心地の悪そうな顔を突き合わせていた。


「なんか…一躍、時の人って感じね。こいつら、どっから嗅ぎ付けてきたのかしら?せめてラティスは顔を隠してた方がいいんじゃない?」

「……もう、遅いです。うまく播いたつもりだったんだけど…」


 皆、その手には、何故か林檎を手にしている。

 三流酒場はかつてない大繁盛を見せていた。大して広くもない他のテーブル席は既に満席であり、傭兵、兵士、若い町娘…等々、バラバラな人種が各卓に同席し、注文した酒を飲みもせず聞き耳を立てている。


「ガッシュさん、治療は本当にいらないんですか?」

「ああ、返り血はひでえが、幸い大した傷はねえ。それに、ギャラリー連れたまま先生のとこに行けねえだろ」


 今のガッシュは粗末な木綿のシャツだけを身に付けている。血を洗い流し、部屋から出てきて見れば、安酒場のテーブルを埋めた客達に異様な視線で迎えられたというわけだ。


「ほんと、鬱陶しいよね。全員叩き出してやろうかな」

「!?」


 祀の物騒な発言に、客達がびくりと反応する。


 先程、不用意に話し掛けてきた二人の傭兵を瞬殺した光景は、まだまだ記憶に新しい。傍若無人なお嬢様も、こんなときはやたら頼もしかった。


「で、ラティス。こちらの人はフェイトさん…だっけか?」

「あ、はい…ちょっと里からの用事で……」


 ラティスの右隣に、フードを深く被った小柄な旅人が座っている。

 ガッシュ達が持っている林檎は彼女がくれたものだ。紹介された時、彼女は無言でこれを突き出してきた。


「ん、ラティスの里…?あれ?どっかでそんな言葉を聞いたような…」

「きっと気のせいですよ。ささ、今日は僕がずっとお酌しますから…」

「お、すまんな。お前に酌をしてもらうと、安酒も格別に美味くなるんだよな」

「けっ…」



 (まつり)がふて腐れた声を出すが、今夜ばかりは主役であるガッシュを苛めるつもりはないらしい。頬杖ついて他の客達に睨みを利かせている。

 ジェイルはというと、先程から無言で林檎をいじり回しては、なにやら考え込んでいるようだった。


 旅人フェイトは、そんな彼等をフードの下からじっくり観察していた。


 ラティスはこの自分を放ったらかして、ガッシュにべったりである。幾ら待ち焦がれた再会だからって、親代わりまで務めた者を蔑ろにして浮かれ過ぎだ。

 ガッシュの方も、ラティスの尊敬の眼差しにまんざらでもないようだ。

 渡した林檎を大口に放り込んで、破砕機のように噛み砕いていく。トロルの食事にそっくりだ。ツボにはまったラティスが、お腹を抱えて笑い転げた。不覚にもこっちまで笑いそうになった。


―――これが竜を倒した男か。


 想像より随分間の抜けた顔だ。たぶん頭の中身もトロルと同程度。

 だが、あの戦闘力がこの男の全てを物語っている。あのウォールという男と同様、魔族への凄まじい憎悪を糧にして得た力だ。それでいてあの性格、程良くひねた諦観、そして…迫害を受ける身でありながら人間を全く嫌っていない。

 ラティスが憧れ、惹かれた理由も頷ける。


 だが、それでも二人は再会するべきではなかったのだ。本来はその前にラティスを連れて帰るつもりだった。

 自分は奴がとんでもない怪物である事を知っている。ドラゴンの断末魔を浴びた半魔族(ハーフ・デーモン)。ゼーガの実験の被害者にして失敗作。

 最悪の事態に陥る前に、誰かが決断を下さねばならない。


 フェイトは銀髪の魔導士へと視線を移す。

 渡した林檎はお椀の上で凍らされていた。魔導士がつまらなそうな顔でスプーンを叩き付けると、林檎は粉々になった。魔導士はこれに葡萄酒を注ぎ込むと、シャクシャクとスプーンでつつき始める。

 どんな味がするのかちょっと気に…訂正…この魔導士には相当な捻くれ具合が伺える。根暗な頭の中でどんな葛藤があるのかは、大体予想がつく。

 時折、ガッシュを見ては凄まじい眼つきになる。

 どうやら、決断は彼が下すことになりそうだ。


 フェイトは執事を従えたお嬢様へと視線を移す。

 お嬢様は向かいの二人の仲睦まじさに腹を立て、右手の林檎を握り潰していた。絞り出された果汁を、執事がコップで受け止めている。

 この娘は分かり易い。欲望丸出しの野獣娘。隙あらば、ラティスを手篭めにしようと狙っている。

 だが、問題はそれだけでもない事だ。気配からして、後ろの老執事は相当な手練れだ。彼ほどの男が仕えているとなると、この娘はどこかの遺族や王族という線もあり得る。

 おそらく、王宮かどこかでラティスに一目惚れして、ここまで追いかけてきたのだろう。どのみち、ラティスの最も苦手なタイプだ。

 自分のライバルにはなりえない。


「………ふう…」


 正確無比な人間観察を終え、フェイトはまたラティスに視線を戻す。

 ラティスは渡した林檎を小刀で皮を剥き、鉄脚鳥の形に切り揃えてガッシュの皿に乗せていた。

 相変わらず器用な子だ。久しぶりに会ったラティスは、驚くほど剣の腕を高めていた。修羅のような戦いを繰り返さねば、決して辿り着けない領域。

 そうまでしてこんな男に会いたかったのかと思うと、悔しくて仕方がない。芸術的な一品を、トロル男は一言誉めただけで口に放り込んでいる。


 ムカつく!こういう無神経さが許せないのだ。一途な少年を戦友という言葉で縛り付けた大悪人。運命の友との出会いを、それと気付かずスルーする大馬鹿者!


 フェイトは思わず叫んでいた。


「ラティス!こんなトロルを餌付けする暇があるなら、少しは求婚者を気遣ってくれてもいいんじゃないのか!」

「え…」


 ラティスは目に見えて挙動不審になった。


「そ、そんな…僕は餌付けとか、そんなやましい気持ちは…」

「おい!トロルってとこ否定しろよ!!」


 ガッシュが突っ込んだ途端、空ジョッキが顔面にめり込んだ。


「アホか!ツッこむのは求婚者ってところでしょっ!?」

「「あ…」」


 祀の叫びで今頃になって気付く二人。


「はわ、あわわ…そうだった。お婆ちゃんはクールだけど、口が滑り易いのが欠点…ぁ!」


 ラティスは慌てて両手で口を塞ぐ。しかし…誰が見ても手遅れだ。


「おい!今度はお婆…」

「エルフにお婆ちゃんという言葉は無い!」


 テーブルを叩いて、凄い勢いでフェイトは立ち上がっていた。

 急な動きでローブが外れ、その顔が露になる。


「「「「!?!?」」」」


 酒場の全員が驚愕に言葉を忘れた。


「…はっ!?」


 自分の失態に気付き、フェイトが口を押さえた。


「……いや、あんな大声出した後で今更…それに耳出てるし…」

「う…」


 進退窮まり、フェイトは真っ赤な顔で立ち尽くす。


 そう…フェイトの耳は長く尖っている。髪は輝くような金色。瞳はエメラルドの煌き。伝説にあるエルフの特徴にぴったりだ。だが、皆の驚きはもっと別の事にあった。

 ラティスが二人いる。金と黒の違いはあれど、絶世の美貌が二つ並んでいる。しかも、両手で口を押さえるその姿は、鏡で写し取ったかのように同調(シンクロ)していた。



        *



「…で、あなたはラティスのお婆…じゃなくて、祖母にあたる方なわけね」


 何かに耐えるような押し殺した声で、祀が訊いた。


 彼女の仕切りに文句を言う者はいない。

 伝説のエルフを一目見ようと押しかけた野郎どもによって、酒場は一時戦場と化した。しかし、その戦場を治めたのはやはりこの娘であり、容赦のない鉄拳に打ち倒された男達の屍が酒場の前に積み上がっている。

 ちなみにガッシュもどさくさに数発殴られた。


 しかし、まるで色違いの双子である。ただフェイトの場合、ラティスと違ってほとんど表情が動かない。

 酒場の大立ち回りも、他人事のように涼しい顔で眺めていた。


「うむ。一応ラティスの父親の母にあたる。ラティスには十二回目のプロポーズをするためにここへやってきた」

「………」


 ラティスは、穴があったら入りたそうな顔だ。


「……………俺等の聞き違いってわけじゃなさそうだな…」

「ふ…不潔よ!孫にプロポーズなんておかしいわよ!」


 祀の珍しく正当な怒りが爆発した。


「我々エルフには親子という言葉はあるが、孫とか祖母なんて言葉はないのだ。我々は希少にして、旧人類の後継である進化人類(エヴォリュート・ヒューマン)――エルフだ。近親婚による遺伝子異常など、生まれる前から克服されている。重要なのはお互いの気持ちだけだ」

「我々の常識で物事を計るなってことですね」


 自分以上の年上を前に、ジェイルもやや緊張気味だ。


「でもでも、なんでラティスなのよ!エルフなら美形もたくさんいるんでしょ!」

「愚問だな。お前とてきっかけはともかく、ラティスを顔だけで好きになったのではあるまい?里ではほとんどの女エルフがこの子を狙っている。この子が来る前、恋愛には興味ないって顔をしてた連中がな。

 そう、特に長老のアプローチときたら狡猾にして大胆で」

「わああ!!フェイトちゃん、フェイトちゃん!」

「はっ!」

「………なんだか、すっげー愉しそうな里だよな…」


 ガッシュの脳裏には、伝説でさえ忘れられて久しい桃源郷(パラダイス)でも浮かんでいるのだろう。それとは正反対に、祀は欠片も余裕が無くなっていた。


「でもでも、昔はあなたも旦那だか恋人がいたはずでしょ?」


 フェイトは少しだけ遠い目をしたが、一瞬後には剣呑な光がエメラルドの瞳に宿る。


「その点に関して、私は未だに立腹している。種だけ付けて早死したあんな甲斐性なしに義理立ては無用だ。私ルールでとっくに時効も成立してる…」


 と、ここまで言いかけて、エルフ娘は急に不安顔になって尋ねてきた。


「もしかして…人間の基準でいうと私は傷物なのか?やはり、同じ顔で幾分穢れてしまった私より、他の清いエルフの方が何倍も魅力に溢れていると…」

「そんなんじゃないよ!お願いだから、胸が痛くなるような事言わないで!」


 ラティスにつられて全員が、ぶんぶん首を振った。

 ここで肯定する奴は男じゃない。それが女なら、天に唾を吐く愚か者だ。

 祀など否定しながら目尻に涙まで滲ませている。


「やい、ラティス!お前こんなに愛されて何を拒む?俺だったら、一生奴隷になってもいいと断言するぞ!この贅沢もんがあああああ!!」

「他人事だと思って、迂闊なこと言わないで下さい!!」


 泣きながら胸倉を掴むガッシュに、さすがの少年も声を荒げる。そして…迂闊な言葉はしっかり彼女の長い耳にも届いていた。


「ほう、そういうプレイもあるのだな。……ふむ。おい、亭主!紙とペンはあるか?」

「あ、あの…フェイトちゃん。今度は何を?」

「どうやら私には肉親故の大きなハンデがあるらしい。これでは里に帰っても、あのバカ長老にお前を奪われるは必至。そこで私は決死の賭けに出ようと思う」

「うわああっ!お願いだから、これ以上暴走しないでっ!!」


 詰め寄ろうとした半泣きラティスの首根っこを、ガッシュが摘み上げる。

 他人の不幸は蜜の味…。


 クールなエルフ娘は凄まじい筆速で何かを書き上げると、


「後腐れなしの夜伽お試し券を十枚発行しよう。エルフの名に懸けて誓う限定奴隷契約書だ。何を試行錯誤しても一切文句ナシ。お試し期間満了後、飽きられたり幻滅されたりしたなら潔く諦める。でも…もし…もし、男女の情が湧いたなら…里に持ち帰って末永く可愛がってほしい…」


 ラティスの顔が、怒りと恥ずかしさで真紅に染まった。


「……っ…もう、知らない!!」


 とうとうラティスは拗ねて、膝を抱え込んでしまった。

 度重なる暴走発言が許容限界に達したのだろう。俯いた黒髪の盾は、魔力障壁よりも硬そうである。


「ふぶ…」


 ガッシュが鼻血を噴いてよろめく。この男には刺激が強過ぎたらしい。

 ジェイルはただただ唖然。

 祀は虚ろな目でブツブツと…


「……今…本気でお試し券欲しいと思った私は負け犬?ああ…どこに行ったの、私の絶対優位…。人類を背負って立つヒロインなのに……全然、勝てる気しないよぉ…」


 エルフ娘の暴走は、まだ止まらない。限定奴隷&再度のプロポーズ発言直後、そわそわしていたフェイトは、もじもじと言い足した。


「あの…すまん、ちょっと訂正!子供を産んだくせに情けない話だが…経験は…その…ほとんど無くて……初回だけでいいから……優しくしてくれると…助かる…」


 少々ズレてはいるが、エルフ娘は突き抜けるほどに可憐だった。


 話の途中から鼻血が止まらなくなっていたガッシュは、戦のとき以上の血を噴いて突っ伏したまま動かなくなった。


「う~るる~ぅ……お~じょさまなのにぃ」


 (まつり)はいろんな意味で受けた敗北感に打ちのめされ、廃人になっている。


 誰かが言った。


「エルフ娘…恐るべし…」



        *



「……う~ぃく……恐るべ…しぃ…」

「ううっ…何食べたら、こんなに重くなるのぉ…」


 ラティスは酔い潰れたガッシュに肩を貸して、階段を四苦八苦しながら昇っていた。なにせガッシュは、自分の三倍くらい重い巨漢である。うっかりコケてしまうと、二度と起こせなくなってしまいかねない。


 ラティスが気付いた時、祀もジェイルもいつの間にか姿を消していた。

 祖母の出現は、皆にいろんな衝撃を与えたようで、少し申し訳なく思っている。彼女は少しそそっかしくて、天然で、悪気はないのに場を混乱させてしまうことが度々ある。

 彼女の特徴を色濃く受け継いだ自分としては、かなり複雑な気分になってしまう。


 ラティスはガッシュを部屋まで連れて来ると、ベッドに放り込んだ。

 ガッシュは、すぐに高いびきをかいて眠ってしまった。


「……………」


 少年は間抜けな寝顔に魅入ったまま動かない。 


「ガッシュさん…つんつん…」


 しばらくは、何をしても起きそうにない。


「………ちょっとくらいなら…いいよね…」


 ラティスはガッシュの左手に手を伸ばす。


 昼の戦い以降から、ガッシュの魔力の気配が無視出来ない程に強くなっていた。あまりに濃い気配が、包帯を巻いた左手から漂ってくるのだ。


 ジェイルが何も言い出さなかったのが不思議だが、友達として黙っていてくれたのだと思う。

 でも、どうしても不安が拭い切れない。せっかく会えたのに、何か強大な力が、また自分達を引き離そうとしているかのようだった。


 ラティスは緊張に身を強張らせながら、包帯を解いていった。


「そんな…嘘…」


 包帯の下には、黒々と硬質化した異形の掌があった。


 それは上級魔族の霊骸と、全く同じものだった。



        *



 三流酒場の前に、妖艶な美女が立っていた。


 娼婦のような肌も露な服装に、磨きぬかれた女の色香。全身から近づき難いオーラが漂い、瞳の奥には確固たる知性の輝きが溢れている。


 酒場の前でたむろしていた男達が、無様にどよめき、虚しい溜息を吐く。何度も手の届かぬものに魅せられて、すっかり芯を失くしてしまった者達である。


 そんな有象無象など視界にも入れず、女は二階を見上げて呟いた。


「こんな気配を垂れ流しなんて…死にたいのかしら?」




 ラティスを待つフェイトは、独りで奇異の視線に晒され続けていた。


 人間はいつになっても愚かだ。奴等にどうにか出来る存在ではないのに、エルフにちょっかいを出したがる。

 せめて、人買いに売った時の値段交渉くらい、酒場の外でやるべきだ。エルフの長い耳は、人間と比べて極めて性能がいいのだ。


 不機嫌な顔で酒を飲むフェイトに、背後から声が掛けられた。


「驚いたわ。まさか、あなたとこんなところで会えるなんて…」

「………私は少し前から気付いていた。背中の光屈折が甘いな。じきに煤けてくるぞ」

「ばれたって構わないわ」


 イリジアは突っ立ったまま、テーブルに残る血溜りを凝視していた。


「何があったの?」

「うむ。よく判らん…」

「……そう」


 固まりかけた血を指に掬って、ぺろりと舐める。


「……ふうん、そういう事ね」

「…………」


 何がそういう事なのか判らないが、きっとこれが鼻血だとは気付いてないだろう。知ればイリジアはきっと気分を害する。黙っていようと思った。


「部下の気配を辿ってきたつもりだったんだけど……どうりで落ち着かないはずだわ。まさか、こんなところに成りかけのハーフがいるなんて。興味深いわ。いったい、どこから逃げ出した実験体かしら?」

「奴は私の“想い人”の友だ。無粋な真似はよせ。それに…彼にはもう時間がない」

「ふふ…何もしないわよ。大事な仕事の途中だもの。それより、一杯付き合ってもいい?」

「仕事の途中では?」

「息抜き」

「ならば問題ない。奢ってやる」

「ふふ…エルフの奢りなんて洒落が利いてるわね」


 その意味に気付いた者はまだいないが、背中が煤け始めたのは確かだった。

 イリジアは店主に酒を注文すると、フェイトの向かいに腰を下ろした。


「…で、あなたの“想い人”ってどんな人?」


プフーッ!

 エルフ娘が酒を吹いた。


 顔に直接吹きかけられた女魔族は、まばたき一つしない。

 吹きかけたエルフ娘も、いやに冷静な瞳で見返す。


 女魔族が濡れた唇に舌を這わせる。


「…で、想い人って?」

「………く…」


 エルフ娘の無表情な顔が紅くなった。


「ふふふ…か~わいい」

「ふ、ふん…じきに会える。私達がこの国から逃げ出さない限りはな…」


 一瞬、二人の視線が交錯した。


「………ふぅ~ん……じゃ、次に会うのは戦場ね」

「そうなるな」


 店主が震える手でおいていった酒を、女魔族はエルフ娘の美貌を肴にして飲み始め、エルフ娘は手酌で淡々と飲み続ける。以降、会話は一切なかった。


 イリジアが酒場を去る時、酒場にはフェイト以外、誰一人残っていなかった。



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