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雨のあんちくしょう

作者: 布団27


若干変態な兄かもしれません。


よろしければ見ていってください


「あめ!!あめ!!ふれ!!ふれ!!もっとふれぇぇー!!」


小雨のなか、学校から帰宅すると弟のこーちゃんが居間のガラスごしにどんよりとした空に向かって必死の形相で雨乞いをしていた。


こーちゃんのこんな顔はレアだ。思わず写メを撮る


「あ、おにーちゃん!!」


二十枚ぐらい撮ったころにこーちゃんが俺に気が付いた。それにしても良い写真が撮れた。後で待ち受けにしよう。


「お帰りなさい!!」


にぱっと笑いながらこう言ってくれた。


ああ、なんて可愛いのだろうか。たびたび思うことがある。天使は実在する。しかもこんな身近に


「いまねー明日雨にしてくださいって神様にたのんでるんだー」


こんな愛らしい天使(こーちゃん)を授けてくれた両親に感謝しているとこーちゃんが今何をしているか伝えてきた。


「え、でも明日は運動会じゃない?雨になったら中止になっちゃうよ」


そう、明日はこーちゅんにとって小学校での初めての運動会。この日のために使い捨てカメラを30個買ったのに。ちなみにデジタルは高くて手が出せなかった。パソコンもないしな。


「でもぼく……運動できないから」


しょぼーんとしているこーちゃんも可愛い。頭をなでなでする。


「いいんだよ。別に。運動できるできないは関係ないよ。一生懸命頑張ることに意味はあるんだから」


「でも、やっぱりやだなぁ」


悲しそうにうつむくこーちゃん。

くそ、弟にこんな顔させるなんてお兄ちゃんの風上にもおけねぇ。

よし分かった。


「わかったこーちゃん。お兄ちゃんも明日雨にしてくれるよう神様に頼んでみるよ」


「ほんとに!?ありがとう!!」


がばっと抱きついてくるこーちゃんに俺のテンションも最高潮!!


「よし、てるてる坊主を作ろう」


「えーなんで?雨があがっちゃうよ」


「じつは青いてるてる坊主は雨を降らす効果があるんだ。いまからそれを作ろう」


「へーそうなんだ。おにーちゃんは物知りだなぁ」


キラキラとした視線に耐えかねて目をそらす。ごめんね、青いてるてる坊主は嘘なんだ。

俺、運動会で頑張ってるこーちゃんがどうしても見たくてさ。顔を真っ赤にして苦しそうに走るこーちゃんとか、負けて悔しがるこーちゃんとかカメラに収めたくて……


その後、俺とこーちゃんで青いマーカーでぬったてるてる坊主が2個出来上がりそれをつるす。


「ぼくのおやつもおそなえしよう」


こーちゃんの大好物であるぷっちんプリンをてるてる坊主の下に置く。


「これでいっそうだいじょうぶだね!!」


にっこり笑顔が戻ったこーちゃん。


明日の天気予報は快晴だ。


次の日、やっぱりというか晴れ晴れとした天気。


こーちゃんは庭でギンギンと照らしつけてくる太陽をにらんでいた。


「こ、こーちゃん」


負のオーラをまとったこーちゃんは少し怖かった。が、写メ写メと


「…………」


こーちゃんはこの負のオーラを使い運動会でなかなかの活躍を見せた。

そのため運動会が終わった後は清々しい笑顔だった。


ふう、俺も今回は色々なこーちゃんが見れて満足だ。

さて、早速今年度こーちゃんアルバム運動会編を作るかな。

しかしカメラが少し足りなかったな。来年はもっと多く用意しなければ……!!






読了感謝です。


若干どころじゃなかったかもしれないですね。

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