呪われたおもち令嬢は復讐を望まない
「まあるいわ………」
鏡を見たリリアーナの感想はそれだった。
真っ白のツヤツヤツルツルとしたゆで卵のように肌は輝きを放っているけど、もっちりと膨らんでいる。
顔を覆う桃色の髪でも隠せない大きさだ。
思わずふっと笑ってしまう。
大きな薄紫の目は変わらずキラキラと輝いているけれど、顔の大きさが大きくなった分今までよりこぢんまりして見えるのは気のせいかしら、と首をこてんと傾げた。
寝起きのゆったりとした寝間着はむちむちとした身体のせいで窮屈だ。
胸周りと腹回りはいいとして、肩と二の腕が大変な事になっている。
動いたら多分、繊細なレースと共にぶちぶちと千切れてしまうだろう。
朝支度を整えに来た侍女のメレナが、鏡の前に立ち尽くすリリアーナを見て、驚愕の声をあげる。
「おっ、お嬢様……っ!?」
素っ頓狂な声を発したメレナは抱えていた洗面器をがしゃん、と取り落とした。
声と物音を聞いた侍女長が駆け付けて、無言で状況を確認すると静かにメレナに命じる。
「すぐに片づけなさい。お嬢様、今日は学園をお休みなさった方が宜しいのでは」
「いいえ。行きますわ。でも、お洋服の用意が難しいかしら?」
それは使用人を気遣った言葉で、侍女長は静かに首を横に振った。
「ご用意ならすぐにさせます。ですが、制服をご用意するには少々時間を頂きますかと」
「そう。では日常服でいいわ。こんな風になってしまったのだもの。その位の例外は許されるでしょう」
にっこりと微笑むその姿に、片づけ終わったメレナが唇をきゅっと引き結ぶ。
「すぐにご用意致します」
リリアーナはよろしくね、と微笑んで鏡台の前に静かに腰を下ろした。
どうしてこうなったのか。
それは隣国からの交換留学生として、学園に通い始めてからの事だ。
男爵家の娘、リリアーナ・クローデルとして特待学級へ入学して、第一王子アレクシスにエスコートを受けていた。
昔馴染みという事もあって、気安く言葉をかけてくるアレクシスと思わず仲良く話してしまったのが全ての原因かもしれない。
アレクシスの側近候補のクロードは宰相の息子で、右腕だとアレクシスも言っていただけあって情報通だ。
冷たくて笑わないやつ、とアレクシスは言っていたけれど、リリアーナとアレクシスの会話にふと笑顔を見せたのに気づいた、特待学級の他の人間達が興味を持ってしまった。
リリアーナは持ち前の明るさと愛嬌で、友人の輪を広げたのである。
騎士を目指すカイはすぐにリリアーナとも打ち解けて、放課後に剣の練習をしてくれる事になり、レオナルドには魔法研究の助手を頼まれ、ユリウスには新商品の使い心地を教えて欲しいと沢山の贈り物を貰った。
ただで貰うのは良くないが、使い心地を試すという大義名分を与えられてしまっては、協力せざるを得ない。
化粧品もとても使い心地が良かったし、仕入れた一級品の茶葉は今ではお気に入りだ。
だから、贈るという言葉は無視して、きちんと店に買い付けに行かせている。
フェリクスには絵のモデルになって欲しいと言われて、放課後にその為の時間を取っていた。
勿論そのどれもが二人きりで行われるものではない。
必ず第三者を置いて、密室で二人きりなどという状況は作らないのが基本である。
でもある日、アリスという少女が現れた。
黄金色の髪に、青い瞳の愛らしい少女で、でもどこか鋭い目つきを隠さない猫というより豹のような。
「ふうん、うまくやってるのね。女主人公と同じ選択肢を選んでるの?」
「どういう意味か分かりません」
リリアーナは思ったままを伝えたが、ねっとりとした笑みをアリスは浮かべる。
「だって、こんな短期間に攻略対象達を全員落とすっておかしいでしょ。やり過ぎたのよ、貴女は」
「攻略対象?落とす?」
全く分からない、と流石に眉を顰めるとアリスは唇で弧を描くようにニタリと笑う。
「知らない振りしたって無駄、ってこと。この世界の女主人公は貴女だけじゃないのよ」
「そうなのですか……ええと、よろしゅうございましたね」
何と返して良いのか分からず、リリアーナは取り敢えずの相槌を打った。
もしかしたら病気なのかもしれないし、まともに相手をしていたら何だか突然怒りだしそうで怖かったのだ。
リリアーナの答えは、納得できるようなものではなかったらしく、アリスは目を吊り上げる。
「でもこんな初期段階でアレクシス様を落とすって、どんなチート使ったの?教えなさいよ」
漸くアリスの言う「落とす」という言葉が「篭絡する」という言葉だと気づいて、リリアーナは穏やかに反論を試みた。
「アレクシス殿下は……イザベラ様という婚約者がいらっしゃるはずですが」
「今さら良い子ぶらないでよ。そのイザベラ様も貴方に良い印象を持ってないって分かってるでしょう」
「ええ……何となくですけれど、でも何も仰らないのでどうしたものかと……」
アレクシスの婚約者のイザベラは、気位の高い公爵令嬢である。
氷の様な冷たい目で睨んでくるが、まだ何も接触はない。
嫌味というか牽制はされたことがある。
『殿下は慈悲深いですから。身分をわきまえた『ご友人』がいてくださって、わたくしも安心ですわ』
そう聞こえよがしに言われたけれど、友人なので訂正も出来ないし、身分を弁えているという言葉にされてしまってはそちらも訂正のしようもないのだ。
しかも、自分に発せられた言葉だと限定出来ない以上何か言える立場でもない。
交流を持とうにも身分差が邪魔をするので、それとなくアレクシスに誤解があると伝えるしかなかったのだ。
「わたくしの事は友人だとアレクシス殿下からお伝え頂いていると思うのですが」
「友人に見えないから言われるのよ。本当に貴女、最低。普通一人は他の人にとっておくものじゃない!?」
「他の人にとっておく、とは……」
いつから食べ物の話になったのかしら?と首を傾げると、その話の渦中の人、アレクシスが颯爽と登場した。
アレクシス・フォン・ヴァイスハルトは、憂い顔に少しの厳しさを混ぜた瞳で、アリスを冷たく見下ろしてから、ふわりとリリアーナに微笑んだ。
「何か問題でもあったのかい?」
「いえ、話が良く分からなくて…」
「アレクシス殿下、わたくしアリス・ダインと申します。殿下にお会いできて嬉しいです」
先程とは打って変わって可愛らしい微笑みと淑女の礼を取るが、アレクシスは素っ気ない。
「そうか。それは光栄だ。では、リリアーナは返して貰うよ。さあ、リリアーナ、今日はフェリクスのモデルを務める日だろう。終わるまで立ち合うからね」
「そんな、殿下。殿下の大事なお時間を使う訳には……」
「大丈夫だ。済ませねばならん仕事を熟しながら過ごすから、気にしなくていい」
アリスから遠ざけるように背を押されて歩きだすと、アリスは屈辱に顔を歪ませた顔でリリアーナを睨み付けていた。
本国でも見慣れた顔だ。
何かと異性から声をかけられれば、付随して同性の嫉妬もやってくる。
はっきり言えば、良い事より悪い事の方が多い。
かと言って無下に断るのも難しい、という状況だった。
それに友人なのは事実で、恋愛として言葉を交わしたことはない。
だから、ヴィクトリア・オーブリーという友人が出来た事には、天に感謝したものだ。
彼女はクロードに惚れ込んでおり、婚約した後も愛情表現し続けているという稀有な令嬢だった。
「わたくしともお友達になってくださらない?クロード様の事をもっと沢山知りたいの」
「え、ええ。わたくしで宜しければ」
無邪気に笑うヴィクトリアと話すのはリリアーナにとっても楽しみになった。
それに、リリアーナの知るクロードは、ヴィクトリアの愛するクロードのほんの些細な一部である。
ヴィクトリアが生き生きと語るクロードは「何それ、何処の王子様ですか!?」と聞きたくなる面もままあったが、とても微笑ましいものだった。
だから、クロード様も照れているだけじゃないかしら?とリリアーナはのんびりと思っていたのである。
こうして、リリアーナの学園生活は「婚約者を取られたと勘違いして牽制してくる人」「何だかよく分からないが憎しみを募らせる人」「婚約者の友人と認めて友達になってくれた人」と全く方向性の違う女性達に囲まれて始まったのである。
リリアーナは窮屈な寝間着を丁寧に剝がされるところで、我に返った。
「誰が、うちのお嬢様に、こんな仕打ちを……」
涙ぐむメレナに、リリアーナは鏡越しに微笑む。
「呪いを受けるのはこれで何度目かしらねぇ。死ぬような呪いじゃないのが幸いだと思うのよ」
(首謀者はアリスさんだとして、他にも色々な人が関わってるのかもしれないわね)
初回ではないから分かる、絡みつくような幾重にも重なる呪い。
でも悪いことばかりではないのだ。
呪われて容姿が変われば、異性が寄って来なくなるだろう事はリリアーナにとって歓迎すべき事だった。
複数の異性から言い寄られるという事が、それ程嬉しいものではないという事をリリアーナは知っている。
本当に大切な人は一人で良いし、その一人と強く結びつくのが大事な事なのだ。
誰かを選べば誰かが傷つく、そういう状況を楽しむ気分にリリアーナはなれない。
ましてや婚約者という決められた相手から奪うなどという事も。
でもだからと言って、友人だからと言われ友人としての範囲内での交流を避けるのも何か違う。
以前は婚約者の方も一緒に、などと誘って逆に拗らせてしまった人もいたので言い出せない。
「この呪い、解けないんですか?」
メレナがハッとしたように、大きな下着を着せてくれながら問う。
解けるには解ける。
「解けるけど、出来ればかけた人に解いて欲しいの。こちらで強制的に解いてしまうと、大きく跳ね返ってしまうのよ」
「いいじゃないですか!呪いをかけるような人なんて、その位の罰がちょうどいいです!」
「わたくしにも非が無いとは言い切れないし、もう少し様子をみたいの」
「お嬢様は、暢気すぎます……!」
暢気と言われても、何となく事情が透けて見えるから、やり返したくないというのが本音だった。
無駄に囲ってきていた異性が遠のくのも良い事だし、変わり果てたこの姿を見て婚約者達の溜飲が下がるというのならそれも良い。
問題は制服が着られない事くらいだ。
もしかしたら、好きな人でも居れば恥ずかしくて外に出たくないと泣き叫んだかもしれないけれど。
幸か不幸か、そんな相手はまだいない。
(愛するお相手がいないなんて……私の方が余程不幸じゃないかしら!?)
思わぬところで不幸に苛まれつつも、リリアーナは制服が用意出来るまでと学校に許可を取り日常服で登校する事にしたのである。
馬車から降りると、早速色々な所から視線が突き刺さる。
好奇の視線や侮蔑の視線、そして嘲笑。
一際高い声で、アレクシスの婚約者のイザベラの声が降り注ぐ。
「まあ、リリアーナ様、お可哀想に…」
「うふふ。それはそれで可愛らしいのではなくって?」
嬉しそうにイザベラと目配せし合って笑うのはマーガレットだ。
ユリウスの婚約者で、子爵令嬢。
だがそこに、思いもしない方から声が割って入った。
「見世物ではありませんわ。貴方がたの品性を疑います」
凛とした声はエレオノーラ・フォン・シュタイナー伯爵令嬢だ。
言葉を交わしたことはない。
絵のモデルをしている時にフェリクスから話を聞いた事はあった。
真面目で融通が利かないけど、悪い人ではない、と。
それだけではなく、もう一人走り寄ってきたのは、友人のヴィクトリアだった。
「まあ!リリアーナ様、大変ですわ!すぐに医務室に行きましょう!これはきっと悪い病気ですわよ!」
「うおっ、リリアーナ!? どうしたんだ一体!」
登校してきたばかりのユリウスも驚いて、まじまじとリリアーナを見るが、その目には侮蔑の光も揶揄う様な輝きもなかった。
それよりも、周囲のひそひそ笑いへと鋭い視線を投げる。
背後からは押し殺したようなカイの声も聞こえて来た。
「てめぇら……」
「――不敬だ」
冷たいアレクシスの声まで響いて来て、周辺の空気が凍り付く。
カイの武力的な威圧の凄みに、アレクシスの精神的に追い詰めるような威圧。
(た、大変な事に……!)
リリアーナは穏やかに言った。
これ以上ここで揉めるわけにもいかない。
たかが丸々太ったくらいで、血を見る争いが起きそうになっているのだ。
「まあまあ、大したことじゃございませんのよ。大変なのは服の大きさ位かしら」
自分で言っておかしくなってふふっと笑顔を零した姿に、思わずといったふうにアレクシスが優しく溜息を吐いた。
「君という人は…本当に」
周囲を凍りつかせていたアレクシスの雰囲気が緩んだことで、他の生徒達もほっと息を吐く。
もう誰一人、リリアーナを嘲笑する者達はいない。
「はははっ! さすがリリアーナだ、最高だよ! 普通そんな状況で笑えるか!」
ユリウスも明るく笑い出し、カイも漸く肩の力を抜いて殺気を引っ込めた。
「……お前は本当に大したやつだな」
推移を見守っていたクロードが落ち着いたのを見計らって静かに口を開く。
「…何か心当たりはあるのか?」
いつも冷たい雰囲気を纏っているが、今朝は一段と冷たい空気を醸しているクロードに、リリアーナは少し迷いつつ口にする。
「ええ……原因は予想がついているので、ずっとこのままではないと思うんですが……」
「やはり、呪いか」
考え込むように黙していたレオナルドが、静かに怒りをはらんだ声で言う。
リリアーナはこくりと頷いたあとで、困った様に微笑む。
「でも、無理に解いてしまうとかけた人に影響が出てしまうので、かけた人に解いてもらうのが良いと思っているんです」
「どこまでお人よしなんだ、お前は」
「そうだよ。卑劣な相手なんだから、いいじゃないか」
カイが怒ったように言い、ユリウスも同調する。
「そうなのですが、分からなくもないのです。好きな相手が自分以外の誰かと親しくしていたら、嫌だと思う気持ちは罪じゃありません」
「だが、呪うのは罪だ」
クロードが冷たく断じる。
その言葉に、ヴィクトリアが賛同した。
「そうですわよ。だってわたくし、貴女を呪いたいなんて思わないもの」
「その話はまた、放課後に場所を変えてお話いたしませんか?人目を集めすぎていますから。わたくしもいくつか心当たりがありますので、お役に立てるかもしれません」
毅然とした様子でエレオノーラがイザベラとマーガレットに視線を向ける。
蒼褪めた顔のマーガレットと怒りに赤らんだ顔のイザベラ。
二人は、静かに背を向けるとその場を逃げるように去って行った。
(予想通りの方達も加担していたようですわね……)
アレクシスの婚約者イザベラは以前から刺々しかったし、ユリウスの婚約者のマーガレットは友人になりたいと言いつつも笑顔で針を刺すような令嬢だ。
リリアーナの容姿が丸々太った事に対して愉悦を感じていただろう笑顔で大体は察していた。
けれど、彼女達の思惑通りに婚約者達が態度を変えなかったのは大きな誤算だっただろう。
それは同時に婚約者の為人を分かっていないというか、馬鹿にしているようなものだとは本人たちも気づいていないかもしれない。
(少しは落ち込んだ振りをすればよかったかしら。でもそうしたら皆さんを心配させてしまうものね……実際に周りから少し人が減って、楽になりましたもの)
「では、続きは放課後に話そうか。リリアーナ。教室まで共に行こう。今の姿でも、君の気品は誰にも損なわせる事は出来ない」
「ありがとうございます、殿下」
そして昼食。
学校の食堂での昼食はとても華やかな面子となってしまっていた。
リリアーナを守ると言わんばかりの義憤に駆られたエレオノーラと、大事な親友を守らねばと庇護欲をかきたてられたヴィクトリアが両脇を固め、その隣にそれぞれの婚約者であるフェリクスとクロードが座す。
正面にはにこやかな王子アレクシスに、騎士のカイと商人ユリウスがその隣を固め、魔術師レオナルドも笑みを浮かべていた。
最強の布陣に守られているのは丸々としたお餅のようなリリアーナである。
(この姿になったのだから、少しぐらい食べ過ぎてもいいのではないかと思ったのに……これじゃあいつにもまして食事が喉を通りませんわ……!)
腰の細さが美徳の一つとされている世界で、令嬢達は小鳥の餌ほどの少量の食事を啄むのが嗜みである。
だからお腹いっぱい食べるという事はあまりない。
例外を除いては。
リリアーナはその分運動をすればいいですよと医師に言われて、故郷では自由に走り回り馬を駆っていた。
でも今は留学中。
領地でもない場所で一人で出歩くこともままならない環境では食事を制限するしかなかった。
でも今なら、少しくらい……と思っていたのに。
「お腹が空いただろう、沢山食べると良い」
口火を切ったのはアレクシスだった。
リリアーナは目の前に置かれた食事にごくりと喉を鳴らす。
何だか太ってしまったから、沢山食べてもいいと周囲も思っているようで。
「で、ではお言葉に甘えまして」
結局リリアーナは食欲に勝てなかった。
もぐもぐと食べる姿を、皆が優しく見つめて来るので、牧場で飼っていた家畜になった気分を味わう。
(でも美味しいですわね!)
気を取り直してリリアーナは食べることに集中した。
ナイフを入れた瞬間の肉汁と、ソースの甘酸っぱい香り。
口に運ぶと、まずオレンジの華やかな酸味が広がり、その後に鶏肉の濃厚な旨味が追いかけてくる。
オレンジの皮のわずかな苦味が、お肉の脂をすっきりとさせてくれるので、幾らでも食べられそうだった。
食べてはいけないのだが。
付け合わせのアスパラガスのグリルも表面にはうっすらと焦げ目がつき、噛めば中心から「シャキッ」と瑞々しい甘みが溢れ出す。
(学園の食堂とは思えないほど良い食材を使っていらっしゃる!)
小玉ねぎのキャラメリゼは丸ごとじっくりと火を通されていて、透き通るような飴色に輝いている。
口の中でほろりと解けるそれは、鶏肉との相性も抜群の甘みだった。
「すごいです。お野菜も新鮮なのですね…とても美味しいです」
「君が食べている姿を見ていたら、私もお腹が空いてきたよ」
「俺も俺も」
アレクシスが笑い、ユリウスが同調する。
少し羨ましそうなヴィクトリアの食事は、サラダとスープだけだ。
「一口如何ですか?」
「えっ?良いのですか?でも、はしたなくはないかしら」
「これで大丈夫です」
リリアーナは扇を広げて、その陰で一口に切った鶏肉を小さく開けられたヴィクトリアの口に運ぶ。
秘められた女性達の親密なやり取りを見て、男性陣はごくりと食べていたものを嚥下した。
「ん……美味しいです。食べた事がなかったので嬉しいですわ」
「それは勿体のうございますね。……女性達の為にも一口の大きさにした料理を考案して頂けたら良いのですけれど。折角ですから色々な味も知りたいですしね」
「それはいい案だ。早速生徒会の議題に挙げておこう。正式に受理されれば食堂へと提案する事が出来る」
クロードが実務的な面でリリアーナの後押しをすれば、ヴィクトリアも嬉しそうにうんうんと頷く。
そんな風に和やかに過ごす一団を、柱の陰からアリスが悔し気に見ていた。
とある令嬢が倒れたと聞いたのは、昼休みを終える直前の事だった。
カイの婚約者である、ソフィア・ランカスター伯爵令嬢。
報せを聞いたカイが腰を浮かせるが、それを制したのはエレオノーラだった。
「わたくしが様子を見て参ります。婚約者とはいえ、いきなり殿方とお会いするのは憚られるかもしれませんので」
それだけ言うと厳しい顔つきをしたエレオノーラが颯爽と席を立って歩き出す。
(もしかしたら、ソフィアさんも……)
加担していたのであれば、罪の意識に苛まれて倒れてしまった可能性がある。
同じ事をエレオノーラも考えたのだろうと、リリアーナにも予測できた。
放課後、カイに剣を教えて貰っている時に、遠くから見つめていた儚げな令嬢が頭に思い浮かぶ。
一緒に剣の修業を、なんて勧められないような繊細そうな美しさがあった。
見た目だけではなく、中身も同じように繊細だったのだとしたら、置かれた状況に耐えられないだろう。
(何より、一斉に一人を呪う、なんてことは普通あり得ませんものね。やっぱり首謀者はアリスさん……でも何故?)
アリスには調べた限り婚約者はいない。
親しくしている特定の異性もいなければ、固定の異性の友人もいなかった。
悶々としつつ放課後になると、アレクシスの先導で、学園内にある王族専用サロンへと通される。
そこにエレオノーラも合流した。
思いもよらぬ一報を携えて。
「実は、アリス・ダイン子爵令嬢にある取引を持ち掛けられた事があります。リリアーナ嬢を呪うという。どうやらソフィア様はその謀に加担してしまった様子で、泣きながら謝罪しておりました」
「な……あいつが、そんな事を……」
カイが信じられない、というように驚愕の表情を浮かべた。
婚約者から見ても、気弱なソフィアがその様な大それたことをするようには思えなかったのだ。
「わたくしはお断りしましたが、結局阻止する事は出来ずに、申し訳ありませんでした」
「いえ、エレオノーラ様は何も悪くありません。……それにソフィア様だって、アリス様に唆された訳ですし」
「だからといって、許される事じゃない。だが、その責は婚約者である俺にもある。済まなかった、リリアーナ」
カイが騎士のように膝を突いて頭を深く下げる。
リリアーナは慌てて、その肩に手を置いた。
「謝罪は、なさらないでください。わたくしは大丈夫ですから」
だが、レオナルドは厳しい表情で指摘する。
「自発的に呪いを解いてもらう、だったな。ソフィア嬢にその覚悟はあるのかどうか」
「本人は了承しております。別の覚悟も、また」
意味深なその物言いは、その場にいる者の心にずしりと重りを落とした。
婚約の解消、撤回。
カイの表情にも苦渋が滲む。
「思い詰めてしまわれていらっしゃらないでしょうか……わたくし、今日お見舞いに参りますわ」
「それならば、わたくしも一緒に参りましょう」
リリアーナの覚悟に寄り添うように、エレオノーラが応じる。
「だが、一番の問題はアリス・ダイン子爵令嬢だな。彼女は何故、こんな事を?」
「それが……よく分からないのです。言葉を交わしたのも一度きりですし……彼女には決まった婚約者も恋人もいらっしゃらないようでして……」
不思議そうに首をひねるアレクシスに、リリアーナは調査結果を思い出しながら伝えた。
「アリス……ああ、あの子。何か変わってる子だよな。俺の商会を自分ならもっと大きくできるとか何とか言ってたけど、何か胡散臭いんで避けてたわ」
頭を掻きながらユリウスが言う。
ハッと思い出したようにクロードも顔を上げた。
「あの変人か。分からない事があるから勉強を教えてくれと言ってきたから、何が分からないのか聞いても答えられず、要領を得ない。どこかの間諜にしては頭が弱いと思って捨て置いた件だったが……」
「わたくしも、話が通じなくて……何かご病気を抱えているのかと……」
「成程ね……私の元にも来たことがあるよ。自信満々に私の女神になりたいとか不遜な事を言っていたな。私の女神はリリアーナだというのに」
フェリクスの眉間の皺など初めて見たリリアーナは思わずぽかんと口を開きそうになった。
うん?とユリアンが首を傾げてレオナルドに問う。
「もしかして、レオやカイもじゃないのか?」
記憶を探る様な沈黙の後、レオナルドが、ああ、とため息のように言った。
「一人変な女がいたな。私を助手にすれば、魔術が発展するとか何とか。興味もないので名前も覚えていないが、同じ人物の可能性はあるな」
「……俺も、変な女に絡まれたな。差し入れを持ってきて、何だか訳わからん事を言った挙句に『私の騎士になって』というものだから、婚約者がいると断った事ならあった」
そこでやっとリリアーナの中でアリスの妄言の欠片が意味を成してきたのである。
(攻略対象達を全員落とす……普通一人は他の人にとっておくものじゃない……そう、そうだったのね!)
「もしかしたらアリス嬢は誰かと賭けをしているのかもしれません」
突拍子もないリリアーナの言葉に一同は目を見開いた。
リリアーナは申し訳なさそうに言葉を続ける。
「皆様のうちの誰かの心を自分の物にするという賭けを……だから婚約者の方より先にわたくしを邪魔に思って、こんな事をしたのかもしれません。私が呪われたままであれば、婚約者を退けるだけで済むと……。もしくは私が呪いを撥ね返せば、婚約者が脱落して私だけをどうにかすればいいと、そう思ったのかもしれないですわ」
アリスがいれば違うと叫んだかもしれない内容を、リリアーナは自信を持って披露した。
「ともかく、分かった………」
疲れた様にアレクシスは額を手で覆う。
「明日、全校集会を開いて『呪いをかけた者は速やかに解くように』伝える。犯人捜しはしないが、解かなければ強制的に撥ね返る事も説明すれば、自ら解く者もいるだろう。アリス・ダイン子爵令嬢についてはもう一度王家の調査にかけた後で、対処する。病気であれば療養させよう」
全校集会は翌日、速やかに行われた。
生徒達は突然の事に戸惑いつつも、王子殿下のお言葉があるという一点のみに納得して講堂に集まっていく。
壇上にはアレクシス王子、護衛として騎士見習いのカイと右腕と称される将来の宰相候補クロード。
全員が講堂に設えられた椅子に着席し、豪奢な講堂の重い扉が閉まったのを見て、アレクシスは口を開いた。
「生徒諸君。突然の招集に足労をかけた。君達に伝えたいことがある」
涼やかで凛とした声が講堂の空気を震わせた。
誰もが息を呑むように緊張した面持ちで壇上のアレクシスに注目する。
「誠に嘆かわしい事だが、我が学園内で生徒が生徒に呪いをかけるという事件が起こった。幸い命には別条はないが、どうやらその人間の尊厳を汚す儀式魔術が構築されていたらしい」
思いのほか重大な発表に、ざわりと講堂が波立つ。
暫くしてアレクシスが片手を挙げて、それを制した。
「呪いを受けた生徒の意向で犯人捜しは行われない。だが、呪いをかけた者は自身で解くよう申し付ける。こちらで呪われた人物の呪いを解呪する事は可能だが、その場合その呪いは術者へと撥ね返る。今回呪われた生徒は幸か不幸か、その呪いを増幅して返すという特性の持ち主らしい。速やかに自ら呪いを解けば反動が少なくて済むだろう」
アレクシスの凪いだ瞳が会場を一巡するように注がれる。
蒼褪めた令嬢達の顔を確認するように。
「だが、その解呪までの期間は一週間と定める。呪われた生徒をそのままにしておくわけにもいかぬ。すぐにも解呪をと私も申し出たが、その生徒は加害者達へ温情をかけたいと希望しているのだ。君達の誰かが呪いをかけた相手はそういう人物だ。卑劣な行いを身に受けながらも、その相手に配慮する高潔さを備えている」
断固とした口調で言葉を紡ぐアレクシスに、一部の生徒は突然丸々してしまったおもちのような美少女の姿が頭に浮かんだ。
元々穏やかでよく笑顔を見せる美少女で、それは、おもちになった今も健在である。
うっかり新しい扉を開きそうになった生徒すら、存在していた。
そんな色々な思惑を切り裂くように、アレクシスの強い言葉が響く。
「高潔なる人物を邪な思惑で汚した罪は大きいが、その罪を認めて潔く罰を受けるなら私も赦そう。詮索はせぬが、期限は一週間だ。努々忘れるな。以上だ」
解呪がどのような影響を及ぼすか、既にリリアーナ達は知っていた。
放課後の話し合いの後、リリアーナとエレオノーラが、ソフィアを訪ねていたからだ。
「ソフィア様を不安に陥れたわたくしが悪かったのです」
「いいえ、それはわたくしの勝手な思い違いで、呪うなど恐ろしい事をしてしまったわたくしが悪いのです」
エレオノーラは二人の謝罪合戦を優しく見守っていたのだが、青白い顔でやせ細った小鳥と丸々としたお餅がお互いに恐縮し合って頭を下げ合っている。
いつまでも終わりそうにないそれを見守っていたエレオノーラが割って入った。
「ではこうしましょう。ソフィア様も一人で不安でしょうから、わたくし達がその魔女の元へと付き添います。謝罪はもうお互いの心に届いた事でしょう」
エレオノーラの言葉に、ソフィアは青い顔のまま頷いた。
魔女は老婆、と相場が決まっているのだが、その魔女は妙齢の婦人で、魔女の住処は森の中の見すぼらしい一軒家……という予想も裏切り、町はずれの邸宅である。
その邸宅に併設された店には、魔女の作った薬や道具が美しく並べられていた。
「あら、そう。分かったわ。呪いを解くとしても対価は返せないけど、いいのね?」
「はい、お願いします」
「代償を受ける事もご存知なのね?」
「……はい、かまいません」
いいでしょう、と妖艶に微笑んだ魔女が硝子の箱に入れた花を運んできた。
「では、この花びらに触れて願いなさい。呪いを解くと決めたその思いを注ぐの」
震える手でソフィアがその花に触れる。
眩い光があたりを包んだかと思うと、その代償が何なのかすぐに分かった。
ソフィアがやせ細った小鳥から、普通の小鳥になっていたのだ。
寧ろ少しふっくらとした事で、可憐さを失わないまま、前よりも健康そうに見える。
「あら、貴女にとっては良い事だったみたいね」
くすりと魔女は微笑む。
そして、お餅はといえば、お餅のままである。
だが、少しだけ変化はあったようで、リリアーナはハッとしたように言った。
「ほんの少し、服が緩くなったような……?」
周囲には全くその変化は分からない。
気を取り直したエレオノーラは、ソフィアに微笑みかける。
「良かったですね。ソフィア嬢も以前より健康そうに見えますよ」
「ええ、今の御姿の方が可愛らしいわ」
エレオノーラに続いてリリアーナにも褒められ、魔女に鏡を渡されてソフィアは改めてその罪を身に宿したことに涙をほろりと零した。
「申し訳ありませんでした。そして、ありがとうございました」
講堂での静かな断罪を経て、マーガレットは慌てた様にイザベラの元へと向かった。
「イザベラ様、どうしましょう」
蒼褪めた顔で問いかけたマーガレットに、静かに冷たい目をイザベラが向ける。
その唇には穏やかな笑みが浮かんでいた。
「あら、何の事かしら?」
「え……だって、呪いの……」
「さあ?知らない話ですわ」
知らないと言われてしまえばマーガレットもそれ以上、言う訳に行かなかった。
実際に魔女に呪いをかけて貰いに行ったところを見たわけでもないし、何かを相談し合った事もない。
ただ、同志だと分かっていただけで。
引き下がったマーガレットは自分で決断するしか無かった。
(何なのよ、あの女が全部悪いのに!……でも倍の呪いを受けるのは絶対に嫌!)
マーガレットは悩みに悩んだ。
「詮索はしない」と王子は言ったけれど、呪いを解いたであろう令嬢達はその見た目から周囲に何となくバレてしまっていた。
そのせいで婚約解消の流れになってしまった者達もいれば、何故か熱愛に発展した者達もいるとかで、悲喜こもごもである。
(でも、わたくしは…)
ユリウスとはもう会話すら出来ていない。
流石に、あの丸々とした餅人間の側に侍っているユリウスに話しかけに行く勇気はなかった。
彼の家が経営する商店や家に連絡をしても、忙しいから会えないと断られるばかりだったのもある。
原因は既に分かっていた。
ユリウスが目を合わせる事すらしてくれなかったから。
これで太ってしまったら余計に、見向きもされないだろう。
(なのに、何であの女は幸せそうに笑っているの……!)
悔し気な目で見られているとも気づかず、リリアーナは食事を思うさま楽しんでいた。
一週間の期間限定である。
期間限定食べ放題、ときたら食べずにはいられない。
家でも気の毒なお嬢様、として甘やかされている。
(これで元に戻ったら、あの味気ない食事に戻さなければならないのだとしたら、それこそ呪いではないかしら?……呪いって恐ろしいわ……!)
勝手にもちもちと悩んでいた。
別の意味の呪いが発動していた事に、リリアーナ以外は気付かないまま。
同じ頃、マーガレットを退けたイザベラも苦悶していた。
呪いを認めることは出来ない。
かといって、その罰を受けることも許されない。
高名な魔術師を連日呼びつけても、解決策は見つからなかった。
魔術大国である隣国の王女のセレスティーナも、レオナルドの婚約者として今回の呪い騒動に参加していたのをイザベラは知っている。
セレスティーナに秘密裏に連絡を取ったが、彼女は呪いを解く気が無いという。
呪うのも呪い撥ね返らせるのも、セレスティーナにとっては「貴重な実験」であり自らの体験学習だったからだ。
その非倫理的な思考はイザベラには理解の範疇を越えていた。
そして元凶であるアリスはといえば「呪ったのは貴女がたで私は関係ありません」と嘯いている。
「あの女狐……自分は手を下さなかったのですわね……!」
結局審判の日を待つしかなく、イザベラは学校を休んでその日を迎えた。
反省の無いマーガレットと解呪しなかったイザベラ、そして体験を望んでいたセレスティーナの元に呪いが訪れたのは必定だった。
なるべくゆったりした服を着ていたものの、予想を遥かにこえたもちもちボディになってしまったのだ。
マーガレットは泣きわめき、イザベラは静かに卒倒し、セレスティーナは歓喜に震えたのである。
王家からの婚約解消の通達を、ロレンツォ公爵家は唯々諾々と受け取る事しか出来なかった。
慰謝料を請求しない代わりに、これまで以上の忠誠をと言われれば従わざるを得ない。
イザベラが他者を呪った件に関しては書類を交わして証拠として残されたが、公表はされない事となった。
忠誠を誓う限りは。
セレスティーナはもちもちした身体のまま嬉しそうに隣国へと帰って行った。
レオナルドと婚約して良かったのは、今回の体験が出来た事だと言いながら、解消して意気揚々と去って行ったのだ。
「何しに来たんだ……」と思わなくもなかったが、後を追う理由もないレオナルドは一方的な手紙を受け取って、変らぬ日常に安堵した。
ハワード子爵家は共に事業を拡大するべく折衝していた全てをベルモンド商会に根こそぎ奪われた上に、婚約解消を告げられて大打撃を受けた。
何より愛らしい娘が丸々としたおもちになってしまったのだ。
これでは代わりの婚約者は見つからないし、マーガレットはその巨体で暴れ回るので押さえるのに従僕を新たに三人も増やすしかなかった。
首謀者であるアリスは、王家の調査でも間諜である証拠や秘密も特に発見できず、今回の呪い騒動も扇動した事実は証明できるものの、罪に問わないと宣言した以上罰する事は出来ない。
「何だ、それ……!一番悪い奴が野放しだと……!?」
激高するカイに対してアレクシスは憂鬱そうな目を向け、穏やかに笑んだ。
「学園内で裁かれていた方が、まだマシだと思うぞ。私も彼女を守る気は、無い」
そのアレクシスの言葉をカイが理解するのはまだ先の話である。
だが、そのカイも婚約の解消をランカスター伯爵家を通して打診され、親同士の話し合いで解消が決まってしまった。
ソフィアを不安にさせていた事に気づかなかった自分に非があると訴えたものの、だからこそだと言われれば言い募る事も不可能だったのである。
呪い騒動を越えて、リリアーナはおもちから人間に戻っていた。
以前よりふっくらしているような気がしたが、おもちに比べれば痩せている。
もちろん、以前の制服が少し窮屈なのも、気のせいだ。
気のせいであると、そう思いたい。
「カイ様、わたくしご飯をいっぱい食べたいので、剣の修業をたくさんしますね!」
動機はとても不純だが、婚約の解消をされて沈みそうになる気持ちを打ち消すようなリリアーナの笑顔に、カイも微笑んだ。
「ああ、分かった」
「それなら、私とは乗馬に行かないか?遠乗りに最適な場所があるよ」
アレクシスの誘いにも、リリアーナは目を輝かせる。
「それは、とても嬉しゅうございます!わたくし馬に乗るのが大好きなのです」
「そうか。身体を動かす事がしたいのなら、私が舞踏の練習のお相手を務めよう」
フェリクスも申し出るが、その横でエレオノーラが釘を刺す。
「呪われたくなければ、わたくしも同席させてくださいませね。勿論、わたくしが呪うとしたらフェリクス様ですけど」
「私がもちになっても誰も喜ばないだろう」
「あら、わたくしは構いませんことよ」
軽口を叩き合う二人を見て、リリアーナが幸せそうに笑う。
アリスの真意は分からないままだし、イザベラやマーガレットがどうなったのかは気になるが、幸せな喧騒と美味しいご飯に囲まれて、リリアーナの幸せな日々は続いて行く。
ちなみに、アリスはロレンツォ公爵家の者達に攫われてボコられます。王子は宣言通りその罪には目をつぶる。イザベラとマーガレットはセレスティーナの研究で解除の魔法を構築できたので、それを買い取って元通りになれるのでご安心(?)ください。それまでは鬼のようにダイエットをして、二度とこんな非効率な事はしないと心に誓いました。
おもちおもちって書いてたら、またおもちが食べたくなったので、お雑煮作って食べようと思います!!!




