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19. お屋敷のお化け

 ベッドは温かいほうがいいのに、シーツは冷たい絹なので、アリソンは理解に苦しんだ。だが、そのお化けは気持ちよさそうに寝そべっている。

「こういうところはね、素敵なものがいっぱいなのよ」

 ねっとりとした喋り方に、アリソンは眉を顰めた。見下されているようで、少々不愉快だった。

「贅沢って良いものよ。とにかく気持ちよくなれるから」

 だからお金持ちは最高と、お化けは部屋の中を見渡した。ベッド以外にも高いものがたくさん置いてある。ここはお金持ちの家だから。

 でも、これはお化けのものではないはず。

「そのうち私のものになるわ。そろそろ人間がお金を巡って争う頃だから」

 その隙に奪ってやるのよ。お屋敷のお化けは得意げだった。

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