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13. 空のお化け

「空にはね、なーんにもないよ」

 空中で寝そべったお化けはごろごろと転がる。昼寝を満喫している猫のようだった。肩の黒猫も羨ましそうにしている。

「うるさいのもいない。悪いやつもいない。ごろごろしてても汚れないし、誰かに踏まれることもない。雲の上に行けばお天気も関係ない。しがらみなんてなんにもなーい」

 空のお化けはのびのびとしていた。きっと誰にも文句を言われず、叱られることもなく、自分の好きに過ごしているのだろう。

 地上だと、自由なお化けも喧嘩する。腹立つこともたくさんある。それは、誰かと一緒にいるから起きることで。空で独りだと何もない。

 自由と孤独は似ているとアリソンは思った。

 寂しいかは、ひとそれぞれだ。

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