表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

荷馬車

作者: 桜谷容異

 1939年8月2日正午、僕は居間の畳に寝そべっていた。とにかく暑い。風鈴の音と蝉の大合唱が聴こえる。大合唱と言っても、遠くの山の方にたくさんいるらしく、うるさくはなかった。しばらく蝉の声に耳を傾けていると、車輪が近づいてくる音がした。そしてその音は、家の前で止んだ。

 外に出ると、荷馬車が止まっていた。うんと多く俵が積まれていた。どうやら荷が緩んでしまったらしく、おじさんは紐を結びなおしていた。ふと馬の方を見ると、全身汗だくでハアハア言っている。僕は家の井戸でバケツ一杯に水を入れ、おじさんに渡した。

 「馬にあげてください。」

 「おお坊や。ありがとう。」

 おじさんは馬の目の前にバケツを置いた。馬は美味しそうに水を飲んだ。天気は快晴で、空は青かった。家の周りの田んぼは静かで、遠くの山はいつもより大きく見えた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ