1/1
春が来る
ゆっくりと目が開く 起きて初めて視界に入ったのは
目いっぱいに広がる雪景色 そんな白によく映える赤い鳥居
今年も冬が始まった そう思いつつ辺りを見回すと私に背を向け手馴れた手付きで朝餉を用意する童が居た
『 おはよう 』
そう私が話し掛けるとその童 【 小雪 】は此方へ振り向き
【 お早う御座います 冬生 様 】
そう言い小雪は頭を下げるとすぐに私にまた背を向け朝餉の用意を始める
私は小雪から視線を外し また雪景色を見た
ふと、自身が寝巻きから着替えていないことに気付き朝餉ができる前に急いで隣の部屋へ行き着替える
着替え終わると香ばしい味噌の香りが漂って来た どうやら朝餉ができたようだ 襖を開けて朝餉を食べに行く事にした