えーーー、だって死にゲーなんだよぉ!
11/18改稿
ないね……。うん、それはない。
このセカイはないよ……。もっと楽しいセカイがあったでしょ……。
ボク、プレイ中何度も恐竜に倒されちゃって、仲間の恐竜君達共々全滅したり家を壊されてすべてを失ったり、テイム中の恐竜君食べられちゃったりで、よく悲鳴を上げてコントローラー投げちゃってた(クッションめがけてだけど)。
夜中に……。
いつもお姉ちゃんが心配して見にくるんだよねぇ。
死んじゃう。死んじゃう。死んでるじゃん?
……いや、死んでないよ。
どうする?どうする?
あー、蝶々とんでるー。
ふふふふっ。
うーん、どんなゲームだったっけ?
もう何年も前になっちゃたから、細かいところまでは思い出せないなぁ。
なにかの実験? あのオベリスクは監視塔……だったかなぁ?
主人公は恐竜のいる世界に放り込まれて恐竜君達を仲間にして一緒にボスを倒すのを目指す。
建築、制作、調理、テイム、交配、子育て……なにせやり込み要素が多くて長い時間を必要とする上に難易度が高くて死にゲーとして有名だった。
リアリティを追及した結果……かな?
何度かのアップデートで色んな工程に必要な時間が短くなっていったらしくて、ボクが始める頃には変態じゃなくてもプレイできるくらいまで敷居は下がってた。
ボクもちゃんと学校に通っていたら絶対に続かなかったと思う。
数日放置したら恐竜君達みんな死んじゃうんだよね……。
ハハハ……。
「うーん、困ったなぁ。」
どうやって帰るんだろ? クリア目指す?
何か違いがあるかもしれないよね。
フゥ、動かなきゃ始まらない……か。
先ずは身体のチェックかなぁ。
立ち上がって一通り体を動かす。体は重くない。
……ないったらっ!
反応は良い。動きもユフィのままかな? 恐竜とも戦えそう?
右手を前に突き出して指を鳴らす
「ファイアーボォォォォル。」
「・・・・」
しかし、なにも起こらなかった。
魔法は……出ないか……。
出てくれないと小中学生がかかってしまう病のようになっちゃう。
錬成陣が無いからじゃないよ!。
実は魔法にポーズもセリフも必要ない。
けど、いるよね?
とりあえず石を拾ってみたら手の中から消えて、そのままアイテムボックスに収納された。
……不思議。
剣と魔法の世界も不思議だったけど、また違う感覚。
石と草を拾いながら歩く。
アイテムボックスに収納される石とベリーと繊維。アイテムボックスに容量と重量の制限はないね。
これはすごく重要。ゲームは初めはちょっとしかもてないから、ずっと素材集めして収納ボックスにしまいにいかないといけない。
繊維だけで服は作れないし葉っぱの服なんて物も作れない(別に着たくはないよ、可愛くないし)。
誰もいないけど恥ずかしい……。
ベリー、なにそれ? 美味しいの? うん、美味しかった。
つまんでみたベリーはだいたい見た目の想像通りの味でやっぱり紫ベリーが一番美味しい。黒ベリーと白ベリーは食べてないよ。
食べる時にワシャワシャ効果音が入るかと思ったけどそれは無くて良かった。
まずは斧とピッケルを作らなきゃなんだけど、素材系が持てないって事は……だよね。
コンコンコン……。もしもーし?
木は普通に硬そうだね。
諦めて軽めに木を殴ってみる。
……取れない。…………取れない。
………………取れないぃぃぃ。
仕方なくちょっと強めに殴ってみた。いったぁぁぁぁい。
……けど取れない。
覚悟を決めて脇を締めてっ。
「………………。」
いったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい。
痛いよぅ。痛いと分かってて殴るって勇気いるね。
木材とワラをげっとぉぉぉ!
治癒魔法は使えないけどすぐに治った……。
♪チャラララン。〜石の斧&ピッケル〜♪
うっはぁ〜。さぁ、切るよー!
切って切って切って!切る? じゃないな。
打って打って打って!うん打つ!
お次は岩ぁぁぁぁ。よしっ、石と火打石げぇぇぇっと!
ガサッ。
物音がしたら反転してダッシュ!
木ぃぃぃぃ。草ぁぁぁぁ。岩ぁぁぁぁあ。
打って打って打って打って打って。
作って作って作って作って。
打って打って打って打って。
作って作って作って作って。
逃げて逃げて逃げて逃げて。
ボク、素材はまとめて集める方なんだぁ。
海の水が飲めたのはびっくり! しかもクセが無くて美味しかった♪
見える範囲の浜辺からオブジェクトが無くなる頃には空の色がオレンジに変わり始めていた。
読んで頂いてありがとうございます。
はい、死にゲーです。
めっちゃ死にます。
上級者も死にます。
ゲーム始まった時にまったくやる事わかんないんですよねー。
マインクラとかプレイした事ある方は抵抗無いかもしれないですけどねー。