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1/21

君が終わらせてね 最悪の場合は……

11/24改稿


「………………。」


「約束を守ってくれてありがとう。まさか一人で私を倒せるなんて思わなかったよ。」


 焼け焦げた匂い、周囲に広がる傷跡、壁や天井は崩れ落ちて、ここに来た時の豪華な印象は微塵も感じない。

 男は、炎に包まれて体は崩れ始めてるのに満足そうに微笑んでいる。



 ここは亜人達の国シャムエールの王城、謁見の間。


 男の名はアスターテ。

 今まで数々の功績をあげて亜人達の間では英雄王と呼ばれ、人族には魔物の王と恐れられる人物。


 腰に届くほどの綺麗な黒髪に鋭い真紅の瞳、知らなければ女性だと思ってしまうほど美しい顔立ちをしてる。

 英雄の名にふさわしい、とても陽気で優しい人で一緒に過ごした時間はとても楽しかった。


 中ボスで脳筋の王様には見えないけど、戦う以外の選択肢がなかったし、戦ってる最中はずっと楽しそうだった。

 見た目は人族の十代だけど実際は百年以上生きているらしい。 


 ボクはユフィーリア・ファーレンハイト。

 日本のから転生者……。


 この身体のホントの持ち主は、ファーレン王国の王の娘で継承権第三位のお姫様。

 だけど黒髪黒い瞳で生まれてきたから、母親から離されて生まれを隠されて別邸に移された。

 この国の王族は金髪の碧眼しか認められていないからだ。


 それだけなら別に良かったんだけど乳母とメイドがひどい人間でさ、国からのお金は懐にしまい込んでユフィーリアには最低限の食べ物しか与えなかった。


 そして十歳になる夜中に監禁状態の部屋で独り死を迎えた。

 そこで憎しみの女神によって力と知識と感情を与えられてラスボス王女として蘇るはずだったんだけど、ボクの人格が入り込んじゃったんだよねぇ……。


 死んじゃったせいなのか、ボクに代わったからなのか、今は桜色の瞳に同色の髪色に変わってる。


 ホントはゲームのシナリオに関わり合いになるつもりとかなくて、ゆっくり生活して過ごすつもりだったんだけど、戦争とかみんなが不幸になるとか嫌だから、シャムエールに中ボスの一人のアスターテに会いにきた。


 もう何も見たくないなんて言える訳もないし



 アスト自身は良い奴なんだ、一番悪いのは参謀のゾラフィスだったんだけど、設定通りの脳筋で話し合いで解決は出来なかった。



 身に着けていた甲冑は傷付いて、割れて吹き飛んでしまってもう役にたってない。


「ごめんね。アストに恨みなんてないんだけど……。」


「気にしなくていいよ。これだけ楽しめたのはいつ以来かな? ユフィの方が強かった、ただそれだけだよ。」


 アストの命を取るつもりなんて無かったし話し合いで何とかできたらよかったけど、戦闘して敗北=消滅のシナリオは変わらなかった。


 自然に生きてる様に見えるのに設定は皆の根本に染み込んでるし、何らかの形でシナリオが絡んでくる。


 なんで変えられないんだろう……。



「それにね私が生きてたら片付かない問題もあるからさ、一度死んだ方がいいんだよ……。どうせまた生まれてくるし。」


 ボクの頬を涙が伝う……。変えたかった、生きていて欲しかった。


 アストが全て悪い訳じゃないけど、彼にも責任はあるし、国や軍に対する怒りや憎しみを消す事はできない。



 体の半分以上がすでに消えてるけど、残った右手をボクに向かってゆっくりと伸ばす。


 ボクも手を伸ばしたけど指先が触れる前にその手は崩れていく……。


 聞き取れない息ほどの言葉と共に淡い光がボクの周りに浮かんでくる。


「……受け……って…………。ユフィ……。また……ご飯い……。ありが………………。」


「うん、またね……。」


 アストの体が崩れて消えると、ボクの周りに浮かんでいた光の粒が回り始めてだんだんと速くなる。

 

 ボクを真っ白に染め上げていった。


「……………………。」

読んでいただいてありがとうございます。

文章を書くって難しいですね。


本編を書きながら思いついた閑話的作品です。


どこまで書けるかわかりませんが、頭の中の映像を頑張って文章に変換していこうと思います。

皆様に面白いと思っていただけたら幸いです


何度も改稿をさせていただいてます。

度々読んで頂いた方、ありがとうございます。


今後も加筆、修正、差し替え等あると思いますが、より良い作品にしていきますのでよろしくお願い致します。



若輩ですが夢は映像化。

自分の推しを映像化できる様にがんばります。


共感してもらえたらブクマ、評価宜しくお願い致します。



まだアップしてませんが、本編を書きながらの執筆となりますので不定期投稿となります。

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