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第61話 まさかの愛人への誘い?!

「は?専属?一体何の専属ですか?」


ワイングラスを手にしたままデニムに尋ねた。


「あ、ああ…専属というのは…つ、つまり俺の専属メイドだ」


「は?」


凄んだ目でデニムを見ると言った。


「あの、デニム様には専属のフットマンのフレディさんがいますよね?私は必要ないのでは?」


「い、いや!俺にはお前のようなメイドが必要なのだ!俺を注意し、正してくれるような…叱ってくれる女性が必要なんだ!」


何それ?それではまるでお母さんと変わりないじゃないの?つまり阿呆デニムは私に母親を求めているのだろうか?気持ち悪っ!思わず鳥肌が立ち、ブルッと身震いする。だから言ってやった。


「は?何ですかそれは?つまりお母さんが必要って事ですか?デニム様にはお母様がいらっしゃるではありませんか?」


「いや、そうではない!俺は俺の事を時には蔑み、時には叱りつけてくれる女性が必要なのだ!それが…メイッ!お前だ!」


「嫌です」


にべもなく即答する。デニムめ…実はMっ気があったのだろうか?!


「何故だっ?!そ、そうか?メイドという立場が嫌なら、そ・その…つ、妻には出来ないが…愛人になるかっ?!」


「はああぁ〜っ?!」


冗談じゃない!何で仮にもまだ妻である私に!しかも未だに私の正体に気付いていない間抜けデニムの愛人にならなければならないのだっ?!


「何でっ!デニム様の愛人にならなければならないのですかっ?!」


ドンッ!


テーブルを拳で叩いた。


「愛人の地位ではやはり駄目なのか?俺の正妻になりたいのか?」


馬鹿デニムは真剣な顔でこちらを見る。こ、こいつ…どうしようもない阿呆だっ!

呆れて見ると、なぜかデニムはポッと頬を赤らめた。


「そ、そんなに見つめるな…照れるじゃないか…」


ブチッ!


私の中で何かが切れる音がした。もうこれ以上デニムの顔を見ながらワインを飲んでいると悪酔いしそうになってくる。


ガタンッ!


我慢できずに席を立ち上がった。


「お、おい?メイ。どうした?まだ話は終わっていないぞ?」


「1人になって少し考えたいので今夜は失礼させて下さい」


怒りを押さえ、引きつった笑いでデニムを見る。


「そうか、前向きに考えてくれるという事だな?」


「ええ、まぁそんなところですね」


今の話のどこをどう取れば前向きに考えるという話になるのか理解に苦しむ。それよりも明日の我が身を考えるべきだろう。


「それではお休みなさい」


頭を下げて部屋を出ようとした時、デニムに呼び止められた。


「あ、ああ。おやすみメイ。又明日な?」


「はい、又明日」


しかし、明日私はこの格好でデニムの前に現れる気はさらさら無い。メイドのメイは今日で終わりなのだから。


そして私は阿呆デニムの部屋を後にした―。



****


バンッ!


思い切り部屋の扉を開けて鍵をガチャリとかけると、カツラと眼鏡を外して思い切りベッドへダイブした。


「全く、言うに事欠いてあのクズデニムめ…っ!何が愛人になれ!だ!あんたの愛人になる位なら人里離れた山奥で1人ひっそり暮らしたほうが100倍マシよっ!」


そしてガバッと起き上がると、部屋に置かれたライティングデスクに向かい、義父とロバートさんが集めた義母とデニムの我が実家が支援した公金横領を示した書類を引き出しから取り出し、改めて目を通した。


「それにしても、義母もデニムも腐りきってるわ…。でもこれだけ証拠が揃っていれば…もう言い逃れは出来ないわね」


いよいよ明日、デニムとついでに義母に審判を下してやる時がやってくるのだ。


面白い事になりそうだ。


そして私は笑みを浮かべた―。




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