またお風呂に一緒に入ることになりそうだ
香恋にあたためられた次の日の部活。
僕はテニスの調子がかなり改善した。
そして、塚本も僕を褒めてくれ、僕は一気に晴れやかな気分になった。
家に帰りお風呂に直行。
よっしゃ、今日は気持ちよく汗が流せるぜ……!
「……って、シャワーが、でねえ、ていうか僕の力では出せないんだった」
僕は、唯一お風呂に入れる手段、「幼馴染を呼ぶこと」を実行する。
香恋は今日は家に来てないので、スマホでぷるるるる……
『もしもし』
「香恋。あの、お風呂に入りたいんだけど……」
『あ……あ……どうしよどうしよ。ついに光からお風呂のお誘いが……あ、あ』
大丈夫かよ。自分で僕の他の選択肢を奪ったくせに、僕からのお風呂のお誘いだと解釈してるんだが。
『いまいくねっ』
通話が切れた。
そして少し経ってピーンポーン。
はいはい。
って、僕がドア開ける前から元々入ってるんだけど! 香恋がそこにいらっしゃる。
そういや最近いつの間にか僕の家の中いるなとは思ってたけど。
「あ、勝手に入るのはマナー違反? そこは幼馴染だし気にしないでよ」
「いや気にしない方がおかしいから気にすることにするけど……何、今度はうちの合鍵でも作っちゃったのかよ。僕許可してないから犯罪な気が……」
「違うよ。もともと開いてた」
「嘘だろ?」
「ほんとだよ。今まで私が勝手に入ったときはもともと開いてたときだよ。だから光の閉め忘れがそれだけ多いってわけ。あ、それとも私にこっそり入って来てほしいって思ってるから……」
「はい今度から絶対毎回閉めます。気をつけます」
僕は毎回閉める宣言をして話を切る。
そして次の突っ込みをするぞ。
「香恋。その持ち物」
「え、タオルと、着替えだけど……」
「丸出しで持って来たのな……」
タオルの上に服とパンツとブラジャーのトッピング。
新しいピザを出前みたいに持って来た香恋。
ていうかピザでもちゃんと箱に入れて持ってくるぞ。
「ご近所さんに結構見られたかもしれないけどよくなかったかな……」
「かなりよくない!」
僕の家に、タオルの洋服パンツブラジャー乗せを持った女の子が元気に入っていったら変に思われるにきまってる。
向かいの人なんかに見られたら、僕の母親と仲が良いから、電話なんかで母親に伝わって、母親が猛スピードで戻ってくる可能性まである。
「そっかーじゃあ今度はプールバックに入れて持ってくるね」
……やっぱり香恋。お風呂とプールを似た感じで考えてるのかな。