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タオルを巻いた濡れた幼馴染


「身体洗い終わったよ」


「おお……」


「ねえこっち向いて光」

 

「はい」

 

 僕は身体を百八十度回転させる。


 タオルを巻いた香恋がいた。


 しかし先ほどと変化している。


 全てが濡れている。そしてそれがエロい。水分子に女性ホルモンでも含まれてるの?


 とにかく、髪質が濡れると変わっていて、綺麗に風呂場の上の電球の光を反射している。


 胸元をつーっと滑り降りる雫と言う名の水分子ガイドさんによって、僕は胸元に視線がいく。


 迷路のコースからは完全にずれているが、もしやここがゴールだったのではないか。


 そう思わざるを得ないほどの谷間と、タオルごと盛り上がっている大きな胸。濡れた香恋を前にして、そこを意識してしまう。


 テニス部で球拾いしていた時に、部活仲間とふざけてテニスボールをテニスウエアの中に入れて「おっぱいー」とか言っていた日と、本当に同じ日の出来事だろうか。


 テニスボールを入れる程度では女の子の胸の膨らみを再現できないということを、今、思い知った。


「一緒に、湯船入っていい?」


「……いいよ」


 僕の返事とともに香恋が脚をあげて、湯船に入ってくる。


 超至近距離に、圧倒的言語化不可能な曲線に綺麗につながっている太ももが来る。


 そして、濡れた香恋の身体を包むタオル。


 香恋が僕の正面に座った。


 互いに脚を伸ばすと当たる。お互い少しずつずらした。


 香恋を見ると、香恋が笑った。香恋がお風呂に入ってから、初めて香恋の顔をきちんと見たかもしれない。エロいことを考えて香恋の身体を見ていた健全な男子高校生で大変申し訳ない。


 眼鏡を外した香恋は、少し賢さを失って、その代わりちょっと幼い顔になっていた。しかし、全体を見渡せば、全く幼くない。


「なんか、昔と比べて狭いね」


「そうだな」


「一緒にお風呂入れてよかった」


「あそう」


 僕も色々よかった気もするけど、まだ、ちょっと混乱は残っている。


 香恋は、少し変わっているところもあるから、もしかしたら一緒にお風呂入るのを、一緒にプール行く的な感じで考えていたりして。


 香恋は理系だからな……。水着よりこっちの方が身体隠れてるよとか言いそう。僕は考えを改めたぞ。


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