幼馴染がおかしい気がする
香恋を家まで送った次の日の部活で。
今日も調子が改善した状態で、僕はほっとしていた。
球拾いの時。
「ふっ。これを見ろ長宮」
塚本がそういうので見れば、テニスボールをテニスウエアに入れておっぱいを生みだしていた。
僕にいらいらすることがなくなった塚本も、この変な流行に乗ってしまったのだ。
ちなみに僕はやらないと決めた。本物のおっぱいの偉大さを知ったからだ。
「おお……」
それゆえ僕の反応も薄い。
しかし。塚本はしつこい。
「ほら見てろよ」
塚本はそう言って僕の前で、素振りをした。
ぼよんと胸が揺れる。嘘だろ。
「軟式テニスボールをテニスウエアに装着したんだ」
「軟テボールかよ……」
僕たちが使っている黄色い硬式テニスのボールに比べて、軟式テニスボールは柔らかい。ぽよぽよしている。
だが悪い。それでも全くおっぱいではないな。
「これを使って、相手を惑わす作戦を今度、決行しようと思う」
だから、なんか言ってる塚本をスルーして、ぼくは黙々とラケットに球のピラミッドを積み上げた。
こうして集めると、一度に多くの球を運ぶことができ、球拾いを早く終えることができる。
「おい、聞いてんのかよ。俺はおっぱいを……」
まあ塚本も元気そうだしおっけーだな。
そんなわけで平和に部活は終わった。
帰り際、スマホを開いてチェック。
香恋からメッセージが来ていた。
0925
これは……? なんだ? と考えて思い当たる。
これは、9月25日、つまり僕の誕生日を表していて、そして……シャワーのパスワードかもしれない。
さては香恋。
やっぱり毎日一緒にお風呂は恥ずかしいと気づいて、パスワードを送って来たな。
これで、平穏に僕もお風呂に入れるぞこれからは。
……。
……本当か?
……香恋にしては……ずっと幼馴染の香恋にしては、何かがおかしい気がする。
僕はきっと香恋がいるはずの、科学部の活動場所の化学室に行くことにした。




