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二人の時間、ずれるタオル


 ちゃぷん……。小さい代わりにまあまあ音が響く風呂場に、水音だけが響いた。


 今はお互いに体を洗い終え、二人で湯船タイムがちょうど始まったところ。


 今日は先に香恋が身体を洗ったので、僕はその間、扉の近くに立って、壁さんと扉さんと会話をしていた……と見せかけて実際は、香恋が時々息をはくのが相変わらず色っぽすぎるのはなんなんでしょうって考えてた。


「二人でお風呂入ると、毎回こうやって落ち着いて話せるね」


 香恋が静かにお湯を手ですくいながら言った。


「そうだな。確かにこういうのは最近あんまりなかったかもしれないな。昨日の風呂ではしたけど」


「だよね! 私、光とこういう時間ほしいなって思って今回の計画を実行したの」


「そうだったのか……」


 幼馴染とはいえ、お互い部活も忙しくなりつつあるからそんなに話せない。香恋は、今科学部のみんなとロボットを作っているらしく、僕の家でも、学校の休み時間もパソコンでプログラミングみたいなことをしていることが多い。


 だからこうしている時間は……この小さな風呂場にいる僕と香恋の間だけに流れるもので、とても特別で、大切なものかもしれない。


「こうして話してると思ってることをすっといえるかもなって。お湯あったかいし、光と近いし」


 今日のお湯はあったかい。昨日よりもあったかい。香恋はきっと昨日と同じくあったかい。


「昨日はありがとう。僕、今日はテニスの調子改善した」


 僕は香恋にお礼を言った。恥ずかしさはなく、自然と言えた。やはり香恋の言う通りなんだな。


「ほんと? よかった! お風呂効果あったかな」


 香恋が浮かべたあひるをちゃぷちゃぷさせて喜んだ。そして……タオルがずれた。


 テニスボールなんか余裕で圧倒する大きな胸。それが二つ合わさってできた谷間とそこに入り込む雫ちゃんの集合体。かなり見える部分が増大してしまっている。


「み、みないでよっ、もう!」


 香恋は僕の顔に水をかける。そして、タオルをもとの位置に戻す。


 瞬時にのぼせた香恋。香恋はとてもかわいいということで、今回は、お湯の温度が昨日より高かったからということにしよう。


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